散布装置
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風船爆弾 生物兵器を搭載する計画だったが、1990年に国土法違反事件で波野村の教団施設に強制捜査が入り、証拠隠滅のため破棄された。開発を担当した上祐史浩によると、どこに飛んで行くかわからないため非効率であり中止されたという。 ホスゲン爆弾 ホスゲンを入れた鞄型散布装置。詳細はオウム真理教の国家転覆計画#ホスゲン爆弾計画を参照。 霧どんどん 第1次池田大作サリン襲撃未遂事件で使用した農薬噴霧器。乗用車に搭載されて現場に持ち込まれた。 サリン噴霧車(旧型) 村井らが幌付き2トントラックを改造、ガスバーナーと送風機による加熱気化式噴霧器を搭載し、第2次池田大作サリン襲撃未遂事件で使用した。製造を手伝った滝澤和義は「気化中に火事になりますよ」と指摘したが村井は受け付けず、実際に幌に引火して火災が発生し襲撃に失敗したばかりでなく、運転手役の新実智光がサリンに被曝して危うく命を落としかけるなど散々な結果に終わった。 サリン噴霧車(新型) 村井、渡部和実、藤永孝三らが2トントラックを改造、前回の教訓から貨物室はアルミ製の物を使い、ガスバーナーは電気ヒーターに変更した。コンテナ上部のタンク内の液体を、電気ヒーターで加熱した銅容器内に落下させ、これを加熱して気化させ、それを大型送風扇で外部に噴霧する。松本サリン事件で使用した。 ワゴン車 松本サリン事件で、サリン噴霧車を護衛するために使用された。 ボツリヌス菌(ボツリヌストキシン)噴霧車 創価学会本部がある信濃町を襲撃しようとした。 炭疽菌噴霧車 10tトラックを改造、高速回転する円盤で散布する仕組み。杉本繁郎などが運転手を務め、上祐史浩、新実、早川紀代秀ら最高幹部や麻原も搭乗、散布を指揮したことがある。 ウォーターマッハ 亀戸異臭事件で使用した噴霧器。豊田亨が開発。 六法煙書 村井が東急ハンズで購入したおもちゃの液体噴霧器。名称の由来は六法全書の形をしていたから。地下鉄サリン事件直前の霞ヶ関駅細菌テロ未遂でボツリヌストキシン散布用に使用された。 クルーザー マハーヤーナ号とヴァジラヤーナ号の二隻を保有していた。マハーヤーナ号にボツリヌス菌噴霧器を装備する計画があった。 ヘリコプター(Mi-17) ソ連のミル設計局で開発されたヘリコプターであり、ロケット弾や対戦車ミサイルなどを装備させて武装ヘリコプターとして運用することも可能。公安調査庁は「軍用」ヘリとし、麻原は「民用」ヘリとしている。 早川は1992年からの3年余に21回ロシアを訪れ、人材発掘と武器購入に奔走、1994年6月に購入した。旧タタール自治共和国で製造され、旧アゼルバイジャン共和国で使用された中古機であり、アゼルバイジャンからスロバキア、オーストリアまで陸上輸送された後、オランダのロッテルダム港経由で横浜港大黒ふ頭まで海上輸送され、上九一色村の教団施設に運び込んだ。航空法に基づく飛行許可は出ておらず、飛行すれば法律違反であった。岐部哲也がヘリコプター免許を取得していたが、敷地内でホバリングをしたのみにとどまり、飛行することはなかった。試運転で壊れたとも伝わる。 サリン噴霧に使おうとしたとされる。対して麻原は説法会の為に飛ばしたり、マハーポーシャのパソコン部品を台湾から空輸するのに使うためと弁解している。 ヘリの存在は強制捜査以前から地元住民に知られており、不審がられていた。加えて、ヘリを運ぶ貨物船、Mi-24(ミル24)攻撃ヘリコプターの入手も企てていたとされる。 現在はジブチの空軍が所有している。 ラジコンヘリ サリン噴霧用に1993年11月に宇都宮市[要出典]で2機購入した。1機170万円、最高速度140km/h、平均速度100kmの農薬噴霧用ラジコンヘリであったが、岐部が実機とレバーが違うのに戸惑い、操縦ミスで1機は木に激突、もう1機は急上昇して操縦不能になり大破し放棄された。村井はこれに激怒し岐部は事実上の降格となった。
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