スイート☆ライン [★]
有沢まみずの新刊。声優モノ。
お話はすっごいストレートなもので、この１巻もまだまだほんの序章って感じなんですけど、これは期待できますよ。楽しみだなぁ。
ところで「ラッキーチャンス！」も並んで書いている有沢さんですが、「銀色ふわり」は……？
スイート☆ライン (電撃文庫)
才能のある人間をひたすら応援したくなる熱血漢でちょっとバカな高校生・花沢正午。そんな彼の隣の家にひとりの女の子が引っ越してきた。
新島永遠、16歳、新人声優。アニメプロデューサーの正午の姉が強引に連れてきて、彼に彼女の世話を頼んだのだが、永遠は極度の人見知りでしかも超男性恐怖症……。
永遠の欠点を直し、将来を左右するオーディションを成功させるため、正午は覚悟を決めて彼女と一緒に暮らすことにするのだが……。
『いぬかみっ！』『ラッキーチャンス！』の有沢まみずが贈る、とってもスイートなラブコメディ！
無口なあの娘は、将来有望の声優！？
プロ声優を目指すヒロインの新島永遠と、それを熱く応援する熱血バカの主人公・正午のお話。
永遠は声優を目指しているんだけど、極度の男性恐怖症からある時男性声優に護身用の電撃びりりん（意訳：スタンガン）を浴びせてしまい、期間以内に男性恐怖症を克服し、その男性声優と共演できなければ声優の道は閉ざされてしまうというものなんですけど、ぶっちゃけ永遠のスタンガンはしゃれにならないと思うのは私の気にしすぎなんだろうか。だってアレ、結構危ないよね。
それはさて置いて、そんな声優を目指す彼女を応援する正午。発端は姉の手伝いとはいえ、中盤からは心から親身になって永遠に歩み寄り、ちゃんと克服させようとあれこれやってみるんだから恐れ入る。
そう、そうなんだ。私はこういう熱血バカが大好きなんだった。
主人公の信念というか、ポリシーっていうのかは分からないけど「頑張っている人を応援する」というのはなんか分かる。正午の場合はそれのもっと熱いみたいな感じ。
でもここまで真っ直ぐで、分かりやすくて、一度決めたことには芯を通す正午のような生き様は見惚れるよなやっぱ。決して利己的な考えなんじゃなくて、心から他人に協力し応援できるって素晴らしいことだと思います。悪く言うと、単純で夢みがちってなっちゃうけど、それでも愚直なくらいがこういう若者にぴったりなんじゃないかな。誰だって一度はバカ見て成長するんですよ。
しかし男性恐怖症に慣れさせるためとはいえ、「お兄ちゃん」と呼ばせるのはどうなんだ。いや、正午は至ってマジメで邪な気持ちはないってことは分かってるんだけど、やっぱりこれはどうなんだ。
それでも永遠が最初こそおっかなびっくりって感じだったけど、徐々に『お兄ちゃん』へ心を開いていく様子が楽しかった。自分の夢のために、ほんの他人がここまでしてくれるってことはないだろうし。そしてやっぱり大きな一因はあのアニメなんでしょうね。
この一巻では物語はあんまり動いていないけど、これからの展開に大きな期待がかかります。
メインは永遠として、サブヒロインのあの二人組みは今後正午へのフラグが立つ存在になるんでしょうか。でも片方は既に立ってるか。
有沢さんらしい元気いっぱいなお話です。楽しかったー、是非オススメしたいですね。
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