サイフォンとは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 日本語表現辞典 > サイフォンの意味・解説 

siphon

別表記:サイフォン

「siphon」の意味・「siphon」とは

「siphon」は、液体移動させるための装置やその行為を指す英単語である。具体的には、一方容器から別の容器へと液体移動させるための管や、そのような移動行為自体を指す。また、比喩的には、ある場所や人々から資源エネルギー抽出する行為を表すこともある。

「siphon」の発音・読み方

「siphon」の発音は、IPA表記では /ˈsaɪfən/ となる。IPAカタカナ読みでは「サイファン」、日本人発音するカタカナ英語では「サイフォン」と読む。この単語発音によって意味や品詞が変わる単語ではない。

「siphon」の定義を英語で解説

英語の辞書では、「siphon」は"A tube used to convey liquid upwards from a reservoir and then down to a lower level of its own accord"と定義されている。これは、「液体貯蔵容器から上方運びその後自然に下方へ流すための管」という意味である。

「siphon」の類語

「siphon」の類語としては、「tube」、「pipe」、「hose」などがある。これらはいずれ液体気体移動させるための道具を指す単語である。ただし、「siphon」は特に液体一方容器から別の容器移動させるという特定の状況を指す。

「siphon」に関連する用語・表現

「siphon」に関連する用語としては、「siphon off」がある。これは「siphon」の動詞形で、一方容器から別の容器液体移動させる行為を指す。また、比喩的には、ある場所や人々から資源エネルギー抽出する行為を指す。

「siphon」の例文

以下に「siphon」を用いた例文10個示す。 1. He used a siphon to transfer the gasoline from the can to the car.(彼はガソリンを缶から車へ移すためにサイフォンを使った。)
2. The bartender siphoned the beer from the keg.(バーテンダービールからサイフォンで移した。)
3. The company has been accused of siphoning off funds.(その会社資金抽出する非難されている。)
4. The siphon in the aquarium helps to keep the water clean.(水槽のサイフォンは清潔に保つのに役立つ。)
5. The garden hose can also be used as a siphon.(庭のホースもサイフォンとして使うことができる。)
6. The mechanic siphoned the oil out of the engine.(メカニックエンジンから油をサイフォンで抜いた。)
7. The siphon is an essential tool for transferring liquids.(サイフォンは液体を移すための重要な道具である。)
8. The government has been siphoning off wealth from the public.(政府公衆から富を抽出している。)
9. The siphon in the fish tank needs to be cleaned regularly.(水槽のサイフォンは定期的に清掃する必要がある。)
10. The siphon is used to draw wine from the barrel.(サイフォンはからワイン引き出すために使われる。)

サイフォン【siphon】

読み方:さいふぉん

サイホン

「サイフォン」に似た言葉

サイフォン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/12/05 23:56 UTC 版)

サイフォンの原理のイラスト

サイフォン(サイホン[1]古希: σίφων[注 1]: siphon[2])とは、隙間のないを利用して、出発地点から目的地点まで、途中で出発地点より高い地点を通って液体を導く装置である。このメカニズムをサイフォンの原理と呼ぶ。

歴史

紀元前1500年頃の古代エジプトレリーフには、大きな保存瓶から液体を取り出すのに使われるサイフォンが描かれている[3][4]

紀元前6世紀サモス島ピタゴラスのカップ紀元前3世紀古代ギリシアの技術者がペルガモンで作ったサイフォンが、ギリシャ人がサイフォンを利用した物理的な根拠となっている[4][5]

ヘロンは論文『Pneumatica』の中でサイフォンについて広範囲に渡って書いている[6]

9世紀バグダードバヌー・ムーサー兄弟の出版した『Book of Ingenious Devices』には発明したサイフォンについての記述があり、ドナルド・ヒルの翻訳した版ではそのサイフォンの分析が行われている[7][8]

サイフォンは17世紀真空ポンプとの関連で更に研究された。

仕組み

何らかの液体を、高い位置にある出発地点と低い位置にある目的地点を管でつないで流す際、管内が液体で満たされていれば、管の途中に出発地点より高い地点があってもポンプでくみ上げることなく流れ続けるのがサイフォンである。

この仕組みは液体をに模して、鎖が出発地点より高い位置にある滑車を経由してもう一方へと移動するモデル[9]によっても説明される。

管内が液体で満たされているときには管内の静圧について考えると、出発地点における静圧は目的地点における静圧よりも液柱の高さの差分にかかる重量分だけ高くなり、この圧力差を駆動力として液体は目的地点へと流れる。

途中、どれくらい高い地点を通ることができるかは大気圧および液体の蒸気圧密度による。最高地点において管内の圧力が液体の蒸気圧に近づくと液体はキャビテーションを起こしはじめ、気泡の膨張が重力による圧力差を吸収してしまい、いずれサイフォンは停止する。

1気圧下において液体の密度だけを考えると、水銀ならば約76センチメートル、水ならば約10メートルの出発地点からの高さを通るサイフォンを作ることができるが、実際は溶存気体もあるためにキャビテーションの開始はより早い。水の場合、7メートルから8メートルが実用上の限度とされる[10]

利用例

洪水時にダム湖の水を急速放水するためのサイフォン(福地ダム
サイフォンの原理を利用した灯油ポンプ

サイフォンを構成する管に特別な細工は必要ないが、管を液体で満たすまでにポンプが必要になる。管の大半に最初から液体が充填されていれば、管の出口を塞ぎ、気密水密)を保ったまま元の液面より低くすれば、始動にポンプは必要ない。

