とある魔術の禁書目録18 [★★]
もう一撃一撃が大気を裂き、地を割ってもおかしくないレベルにまで達しております。
今回はもうバトルバトルバトル。倫敦を舞台に誰が為の戦い。
だんだん壮大になるのはいいんですが、そろそろキャラの把握が難しいので、マジメにキャラ相関図みたいなのを巻頭につけてくれると嬉しいんだけどな。
とある魔術の禁書目録(インデックス)〈18〉 (電撃文庫)
インデックスが所属する『イギリス清教』の総本山・ロンドン。その魔術の都が、騎士団長を頭首とする『騎士派』のクーデターにより堕ちた。その影響はイギリス国内全土に及び、市街では一般市民が軍に拘束されるという異常事態に陥る。『騎士派』の“変革”が進行する渦中、魔術師擁する『清教派』は各所で抵抗戦をつづけるのだった。
インデックスを救うためフォークストーンに向かった上条当麻は、ついにクーデターの主謀者の元にたどり着く。そこで出会ったのは、『神の右席』後方のアックアだった。彼が刃を向けている先には、イギリス第二王女・キャーリサの姿が。カーテナ=オリジナルの圧倒的な力を誇示する彼女を前にして、上条とアックアはついに共闘という異例の体制を取る……! それぞれの思惑がイギリス中を交錯する緊迫の最新巻登場!!
国を統べる者の義務と、それを勇める者の責務――。
前回の最後に最高のタイミングでヴィリアンのマネに現れた、ウィリアムことアックアですが序盤から騎士団長との全面闘争。
二人とも馬鹿でかい剣なんぞ使って、一撃一撃が必殺技真っ青の戦い。多少弱体化してしまったとはいえ、アックアさんはやっぱ強いな。ってーか、この人の傭兵らしからぬ騎士道精神には惚れるわ。ヴィリアンもそりゃあもうときめいちゃっても仕方ないぜ。
しっかしこの作品においての強さインフレというかパワーバランスというか、もうすごいことになってる気がするんですがね。
今回の悪役である(正確には違うんだけど)暴君キャーリサが扱っていた「カーテナ・オリジナル」の強さはマジハンパなかった。正直次元を切り裂いて、相手に叩きつけるとか理解の範疇外です。つーか、そこまで人外じみた兵器といってもいい武器なのに、死者ゼロってあり得ないにもほどがあります。さらに“騎士派”のバンカーミサイルを搭載した駆逐艦まで指示し、自分の周囲もろとも爆撃しても死者ゼロってどういうことなの。
まあキャーリサは彼女なりの考えを以てして行動に出ているわけなんですが、その理由がいかに単純かつ、一国を統べる『王』としての使命が露になったところは、敵ながら天晴れでございました。
すんげえ正当化されちゃってる気がしないでもないですが、それでも暴君を装い、国民のために無能な政治をぶっ潰して、一人で国を背負おうとする姿勢はすげえよ。
そんなキャーリサの目的を察したリメエアが、騎士団長や“騎士派”の人へキャーリサを止めるよう乞い願うところや、女王エリザードの全国民へ向けての布告がさらに燃えさせてくれました。
そう、一人一人が物語の主人公であると。脇役なんぞにかまけてなく、表舞台で堂々と臨めと。
でも結局は上条さんが締めたんだけどね!
暴食空気シスター・インデックスさんにも微妙に出番があった気がしなくもない。
もう大妖精チラメイドこと五和がヒロインでいいんじゃないかなぁ。美琴もなんか便利キャラの位置につきつつあるのが悩む。
『神の右席』の最後の砦・フィアンマも登場。目的や能力も未知ですが、なにやら『幻想殺し』と接点があるような含みを言っていたようなそうでないような。
いやーもう、かつては敵同士だった人と共に戦うシチュはいつ読んでも燃えるね。
そろそろ科学サイド及び『グループ』の今後お話にも入ってもらいたいわけですが、さてどうなる次回。
つーか、ホントキャラ多すぎだから!
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