代謝系
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/12/08 02:43 UTC 版)
代謝系と一口に言っても、高等生物を含め極めて多様なものが既存の生物には存在している。しかしながらその最も基本的なものはエネルギー代謝系に他ならない。異化代謝(呼吸)および同化代謝の歴史を考えると、異化代謝のほうが早く成立したと考えられている。さらに、呼吸の中でも酸素呼吸よりも嫌気呼吸のほうが歴史が古く(酸素呼吸は硝酸塩呼吸から進化したとされている)、嫌気呼吸よりも発酵のほうが必要な酵素も少なくゲノムサイズの小さかった原始生命体に適していると考えられている。 光合成:約27億年前に成立 酸素呼吸:光合成よりも古い時代に成立(正確な年代は不明だが35億年前には成立していたと考えられる) 嫌気呼吸:酸素呼吸の祖先型であるとされている 発酵:解糖系を含めた最もコンパクトな代謝系、成立年代も早いと考えられる 発酵は全生物がその代謝系を有し、生物の単系統を論じることが既に可能となる。最終産物の名称によって発酵の名称は異なるが、その中核となる解糖系はほぼ全生物で共通と言われてきた。 解糖系は、 エムデン-マイヤーホフ経路(EM経路) エントナー-ドウドロフ経路(ED経路) の2種類が存在する。ED経路ではNADP+を用いるなど細かい違いはあるがその共通点は、 リン酸化された中間体を生じる という点にある。しかしながら、古細菌の一部にはリン酸化された中間体を生じない特異な解糖系を有するものが見つかっている。糖をリン酸化する理由として 細胞外への物質の拡散を防ぐため と考えられてきたが、古細菌の特異な代謝系はその考えも覆した。古細菌は原始生命体であると主張する表面代謝説では細胞外という概念の無い時代の名残であるという説明が可能である。
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代謝系
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/19 00:16 UTC 版)
糖質コルチコイドという名称は、これらのホルモンがグルコース代謝に関与しているという初期の観察結果に由来する。コルチゾールは、空腹時に血中グルコース濃度を正常に維持するためのいくつかのプロセスを刺激する。 代謝に対する効果: グルカゴンの分泌をシグナルとして、特に肝臓での糖新生を促進する。これは糖質コルチコイドが存在しないと作動しない。この経路は、アミノ酸やトリグリセリド分解によるグリセロールなどの非ヘキソース基質からグルコースを合成するもので、肉食動物や一部の草食動物に特に重要な経路である。糖質コルチコイドの代謝機能として最もよく知られているのは、糖新生に関与する酵素の発現を促進することであろう。 肝外組織からのアミノ酸の動員:これらは糖新生の基質として働く。 筋肉や脂肪組織におけるグルコースの取り込み抑制:グルコースを保存するためのメカニズム 脂肪組織での脂肪分解の促進:脂肪分解によって放出された脂肪酸は、筋肉などの組織でエネルギー生産に使用され、放出されたグリセロールは、糖新生のもう一つの基質となる。 ナトリウム保持量とカリウム排泄量の増加:高ナトリウム血症と低カリウム血症になる。 マクロファージなどの食細胞による赤血球の摂取を阻害:ヘモグロビン濃度が上昇する。 尿中尿酸の増加 尿中カルシウムの増加と低カルシウム血症 アルカローシス 白血球増加 薬剤としての投与や副腎皮質機能亢進症により糖質コルチコイド濃度が過剰になると、多くの器官に影響を及ぼす。例えば、骨形成の阻害、カルシウム吸収の抑制(いずれも骨粗鬆症の原因となる)、創傷治癒の遅延、筋力の低下、感染症のリスク増加などが挙げられる。これらの観察結果から、糖質コルチコイドには、それほど劇的ではない多くの生理学的役割があることが示唆される。
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