南大洋(なんたいよう)Southern Ocean
南氷洋(なんぴょうよう)Antarctic Ocean
南極海(なんきょくかい)Antarctic Ocean
南極大陸を環状に取り巻く海、南極大陸から南緯40度ないしは亜熱帯前線までを言う。南極環海あるいは南極海・南氷洋とも呼ばれる。南大洋は南極前線によって、それより南極大陸よりの南極圏と、北側の亜南極圏に分けられる。南氷洋・南極海という呼び名は、南極圏の部分を指すことが多い。南大洋はその中で東西に地球を巡り得る唯一の大洋であり、太平洋・大西洋・インド洋を結び付けている海であることから、また冬季における高密度の深層水の生成域として海洋学上重要である。
南極海
南極海
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/03/20 17:06 UTC 版)
「ベンジャミン・モレル」の記事における「南極海」の解説
モレルの日誌では、ワスプが11月20日にサウスジョージアに到着し、続いて東に孤立したブーベ島に向かった。そこは南アフリカと南極大陸のほぼ中間にあり、世界で最も離れた島だと知られている。1739年にフランスの航海者ジャン=バティスト・シャルル・ブーヴェ・ド・ロジエによって発見されたが、その位置に関する情報が不正確だった。1772年、ジェームズ・クック船長はその島を見つけられず、それが存在しないものと判断した。次にブーベ島が視認されたのは1808年のことであり、イギリスのアザラシ漁船の船長ジェイムズ・リンゼイとトマス・ホッパーが島に達して、正確な位置を記録したが、上陸はできなかった。モレルは、自身の証言に拠れば、造作もなく島を見つけており、歴史家のウィリアム・ミルズの言葉では「ありそうにない容易さで」ということになるが、その後上陸してそこでアザラシを狩った。モレルは、その後の長々しい叙述の中でも、島の最もはっきりした特徴であるはずの万年氷で覆われていることに全く触れていない。このことで、評論家の中に、実際にモレルが島を訪れたのかを疑う者が現れた。 ワスプはブーベ島を出た後に東に向かい続け、12月31日にケルゲレン諸島に到着して、11日間滞在した。その後の航海は南と東に向かい、1823年2月1日の位置を南緯65度52分、東経118度27分と記録した。ここでモレルは11ノット (20 km/h) の風を受けたことを生かし、船を転じて西に向かったと言っている。モレルの日誌では、日付の無い日にその位置を南緯69度11分、東経48度15分と記録したことを除き、2月23日までは記述が無い。この日にグリニッジ子午線を通過したと記録していた。歴史家達は、東経118度から0度まで約3,500海里 (6,500 km) という長い距離を、氷の多い海で偏西風に逆らって、それほど速く行けるものか疑ってきた。元イギリス海軍のナビゲーターであるルパート・グールドなど著作家の中には、モレルの主張する速度と距離がもっともらしいと論じている者がいるが、モレルが日付なしに言う中間の経度は、後に南極大陸のエンダービーランドの内陸に当たることが示された。グールドは南極大陸のこの部分の大陸境界が分かって来る前の1928年に、エンダービーランドにはその南に海峡がある島であるという前提で、モレルの主張を支持すると記していた。グールドは、「未来のある時点でエンダービーランドが南極大陸の一部であると分かる日が来れば、モレルの最も常習的な支持者も必然的に、スポンジを投げなければならなくなる」と記している。 モレルに拠れば、ワスプは2月28日にサウスサンドウィッチ諸島に到着した。モレルがその日そこに居たことは、テューレ島の港に関する記述で裏付けられており、20世紀初期の遠征で確認された。モレルは航海の次の段階で、ワスプを南に向け、そのときは海にはほとんど氷が無く、南緯70度14分まで達した後に、船のストーブのための燃料が足りなくなっていたので、3月14日に北に転じたと記録している。この航海は、モレルの証言が真実ならば、南極圏の内側に入った最初のアメリカ人船長ということになる。この燃料欠乏が無ければ「ほとんど疑いも無く、南極点あるいは南緯85度まで真っ直ぐ進むという栄光を成し得た」はずだと考えたと言っている。モレルがそれほど南に進んだと主張することについて、1か月前にジェイムズ・ウェッデルが同様なルートを航海していたことで、ある程度の信用ができる。ウェッデルはモレルと同様に、海にはほとんど氷が無く、南緯74度15分に達した後に退却したと報告した。ウェッデルが南極点は開けた海にあるという考えを表明した言葉をモレルも繰り返しており、モレルのは証言はこの時点から9年後に書かれていた。地理学者のポール・シンプソン=ハウスリーは、ウェッデルの証言が1827年に出版されていたので、モレルはウェッデルの経験を盗用したかもしれないと、示唆していた。
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