原作 涼宮ハルヒの分裂 とは何なのか? (谷川流 構造解析視点)
●企画として涼宮ハルヒの憂鬱OP 待ち受けもあります。
・携帯動画待受け 「涼宮ハルヒの憂鬱OP2期 :涼宮ハルヒ仕様 」←欲しい方はこちらへ
●もう一人の閉鎖空間創造者 佐々木の登場
・佐々木とは、キョンが前に付き合っていた少女である。(※キョンは否定)
●谷川流 構造解析視点 用法
・原作がライトノベルなので手が出しづらいアニメ版視聴者に有効。
・ライトノベル製作者に有効。
・構造解析にて作者の思考と製作のコンセプトを勉強するに有効。
・涼宮ハルヒの驚愕の発売を待っている人に有効
・涼宮ハルヒの分裂のアニメ化を待つ人でネタバレしたくない人には無効。
●涼宮ハルヒの分裂とは?
・2009年08月24日の原作本、購入時点で ハルヒの最新作。
・次期 新作「涼宮ハルヒの驚愕」と合わせて完結するエピソード。
・この涼宮ハルヒの分裂の初版発行日が、2007/3/31、で二年前。
・次期新作の涼宮ハルヒの驚愕の発売日延期が、話題になっていたりする。
・ちなみにこの本を読むきっかけが、コメント付き動画サイトのある1コメントだったりする。
●涼宮ハルヒの分裂の最大の魅力 佐々木とは?
・佐々木とは、キョンが中学三年時に出会った少女である。
・国木田など、同級生がキョンと佐々木が付き合っているという認識には理由がある。
・キョンと佐々木は塾が同じで、自転車の後ろに乗せて通っていたのを目撃。
・また、クラスの中でも佐々木とキョンはよく会話をし中の良さが伺えたからである。
・原作ではキョンは高校二年生となり、SOS団も設立一周年を迎えている。
・佐々木とキョンの再会はちょうどこの時で、一年間も間がある。
・という事は、キョンの中では、佐々木は特別な対象ではなかったという事である。
・佐々木とキョンの再会は偶然で、休日のSOS団の活動日でいつもの待ち合わせ場所に向かうときである。
・このとき、ハルヒ達とも佐々木は挨拶を交わす。
・佐々木はハルヒに対し、キョンを「親友」と呼んだため、佐々木はキョンに対し明らかに好意があることが伺える。
・これが、ショックでハルヒの閉鎖空間が異常に発生する事になり、古泉一樹はキョンにこの事態の原因を言及した。
・これが分裂するシナリオの原因である。
・しかし、佐々木もハルヒと同じ未成熟な恋愛感を持っており、「恋愛は精神病の一種」として認識している。
・つまりは、キョンに対し恋をしている自覚はない。
●佐々木の閉鎖空間と涼宮ハルヒの閉鎖空間の違い
・まず、この涼宮ハルヒの憂鬱では閉鎖空間とは「ハルヒの深層心理」によって生み出される。
・ハルヒが強いストレスを感じると、閉鎖空間がうまれる。
・そこは、通常の街をそのまま模しているドーム型の空間。
・しかし、街の雰囲気が独特で、薄暗く灰色の天井に覆われ、無人で息の詰まる様な世界である。
・そこへ、神人と呼ばれる巨人が現れ街を崩壊させようと暴れる。
・これは、ハルヒの無意識で生まれる空間での出来事で、街を壊すという神人の行為はハルヒのフラストレーションを下げる行いと連結になっている。
・この空間に入れるのが、超能力者、通称「機関」の人間である。
・古泉一樹は機関の人間で、神人を倒す事を義務付けられている。
・理由は、神人を倒さないと壊れた閉鎖空間内と現実の世界が入れ替わるからである。
・またそれらは、ハルヒが無意識下で新世界を創造できる事を意味する。
・つまり、閉鎖空間とは創造主の深層心理を反映している事になる。
・ここで話を戻し、佐々木の閉鎖空間の特徴について言及する。
・佐々木の閉鎖空間にまず、古泉一樹の所属する「機関」の超能力者は入れない。
・入れるのは、機関と思想について相反する、橘京子一派の超能力者だけである。
・佐々木の閉鎖空間には、神人が存在しない。
・天井も光で溢れ、無人で平穏な静寂の世界である。
