魔女の生徒会長Ⅴ ママはあなたが嫌いみたい [★]
めでたく大団円というわけでした。シロオがなんかすごいデレ期に入ったみたいでかわいい。
日日日作品はあと狂乱しか読んでないけど、こっちのが私的に面白かったなぁ。
というわけで完結編感想。
魔女の生徒会長V ママはあなたが嫌いみたい (MF文庫J)
優しい「悪魔」たちによって「魔法」をとかれ、「魔女の生徒会長」からふつうの女の子に戻った剣シロオ。長い時を経て、ようやくシロオと「再会」できた恋塚ミミクロ。ふたりは、自分たちにかけられた「魔法」が誰の悪意によるものなのか、その真実を知るために学園を出て旅を始める。
向かうは、子供のころ過ごしたシロオの家だ。ふたりきりの旅は和やかで、普通の恋人同士のようにいちゃいちゃしたりしていたのだが、そのころ、巷では不気味な連続通り魔事件が発生していた。シロオはその犯人として捕らえられてしまい……。
日日日の贈る超痛快学園ドラマ、感動の最終巻!
二人を引き裂いた魔法の元凶。魔女、最終決戦へ!
前回で終わりは匂わせていたけど、やっぱり終わった。
「魔法」が解けて普通の女の子となったシロオとミミクロのいちゃいちゃぶりがたまらんね。
しかしシロオが連続通り魔の犯人として捕らえられてしまうところから始まります。
シロオの妹ことルリヲの陰謀(動かしているのはママだけど)が二人の前に立ちふさがり、引き裂く。やはりこの姉にしてこの妹というか、戦闘力もハンパありませんね。
しかし幼い頃の彼女は病気のために引きこもりがちだったので、他人と接したかったんだろうなと。シロオを装ってミミクロと遊んでいたのはルリヲにとって数少ない幸せであり、望みだったんでしょうね。そりゃあこの年頃ですから、誰かと遊びたいと思うのは自然の流れです。
まあその幸せも長くは続かなかったのですが、ここから彼女が歪んでいってしまったと思うとなんともやるせないなぁ。無差別殺人とかふつーにこなしている彼女ですが、これは同情してしまう。
1巻のラスボスことオセロはホントいい子になりましたね。
彼女の過去もすごく凄絶なものですが、人の痛みを知り、悲しみを知り、涙を流すということを覚えてまた強くなりました。やおら冗談ぽかったミミクロへの恋心も実は本気だったみたいで、しかしミミクロには決して揺るがないシロオへの想いがあるから、残念ながら成就せず。
そしてシロオにかかった「魔法」の元凶ともいえるママと最終決戦。
そこまでに至る展開が少年漫画っぽくて熱かった。なんつーかもう、勢揃いって感じだった。
ラストバトルなのに「そんなんでいいの?」みたいな攻略法でしたが、まあ総じて面白かったので特に文句はないのです。
エピローグもまさに少年漫画的なアレ。やっぱこれ意識して書いたのかな。
全5巻とお手軽かつきれいにまとめて終わりました。面白かったですね。
これからも魔女の――いや、シロオの戦いが続くとなれば応援したいものでした。オススメ。
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