パパのいうことを聞きなさい! [★]
パパのいうことを聞きなさい! (集英社スーパーダッシュ文庫) なかじま ゆか 集英社 2009-12 売り上げランキング : 291 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
大学に合格し、新生活をスタートさせたばかりの瀬川祐太は新しい友人や憧れの人に巡り会い普通の大学生活を送っていた。
しかし、姉夫婦の乗った飛行機が行方不明になった事から事態は一変。
一人暮らしの六畳間に、中学生の空、小学生の美羽、保育園児のひなが同居することになってしまったのだ!
いきなり思春期の少女達のパパになってしまった祐太の運命は!?
ドキドキの同居生活に、祐太を慕う少女達に憧れの先輩との恋も絡んで大騒動!愛と感動満載で贈るドタバタアットホームラブコメ開幕!!
迷い猫オーバーランは3巻で切ったんですが、こっちはまだマシだった。いや、マシどころかおもしろかった。あと絵師であるなかじまゆかの初商業作品と聞いて買わざるを得なかった。
確かに文章はうまいとは思えないし、周りはほとんど善人ばっかりだし、いちいちご都合主義を感じてしまう展開はどうかと思いました。ただ主人公である祐太の一生懸命さにとても好感を覚えます。そしてこういうハートウォーミングな家族モノに私は滅法よわい。
祐太は六畳一間に住むごく普通の大学生で、もちろんそんなんで中学生、小学生、保育園児の三人の女の子を養うってことがどんなに大変なことかわかっているようで全然わかっていません。それでも身内の不幸が重なり、このままでは離れ離れになってしまう三姉妹をどうにか助けてあげたいという優しさと、それを実行してしまう心意気に惹かれました。まあ本来ならば応援することじゃないんですけどね。
案の定、火の車な家計をどうにか切り詰めて過ごす四人の共同生活は決して楽ではありません。
でも祐太が本当に三姉妹を守りたいんだな、一緒にいさせてあげたいんだな、という強い想いは終始一貫として感じることができました。バイトを増やしたり、三女の受け入れ先の保育園を探したり、他親族関係との今後のことを話しあったりと、もはやただの大学生には重いであろう所業。でも祐太の帰る家には待っている人がいてくれる。そんな温かさがすごく伝わってきます。三姉妹が働き詰めの祐太へごはんを作ってあげたりしちゃうところとかね。
三姉妹が、それぞれ抱える問題を祐太に打ち明けなかったりするのは仕方ないと思う。というかむしろその年でそんなこと考えられるのかと思った。次女とかちょっとできすぎだろ。
今回はうまいこと丸く収まり、親戚の皆さんの同意もやっと受けられたようだけど、問題が山積みであることは変わりません。なんせまだ三女は自分の親が死んだことを理解していませんからね……。どうするんだろう。
続編も決まっているようなので、こっちは追おうかなーと思います。ただ三姉妹の年齢もうちょっと上げてもいいんじゃないの? 主人公一歩間違えたら犯罪者同然だぞ。
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