・ハルヒと対照的な、安定した精神と希望を燃やす光り輝く閉鎖空間。
・それは、佐々木こそハルヒの持つ能力、イメージを物理法則を無視して具現化する力を持つにふさわしいと、橘京子一派が「機関」と平行線になる要因である。
・佐々木の人格に関しても、容姿にしてもそれは絶対的だと言及する。
・佐々木自体は、橘京子の言葉を鵜呑みにしているわけでもなく、ハルヒの力も必要ないという。
・しかし、どうしたいかはキョンに任せてもいいと言葉にした。
●涼宮ハルヒの分裂 構造解析から読み解く、涼宮ハルヒの驚愕の行方
・まずは、簡易フローチャート
・二年生になったキョンとハルヒ達。団員集めのために、文芸部部長でもある長門有紀を盾に団員集めを校内で画策し勧誘をする。
↓
・勧誘の間際、古泉一樹はキョンに対しハルヒの閉鎖空間の大量発生に対し原因を言及する。
↓
・それは1週間目のSOS団行事、休日の不思議なもの探しにおいて、キョンの親友と名乗った美女、佐々木とハルヒがであった事が原因だという。
↓
・その後、再びSOS団行事、休日の不思議なもの探しが行われるが、再びキョンが再会した佐々木には、二人の友人がいた。
↓
・佐々木を神聖視し担ぐ、超能力者橘京子、そして統合思念体とは別宇宙(天蓋領域)のインターフェイス、周防九曜。
↓
・SOS団と佐々木達は、古泉は橘京子を、長門は周防九曜に警戒を向ける。
↓
・キョンの意向で、佐々木に去ってもらい場を収めることに成功する。
↓
・その夜、風呂に入り、古泉と長門に連絡しようと、画策している最中から、ある人物から電話が来る。
↓
注:シナリオ分裂 α βの二つの道に同時間に分岐、ここでは原作の流れ順に記載
↓
α-1
・電話の相手は、キョンの後輩の女の子だった、しかしキョンは彼女の声もしゃべり方も、過去の記憶に照らし合わせても該当者がいない。
・一方的にキョンに好意的な少女の声は、質問をする前に終わる。
↓
β-1
・電話の相手は佐々木だった。ふたたび明日会いたいということで、キョンは承諾する。
↓
β-2
・キョンはその夜、古泉に電話して、橘京子と自分の所属する「機関」に対し言及を受ける。
今度は、長門に電話し周防九曜の存在に対し言及を求めるが、依然正体がつかめないと言われる。
↓
α-2
・キョンはその夜、古泉に電話して、橘京子と自分の所属する「機関」に対し言及を受ける。
↓
β-3
・キョン、長門との通話を終えると、妹の宿題を見て就寝。
↓
α-3
・長門には、明後日会えるということで、電話せずにキョン就寝。
↓
α-4
・翌日、日曜日特に用がなく、一日を過ごす。
↓
β-4
・翌日、日曜日。佐々木と、橘京子、藤原、九曜と喫茶店で邂逅。
・橘京子の超能力で、佐々木の閉鎖空間に入る。
・京子は「佐々木こそ本来涼宮ハルヒの神の力の持ち主である」と主張するも、佐々木を含めた未来人藤原、天蓋領域の宇宙人九曜にとっては興味がないことだった。
・佐々木も涼宮ハルヒの力には興味がなく、どうするかはキョンの意思に任せると言う。
・喜緑がウエイトレスとして監視しており、九曜と膠着状態になる。
・膠着が解けると、キョンは佐々木とこの一件を速く終わらせたいとお互い同じ見解を交わし別れる。
↓
α-5
・月曜日、学校でも昼休み、キョンは部室で長門と周防九曜という宇宙人のインターフェイスの見解を述べる。
・相互理解が不可能という事で、九曜の目的は解らないらしい。
・放課後、教室でハルヒに呼び止められ、明日の小テストの手ほどきを受ける。
・その後、キョンとハルヒは部室へ。
・そこには、団員以外に、入団希望者が男女混合10名が待っていた。
↓
β-5
・月曜日、昨日の佐々木との邂逅で眠れなかったキョンは授業中に寝てしまう。
・夢に出てきたのは、過去の出来事。
・中学三年生の教室で佐々木と会話している自分であった。
・佐々木は恋愛に対し精神病の一種であるとキョンに語る。
・その放課後、部室に向かうと、長門の姿がなかった。