身近な利用例として灯油ポンプが挙げられる。例えばポリタンクから暖房器具のタンクへ灯油を移すとき、ポリタンクの液面が暖房器具のタンクの液面より高くなる位置に置いて、始めにポンプを数回操作して管を灯油で満たせばサイフォンの原理によって灯油は流れ続ける。

大規模なサイフォンは、局地的な水道設備や工業においても用いられる。このような規模のものでは、取水口排水口、最高地点とにおいてバルブによる制御が必要になる。この場合、取水口と排水口のバルブを閉め、最高地点から液体を流し込むことでサイフォンを始動させる。取水口と排水口とが水面下にある場合には、最高地点でポンプを動かして始動させることもある。また、取水口と排水口との両方でポンプを動かして始動させる場合もある。大規模なサイフォンにおいては液体中に気体が溶け込んでいたり、気泡が混入したりしていると、液体が管の最高地点に近づいて圧力が低下するとき、混入した気体が気泡となって現れたり、元あった気泡が膨張したりして最高地点に溜まり、流れを分断する場合がある。あるいは、温度が高い場合も液体が蒸発しやすくなり、蒸気が最高地点に溜まると流れが止まる。大規模なサイフォンでは、最高地点では気体を集めて排出する空気室(空気弁)が設けられる。

サイフォンの原理は、歴史的には漏刻(水時計)に使われた。

誤った説明文

2010年、オーストラリア・クイーンズランド大学の物理学者、スティーブン・ヒューズが辞書など社会で一般に説明されているサイフォンの原理は誤りであると指摘した[11]。サイフォンの原理の説明の多くは大気圧の力によるとされているが、ヒューズは、正しくは重力によると指摘している。ヒューズがこの事に気付くきっかけとなったオックスフォード英語辞典1911年から大気圧によるものであるとしており、次の版でヒューズの指摘を考慮すると回答している[11]

脚注

注釈

  1. ^ 「チューブ、管」の意味。

出典

  1. ^ 大辞林 第三版『サイホン』 - コトバンク。2019年10月28日閲覧。
  2. ^ 英語英語版)・フランス語フランス語版)・ルクセンブルク語ルクセンブルク語版)・ベトナム語ベトナム語版
  3. ^ Winemaking in Ancient Egypt 2000 Years Before the Birth of Christ” (PDF). 2021年2月9日閲覧。
  4. ^ a b Usher, Abbott Payson (2018-04-15). A History of Mechanical Inventions. Courier Corporation. ISBN 978-0-4862-5593-4. https://books.google.com/books?id=xuDDqqa8FlwC&q=siphon 2018年4月15日閲覧。 
  5. ^ Dora P. Crouch (1993). "Water management in ancient Greek cities". Oxford University Press US. p. 119. ISBN 0-19-507280-4
  6. ^ THE PNEUMATICS OF HERO OF ALEXANDRIA - ウェイバックマシン(2020年2月7日アーカイブ分)
  7. ^ バヌー・ムーサー兄弟 ドナルド・ヒル訳 (1979). The book of ingenious devices (Kitāb al-ḥiyal). Springer. p. 21. ISBN 978-90-277-0833-5 
  8. ^ History Of Science And Technology In Islam”. www.history-science-technology.com. 2018年4月15日閲覧。
  9. ^ SIPHON - CHAIN MODEL”. 2015年7月24日閲覧。
  10. ^ 小川元『水理学』共立出版、1968年。 
  11. ^ a b “誤った「サイホン」の定義、世界の辞書に1世紀 豪の物理学者が指摘”. AFP BB News. (2010年5月15日). https://www.afpbb.com/articles/-/2725874?pid=5757233 2015年7月24日閲覧。 

関連項目

理論

  • 水理学
  • 連通管 - 「逆サイフォン」とも呼ばれる。「馬頭サイフォン」など、利水施設で「逆サイフォン」を「サイフォン」と表示している場合がある。

現象

装置


サイフォン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/18 15:23 UTC 版)

東亰ザナドゥ」の記事における「サイフォン」の解説

2005年から普及しだしたスマートフォン通話メールゲーム等のほかにも、生体認識システムやそれを応用した機能搭載されている。

※この「サイフォン」の解説は、「東亰ザナドゥ」の解説の一部です。
「サイフォン」を含む「東亰ザナドゥ」の記事については、「東亰ザナドゥ」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「サイフォン」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ

「サイフォン」の例文・使い方・用例・文例

Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

','','','','','','','','','','','','','','','','','',''];function getDictCodeItems(a){return dictCodeList[a]};

すべての辞書の索引

「サイフォン」の関連用語











サイフォンのお隣キーワード
検索ランキング
';function getSideRankTable(){return sideRankTable};

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



サイフォンのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
実用日本語表現辞典実用日本語表現辞典
Copyright © 2025実用日本語表現辞典 All Rights Reserved.
デジタル大辞泉デジタル大辞泉
(C)Shogakukan Inc.
株式会社 小学館
ZDNetZDNet
Copyright ASAHI INTERACTIVE, Inc. All Rights Reserved.
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのサイフォン (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaの東亰ザナドゥ (改訂履歴)、ベン10 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2025 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2025 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2025 GRAS Group, Inc.RSS