おせち料理とは？ わかりやすく解説

「おせち料理」とは、お正月料理のことを意味する表現である。

「おせち料理」とは・「おせち料理」の意味

「おせち料理」は、正月料理という意味で用いられている。お皿ではなく重箱に詰めるのが習わしで、正式な重箱は4段となる。4段重ねの重箱には、「幸せを重ねる」という願いが込められており、新年を縁起良く迎えるためのゲン担ぎでもある。一の重は祝い肴と口取り、二の重は焼き物、三の重は酢の物、与の重は煮物と、それぞれのお重に何を詰めるのかも決められている。また、「四」は「死」を連想させる縁起の悪い数字とされているため、「与」という文字が使われている。

「おせち料理」は、お正月の三が日に食べるのが一般的であるが、地域によっては大晦日に食べるところもある。もともと、「おせち料理」は新年を迎えるお祝いとして大晦日に食べていたが、新年に来客をもてなすためにお正月に食べるようになったとされている。北海道や東北においては、現代においても昔ながらの風習を引き継ぎ、大晦日に食べる家庭が多い。また、「おせち料理」は、新しい年も健康で幸せに暮らせるように縁起の良い料理が作られている。重箱に詰める「おせち料理」の品数は決まっていないが、20種類から30種類が一般的である。「おせち料理」の定番料理の一つ一つの意味は、以下のようになる。

・黒豆：黒は邪気を払う色で魔除けの意味があるほか、「病気をせず豆（マメ）に働けるように」との願いが込められている。
・数の子：卵の数が多いこととかけて子孫繁栄の願いが込められている。
・田作り：イワシを肥料とすると米が豊作になったことから五穀豊穣の願いが込められている。
・叩きごぼう：ごぼうのように根を張り、家の基礎を固めるという願いが込められている。
・伊達巻：巻物に似た形から、教養や知識を身につけるという意味が込められている。
・きんとん：「金団」という漢字から、金運向上の意味がある。
・酢ばす：れんこんは穴を通して向こうが見えるため、見通しが良好で縁起が良い。・
・車海老艶煮：海老は茹でるとお年寄りのように腰が曲がることから、長寿の願いが込められている。
・昆布巻き：「よろこぶ」と「昆布（こんぶ）」の語呂が似ていることから縁起が良い。

「おせち料理」は基本的に日持ちのする料理であるため、酢の物や煮物など子供が苦手な料理が多い。そのため、縁起物の食材を使った子供向けの「おせち料理」もある。海老グラタンや海老フライ、れんこん入りのハンバーグなどは、子供人気が高い。

「おせち料理」の語源・由来

「おせち料理」は、歳神様へのお供え物という意味の「御節供（おせつく・おせちく）」に由来する。歳神様に料理をお供えし、年が明けてから家族で食べるのが習わしであった。「おせつく」、「おせちく」と呼ばれていたのが、時を経て「おせち」と呼ばれるようになった。また、「御節供」は1月7日の人日、3月3日の上巳、5月5日の端午、7月7日の七夕、9月9日の重陽の五節句に供されるものを指していたが、次第にお正月の料理という意味に変わっていった。その理由は、お正月が五節句の中で最も大事な節句であるからだとされる。

「おせち料理」の熟語・言い回し

洋風おせちとは

「洋風おせち」とは、祝い肴や口取り、焼き物、酢の物、煮物という従来の「おせち料理」ではなく、洋風の食材やメニューを取り入れた「おせち料理」のことである。代表的なものとしては、ローストビーフやテリーヌ、マリネなどがあげられ、「おせち料理」の定番になりつつある。また、キャビアやフォアグラなど、高級食材が使われることもある。「洋風おせち」は子供が食べられる料理も多く、子供のいる家庭で好まれる傾向がある。「洋風おせち」のほかにも、「中華風おせち」や「和洋折衷おせち」など色々なタイプの「おせち料理」がある。

読み方：おせちりょうり
別表記：御節料理、お節料理、お節、おせち

節（せち）、即ち節日（せちにち）を祝う料理の総称。今日ではもっぱら正月を祝う料理を指す。多くは縁起を担いだ料理を重箱に詰め合わせた料理を指す。