↓
α-6
・新入団員になりたいという10名の新入生をハルヒは振るいにかける。
・その中にいる一人の女の子に、デジャヴを感じるが誰だか思い出せない。
・その後、一方的にハルヒは新入生を解散させる。
・次は入団試験を彼らにさせるという。
↓
β-7
・長門は部室に来ない、心配するキョン。
・その後、朝比奈が部室に来る。
・朝比奈に未来人藤原の存在に意見を求めるが、禁則事項で根本的な事が掴めない。
・その後、ハルヒと古泉が来る。
・ハルヒは、団員集めのために入団試験を開催すると発表する。
・あきれるキョンに、やがてハルヒが何かに気づく。
・長門がいないことに。
・ハルヒは長門の家に訪問すると言うことで、皆で向かうことになる。
↓
・「涼宮ハルヒの驚愕」につづく。
・というふうに、かなりシンプルな流れで構成されている。
・ページ数も、他の小説とは違い短く、ライトノベルの定義が良くわかる。
●谷川流 構造解析
・まず、涼宮ハルヒの憂鬱が物語として成立するにはルールがある。
・それらを導き出す事を「構造解析」という。
・こういったルールを見つけることは、その作品の本質を見ることと同義である。
・ちなみに、ルールが破られるエピソードの場合は、それは「その物語の最終回」を意味する。
・ルールとは事件を成立する因果の「因」の部分である。
・長編で、連続性のあるシナリオの場合、エピソードごとに小さな因果を用意する。
・たとえば、エンドレスエイトの因とは「ハルヒが夏休みを終わらせたくない」と言う想い。
・そして、「果」は夏休みを未練なく終わらせる結果です。
・エンドレスエイトの場合は「宿題を皆とやる」でしたね。
・物語製作者は、因果の前に、テーマを決めて結果を先に作ります。
・因果の言葉を使うならば、先に「果」であり、それから「因」を作ります。
・なぜそうするかと言うと、完結した話になるからです。
・因からはじめた作品は、結末が不安定で完結せず、構成も段取りもできないからです。
・これは。シナリオ製作を試みる初心者が陥る、よくある間違いでもあります。
●涼宮ハルヒの憂鬱シリーズの構造解析 ルール
・まず、このルールに抵触するエピソードがあれば、シリーズの最終回となる。
・1:涼宮ハルヒが自分の能力を知るとき。
・2:涼宮ハルヒが古泉、朝比奈、長門の正体を知ってしまったとき。
・3:涼宮ハルヒがキョンに恋愛感情を抱いていると自覚してしまったとき。
・このように、言語化してしまうと誰でもそのとおりだといえるわかり易いルールである。
・しかし、このルールを巧みに利用することが、面白さに通じることになる。
・作者は当然これを利用して、面白くする構成をするのだ。
・たとえば、涼宮ハルヒの溜息で、映画の配役が危ない感じだったのもそうである。
・危なさは「面白さ」なのだ。
・では、この涼宮ハルヒの消失の危うさなど解明すれば、涼宮ハルヒの驚愕の内容も憶測がついてしまう。
●涼宮ハルヒの驚愕 考察
・まず、二つに分かれた世界、αとβ。
・どちらか現実であるという見方もあるが、もうひとつ世界が出てくる。
・理由は簡単で、分裂した2つの世界を「認識する観測者」と「調停者」が居ないと、解決ができないからである。
・それは、キョンでないと成り立たない。これは涼宮ハルヒのシリーズのルールというより、作者の作品製作においての絶対条件である。
・キョンの視点で成立する作品なので、これが崩されるとき作品が完成しないのと同義。
・エンドレスエイトでは「観測者が長門」となっているが、あくまでもデジャヴを立て続けに感じ続けたキョン事態が「観測者」である確信をさせたのが「長門の言及」だからであり、その時点で「観測者」であり「調停者」に転じて、エンドレスエイトを終わらせたのである。
・それゆえ驚愕では、3つ目の世界があると仮定できる。
・それは、すでに崩壊した本当の世界であったり、佐々木の閉鎖空間の中でもいい。
