イスカリオテⅢ [★]
どんどん面白くなってますよー。
個人的に恐らくメインヒロインであろうノウェムは、卑怯までにかわいいですよね!
ここいらで大きなチェックポイントだそうですが、果たしてこれからの展開は。気になります。
イスカリオテ〈3〉 (電撃文庫)
生徒会一行と合宿場の下見で海を訪れたイザヤは、かつて九瀬諌也やカルロとともに聖戦を戦った壬生蒼馬の襲撃にあう。断罪衣(イスカリオテ)を起動して攻撃してくる蒼馬は、しかし、<獣(ベスティア)>に取り込まれ、殉教したとされているはずだった。
底の知れない玻璃のもうひとつの人格、異端審問官・ラーフラの監視など気を許せない状況の中、本当の『九瀬諌也』の記憶を留めている蒼馬にイザヤは苦戦を強いられる。はたして蒼馬の正体と目的とは、イザヤがホンモノとニセモノの狭間に見出すものとは!?
殉教したかつての親友は、かくて<獣>になりぬ――。
双子の兄にし、かつて<獣>を屠った英雄・九瀬諫也に一年間なりすますことで、永遠の自由を約束された少年・イザヤ(勇哉)が、サポート役の自動人形・ノウェムとともに<獣>と戦いながら日々を過ごす異能バトルモノ第3弾。
今回は諌也のかつての親友であり、殉教したはずの蒼馬が姿を現し、彼が波璃のもう一つの顔であるバビロンの大淫婦を狙って行動を起こしてきたお話。諌也を装うイザヤをあっさりと見抜いてしまいます。
いやーもう、それにしたってノウェムのこのかわいさはなんですか!
機械人形のクセに今回は水着なんかも着ちゃったりなんかして、さらには恥らいの感情もしっかり持っているのね。絵師さんの力ももちろんあると思うけど、こういうキャラは絶対人気出るよな、うん。こんなに人間らしい機械娘もなかなか見ませんよそりゃ。
波璃も波璃で私としては非常に、特にもう一人の波璃さんがいい感じです。妖女の方。やはりキーパーソンらしく今後とも出番はありそうですな。
真の目的がいまいち掴みづらいミステリチックな彼女ですが、時折見せる本音の片鱗をこぼすところがやけにそそります。イザヤに悔しいかったんだろ、と言われて赤くなるところとかすげえかわいいじゃないですか。
何が何でも周囲に嘘がバレてはいけない身の上であるイザヤ。
とつじょやってきた蒼馬にはあっさりとその嘘がばれてしまい、自分と諌也との違いを改めて痛感します。そりゃあ完璧に他人を演じることなんて無理でしょうよ。まあその嘘はバレずに済んだのですが、波璃にはだんだんその嘘が見透かされている気がして怖いんですよねー。まさにギリギリライン。
けれど、そんなイザヤがその戦いの中で見せた成長は良かったと思います。無法者だった彼に守るべきものが増え、自由の身になるための成り行きだったけど、もう以前の彼とは全くの別人ですね。
やっぱりこういう経験があると人は変わるものなのですな。諌也ではなく、イザヤでもなく、根幹は勇哉という一つの個性なんだよ。
面白かった。サクサク読めるアイロニックファンタジーです。オススメ。
次回のノウェムはどんな格好してくれるのか楽しみだ。
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