くりぽと すくすく☆魔法少女塾 [★]
「超自宅警備少女ちのり」の人の新作。
前シリーズが結構好きだっただけに、もう新作かーなどと思わなくもない。この人のことだからどんだけ変態なヒロインor主人公なのかなーと期待と不安が半分くらいだったんですが、ふつうに楽しい一冊になっていました。
そんな小学生の女の子5人が魔女を目指すお話です。小学生の女の子5人組というと電撃の某篭球部を思い出しますね。それだけです。
くりぽと すくすく☆魔法少女塾 (GA文庫)
「昨日からあたしのこと尾行してたんでしょ。あんたみたいな真性ロリコンストーカーがしそうなことよ」
「お前のウヌボレぶりはあれだ、いっぺん病院行った方がいいぞ」
代々呪禁師の家に生まれた高校生・芦名春覚は、小学生の女の子たちが通う、魔法少女専門の進学塾の助講師として働く羽目になる。だが受け持つことになった生徒のひとり星神りりすとは、先日最悪な出会いを果たしたばかり。おまけに担当するクラス自体も、一筋縄ではいかない問題児だけを集めた最下級クラスで!?
ただでさえ子供の苦手な春覚は、果たして彼女たちの先生になれるのか!?
バイト先は、いたずら好きだらけの魔法少女塾――!?
子供嫌いの春覚がバイトに派遣されたところは、魔女を目指すための魔法少女達の育成塾。春覚があてがわれたクラスは問題児揃いの底辺クラスで、子供たちはいたずらやボイコットばかり。この現状を春覚がどう打破していくのかが見物なわけですな。
最初はものの見事に手玉に取られていた春覚ですが、いたずらを受けつつもちゃんと一人一人真っ向に接していってるのがすごい。子供嫌いな性格って大体騒がしいガキが嫌いな傾向が多いけど、春覚はそうでなかったりするんだな。いや、ふつう起こるぞこれは。
こんな落ちこぼれと言われているクラスですが、全員特に無能というわけではないんですよね。
魔女になるためには色んな魔法を修めなければならないわけですが、この女の子5人はそれぞれ一芸に秀でているというだけで、ほかがからっきしなだけなんだよねー。とりわけ秀でいている部分がすごいから、強すぎて逆に空回りして失敗ばかりになってしまうんですけども。あとは子供らしく負けず嫌いでやんちゃなやつが多いんだよね。良くも悪くも個性派集団。
しかもこの塾が楽しいのは生徒だけじゃないくて、教師側の人間もなかなかキャラが立っていたと思う。色んな考え方をもつ人がいて、その教育方針もばらばら。教師の方も個性的だなー。あの塾長のゆるさはいいですね。
そんな春覚が生徒たちと心の距離をつめていくところはなんとも微笑ましかったです。
なんだかなだで教師が板についてきた彼も、実はまんざらじゃないんじゃないのだろうか。そのうちロリコンとかに目覚めたらもう元も子もないのに。
女の子、特にりりすにはイラッときたことはなかったとは言いませんが、なんか最後には聞き分けの良い子供になっていた。まあかわいいからいいんだけどね。
そんなこんなで前作よりアクとかインパクトは少ないけど、楽しく読めた一冊でした。続いてほしいなあー。