・驚愕で、キョンがどうやって「観測者」となり「調停者」になるかは、やはり、朝比奈、長門、古泉の行動や言及でしかないだろう。
・ただし、調停の仕方が今回かなりまずいエピソードではないかと考察した。
●涼宮ハルヒの驚愕と分裂の 谷川流コンセプト。
・分裂の話で、「佐々木」の役割がすべてを物語っている。
・この作品は、「涼宮ハルヒに恋心への認識をさせる」という結末の意味合いが大きくある。
・つまりは、製作テーマである。
・「ハルヒにキョンに対し恋心を認識させるにはどうしたらいいだろう・・・」と命題を定義すると。
・恋のライバルの出現が理想的である。それが佐々木である。
・無論、佐々木を登場させた理由は他にもあるが、メインはやはり「恋する心の認識」である。
・分裂した世界が、ハルヒの仕業であるとは断言できないという人はいるだろう。
・仮定の話でも、佐々木の能力だとか、謎の後輩の少女だとか、九曜の仕業などイメージはできる。
・でも、これは明らかにハルヒのせいなのである。
・理由は簡単で、キョンが主人公だからだ。
・キョンが調停者になるのが、涼宮ハルヒシリーズの絶対条件である以上、ハルヒが元凶でなくてはいけない。
・元凶が佐々木や九曜だと、お話の収拾がつかないのだ。
・キョンが説得、あるいは納得してハルヒに言及することで驚愕という物語は終結する。
・それは、直接「恋心を諭すこと」なのかも知れないと思ったので、驚愕で涼宮ハルヒが最終回になるのではと考えてしまったのだ。
・無論、それらの言葉は、キョンのツンデレにより回避されている。
・エンドレスエイトでも古泉がキョンに対し、「アイラブユー」をいえばいいと言ったのに、キョンは別の手段をとった。
・理由は簡単で、作者はエンドレスエイトで作品を終わらす気がなかったからだ。
・しかし、今回は佐々木という、涼宮ハルヒと同等の存在である。
・曖昧に煙に巻くことが可能だろうか・・・・。とか考えると、本当は驚愕が最終回で、最終回の原稿をアニメにあわせて最後に発売することを計算するのも、編集者の作戦かもしれないとか戯言を言ってしまいたくもある。
●谷川流 構造解析 ラスト
・まだ未完の作品を構造解析して、シナリオの勉強だといわれても難しいと思う。
・本来は、すでに完結した小説や娯楽作品に対して使うのが正しい。
・でも、次のエピソードを考えて見るのも、作者の知恵比べとなって楽しいのがわかってもらえたと思う。
・これらを踏まえて、製作者の思考を読むことは、シナリオ製作や自分の娯楽への新しい楽しみ方としても有効だと考える。
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●東のエデン (携帯待受け ダウンロードまとめ)●
ノブレス携帯待受け動画 ( 滝沢仕様 )
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●もう一人の閉鎖空間創造者 佐々木の登場
・佐々木とは、キョンが前に付き合っていた少女である。(※キョンは否定)
●谷川流 構造解析視点 用法
・原作がライトノベルなので手が出しづらいアニメ版視聴者に有効。
・ライトノベル製作者に有効。
・構造解析にて作者の思考と製作のコンセプトを勉強するに有効。
・涼宮ハルヒの驚愕の発売を待っている人に有効
・涼宮ハルヒの分裂のアニメ化を待つ人でネタバレしたくない人には無効。
●涼宮ハルヒの分裂とは?
・2009年08月24日の原作本、購入時点で ハルヒの最新作。
・次期 新作「涼宮ハルヒの驚愕」と合わせて完結するエピソード。
・この涼宮ハルヒの分裂の初版発行日が、2007/3/31、で二年前。
・次期新作の涼宮ハルヒの驚愕の発売日延期が、話題になっていたりする。
・ちなみにこの本を読むきっかけが、コメント付き動画サイトのある1コメントだったりする。
●涼宮ハルヒの分裂の最大の魅力 佐々木とは?
・佐々木とは、キョンが中学三年時に出会った少女である。
・国木田など、同級生がキョンと佐々木が付き合っているという認識には理由がある。
・キョンと佐々木は塾が同じで、自転車の後ろに乗せて通っていたのを目撃。
・また、クラスの中でも佐々木とキョンはよく会話をし中の良さが伺えたからである。
・原作ではキョンは高校二年生となり、SOS団も設立一周年を迎えている。
・佐々木とキョンの再会はちょうどこの時で、一年間も間がある。
・という事は、キョンの中では、佐々木は特別な対象ではなかったという事である。
・佐々木とキョンの再会は偶然で、休日のSOS団の活動日でいつもの待ち合わせ場所に向かうときである。
・このとき、ハルヒ達とも佐々木は挨拶を交わす。
・佐々木はハルヒに対し、キョンを「親友」と呼んだため、佐々木はキョンに対し明らかに好意があることが伺える。
・これが、ショックでハルヒの閉鎖空間が異常に発生する事になり、古泉一樹はキョンにこの事態の原因を言及した。
・これが分裂するシナリオの原因である。
・しかし、佐々木もハルヒと同じ未成熟な恋愛感を持っており、「恋愛は精神病の一種」として認識している。
・つまりは、キョンに対し恋をしている自覚はない。
●佐々木の閉鎖空間と涼宮ハルヒの閉鎖空間の違い
・まず、この涼宮ハルヒの憂鬱では閉鎖空間とは「ハルヒの深層心理」によって生み出される。
・ハルヒが強いストレスを感じると、閉鎖空間がうまれる。
・そこは、通常の街をそのまま模しているドーム型の空間。
・しかし、街の雰囲気が独特で、薄暗く灰色の天井に覆われ、無人で息の詰まる様な世界である。
・そこへ、神人と呼ばれる巨人が現れ街を崩壊させようと暴れる。
・これは、ハルヒの無意識で生まれる空間での出来事で、街を壊すという神人の行為はハルヒのフラストレーションを下げる行いと連結になっている。
・この空間に入れるのが、超能力者、通称「機関」の人間である。
・古泉一樹は機関の人間で、神人を倒す事を義務付けられている。
・理由は、神人を倒さないと壊れた閉鎖空間内と現実の世界が入れ替わるからである。
・またそれらは、ハルヒが無意識下で新世界を創造できる事を意味する。
・つまり、閉鎖空間とは創造主の深層心理を反映している事になる。
・ここで話を戻し、佐々木の閉鎖空間の特徴について言及する。
・佐々木の閉鎖空間にまず、古泉一樹の所属する「機関」の超能力者は入れない。
・入れるのは、機関と思想について相反する、橘京子一派の超能力者だけである。
・佐々木の閉鎖空間には、神人が存在しない。
・天井も光で溢れ、無人で平穏な静寂の世界である。
・ハルヒと対照的な、安定した精神と希望を燃やす光り輝く閉鎖空間。
・それは、佐々木こそハルヒの持つ能力、イメージを物理法則を無視して具現化する力を持つにふさわしいと、橘京子一派が「機関」と平行線になる要因である。
・佐々木の人格に関しても、容姿にしてもそれは絶対的だと言及する。
・佐々木自体は、橘京子の言葉を鵜呑みにしているわけでもなく、ハルヒの力も必要ないという。
・しかし、どうしたいかはキョンに任せてもいいと言葉にした。
●涼宮ハルヒの分裂 構造解析から読み解く、涼宮ハルヒの驚愕の行方
・まずは、簡易フローチャート
・二年生になったキョンとハルヒ達。団員集めのために、文芸部部長でもある長門有紀を盾に団員集めを校内で画策し勧誘をする。
↓
・勧誘の間際、古泉一樹はキョンに対しハルヒの閉鎖空間の大量発生に対し原因を言及する。
↓
・それは1週間目のSOS団行事、休日の不思議なもの探しにおいて、キョンの親友と名乗った美女、佐々木とハルヒがであった事が原因だという。
↓
・その後、再びSOS団行事、休日の不思議なもの探しが行われるが、再びキョンが再会した佐々木には、二人の友人がいた。
↓
・佐々木を神聖視し担ぐ、超能力者橘京子、そして統合思念体とは別宇宙(天蓋領域)のインターフェイス、周防九曜。
↓
・SOS団と佐々木達は、古泉は橘京子を、長門は周防九曜に警戒を向ける。
↓
・キョンの意向で、佐々木に去ってもらい場を収めることに成功する。
↓
・その夜、風呂に入り、古泉と長門に連絡しようと、画策している最中から、ある人物から電話が来る。
↓
注:シナリオ分裂 α βの二つの道に同時間に分岐、ここでは原作の流れ順に記載
↓
α-1
・電話の相手は、キョンの後輩の女の子だった、しかしキョンは彼女の声もしゃべり方も、過去の記憶に照らし合わせても該当者がいない。
・一方的にキョンに好意的な少女の声は、質問をする前に終わる。
↓
β-1
・電話の相手は佐々木だった。ふたたび明日会いたいということで、キョンは承諾する。
↓
β-2
・キョンはその夜、古泉に電話して、橘京子と自分の所属する「機関」に対し言及を受ける。
今度は、長門に電話し周防九曜の存在に対し言及を求めるが、依然正体がつかめないと言われる。
↓
α-2
・キョンはその夜、古泉に電話して、橘京子と自分の所属する「機関」に対し言及を受ける。
↓
β-3
・キョン、長門との通話を終えると、妹の宿題を見て就寝。
↓
α-3
・長門には、明後日会えるということで、電話せずにキョン就寝。
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α-4
・翌日、日曜日特に用がなく、一日を過ごす。
↓
β-4
・翌日、日曜日。佐々木と、橘京子、藤原、九曜と喫茶店で邂逅。
・橘京子の超能力で、佐々木の閉鎖空間に入る。
・京子は「佐々木こそ本来涼宮ハルヒの神の力の持ち主である」と主張するも、佐々木を含めた未来人藤原、天蓋領域の宇宙人九曜にとっては興味がないことだった。
・佐々木も涼宮ハルヒの力には興味がなく、どうするかはキョンの意思に任せると言う。
・喜緑がウエイトレスとして監視しており、九曜と膠着状態になる。
・膠着が解けると、キョンは佐々木とこの一件を速く終わらせたいとお互い同じ見解を交わし別れる。
↓
α-5
・月曜日、学校でも昼休み、キョンは部室で長門と周防九曜という宇宙人のインターフェイスの見解を述べる。
・相互理解が不可能という事で、九曜の目的は解らないらしい。
・放課後、教室でハルヒに呼び止められ、明日の小テストの手ほどきを受ける。
・その後、キョンとハルヒは部室へ。
・そこには、団員以外に、入団希望者が男女混合10名が待っていた。
↓
β-5
・月曜日、昨日の佐々木との邂逅で眠れなかったキョンは授業中に寝てしまう。
・夢に出てきたのは、過去の出来事。
・中学三年生の教室で佐々木と会話している自分であった。
・佐々木は恋愛に対し精神病の一種であるとキョンに語る。
・その放課後、部室に向かうと、長門の姿がなかった。
↓
α-6
・新入団員になりたいという10名の新入生をハルヒは振るいにかける。
・その中にいる一人の女の子に、デジャヴを感じるが誰だか思い出せない。
・その後、一方的にハルヒは新入生を解散させる。
・次は入団試験を彼らにさせるという。
↓
β-7
・長門は部室に来ない、心配するキョン。
・その後、朝比奈が部室に来る。
・朝比奈に未来人藤原の存在に意見を求めるが、禁則事項で根本的な事が掴めない。
・その後、ハルヒと古泉が来る。
・ハルヒは、団員集めのために入団試験を開催すると発表する。
・あきれるキョンに、やがてハルヒが何かに気づく。
・長門がいないことに。
・ハルヒは長門の家に訪問すると言うことで、皆で向かうことになる。
↓
・「涼宮ハルヒの驚愕」につづく。
・というふうに、かなりシンプルな流れで構成されている。
・ページ数も、他の小説とは違い短く、ライトノベルの定義が良くわかる。
●谷川流 構造解析
・まず、涼宮ハルヒの憂鬱が物語として成立するにはルールがある。
・それらを導き出す事を「構造解析」という。
・こういったルールを見つけることは、その作品の本質を見ることと同義である。
・ちなみに、ルールが破られるエピソードの場合は、それは「その物語の最終回」を意味する。
・ルールとは事件を成立する因果の「因」の部分である。
・長編で、連続性のあるシナリオの場合、エピソードごとに小さな因果を用意する。
・たとえば、エンドレスエイトの因とは「ハルヒが夏休みを終わらせたくない」と言う想い。
・そして、「果」は夏休みを未練なく終わらせる結果です。
・エンドレスエイトの場合は「宿題を皆とやる」でしたね。
・物語製作者は、因果の前に、テーマを決めて結果を先に作ります。
・因果の言葉を使うならば、先に「果」であり、それから「因」を作ります。
・なぜそうするかと言うと、完結した話になるからです。
・因からはじめた作品は、結末が不安定で完結せず、構成も段取りもできないからです。
・これは。シナリオ製作を試みる初心者が陥る、よくある間違いでもあります。
●涼宮ハルヒの憂鬱シリーズの構造解析 ルール
・まず、このルールに抵触するエピソードがあれば、シリーズの最終回となる。
・1:涼宮ハルヒが自分の能力を知るとき。
・2:涼宮ハルヒが古泉、朝比奈、長門の正体を知ってしまったとき。
・3:涼宮ハルヒがキョンに恋愛感情を抱いていると自覚してしまったとき。
・このように、言語化してしまうと誰でもそのとおりだといえるわかり易いルールである。
・しかし、このルールを巧みに利用することが、面白さに通じることになる。
・作者は当然これを利用して、面白くする構成をするのだ。
・たとえば、涼宮ハルヒの溜息で、映画の配役が危ない感じだったのもそうである。
・危なさは「面白さ」なのだ。
・では、この涼宮ハルヒの消失の危うさなど解明すれば、涼宮ハルヒの驚愕の内容も憶測がついてしまう。
●涼宮ハルヒの驚愕 考察
・まず、二つに分かれた世界、αとβ。
・どちらか現実であるという見方もあるが、もうひとつ世界が出てくる。
・理由は簡単で、分裂した2つの世界を「認識する観測者」と「調停者」が居ないと、解決ができないからである。
・それは、キョンでないと成り立たない。これは涼宮ハルヒのシリーズのルールというより、作者の作品製作においての絶対条件である。
・キョンの視点で成立する作品なので、これが崩されるとき作品が完成しないのと同義。
・エンドレスエイトでは「観測者が長門」となっているが、あくまでもデジャヴを立て続けに感じ続けたキョン事態が「観測者」である確信をさせたのが「長門の言及」だからであり、その時点で「観測者」であり「調停者」に転じて、エンドレスエイトを終わらせたのである。
・それゆえ驚愕では、3つ目の世界があると仮定できる。
・それは、すでに崩壊した本当の世界であったり、佐々木の閉鎖空間の中でもいい。
・驚愕で、キョンがどうやって「観測者」となり「調停者」になるかは、やはり、朝比奈、長門、古泉の行動や言及でしかないだろう。
・ただし、調停の仕方が今回かなりまずいエピソードではないかと考察した。
●涼宮ハルヒの驚愕と分裂の 谷川流コンセプト。
・分裂の話で、「佐々木」の役割がすべてを物語っている。
・この作品は、「涼宮ハルヒに恋心への認識をさせる」という結末の意味合いが大きくある。
・つまりは、製作テーマである。
・「ハルヒにキョンに対し恋心を認識させるにはどうしたらいいだろう・・・」と命題を定義すると。
・恋のライバルの出現が理想的である。それが佐々木である。
・無論、佐々木を登場させた理由は他にもあるが、メインはやはり「恋する心の認識」である。
・分裂した世界が、ハルヒの仕業であるとは断言できないという人はいるだろう。
・仮定の話でも、佐々木の能力だとか、謎の後輩の少女だとか、九曜の仕業などイメージはできる。
・でも、これは明らかにハルヒのせいなのである。
・理由は簡単で、キョンが主人公だからだ。
・キョンが調停者になるのが、涼宮ハルヒシリーズの絶対条件である以上、ハルヒが元凶でなくてはいけない。
・元凶が佐々木や九曜だと、お話の収拾がつかないのだ。
・キョンが説得、あるいは納得してハルヒに言及することで驚愕という物語は終結する。
・それは、直接「恋心を諭すこと」なのかも知れないと思ったので、驚愕で涼宮ハルヒが最終回になるのではと考えてしまったのだ。
・無論、それらの言葉は、キョンのツンデレにより回避されている。
・エンドレスエイトでも古泉がキョンに対し、「アイラブユー」をいえばいいと言ったのに、キョンは別の手段をとった。
・理由は簡単で、作者はエンドレスエイトで作品を終わらす気がなかったからだ。
・しかし、今回は佐々木という、涼宮ハルヒと同等の存在である。
・曖昧に煙に巻くことが可能だろうか・・・・。とか考えると、本当は驚愕が最終回で、最終回の原稿をアニメにあわせて最後に発売することを計算するのも、編集者の作戦かもしれないとか戯言を言ってしまいたくもある。
●谷川流 構造解析 ラスト
・まだ未完の作品を構造解析して、シナリオの勉強だといわれても難しいと思う。
・本来は、すでに完結した小説や娯楽作品に対して使うのが正しい。
・でも、次のエピソードを考えて見るのも、作者の知恵比べとなって楽しいのがわかってもらえたと思う。
・これらを踏まえて、製作者の思考を読むことは、シナリオ製作や自分の娯楽への新しい楽しみ方としても有効だと考える。
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