会長の切り札 忍者ガールで罠をはれ! [★★]
こんなにときめいちゃったラノベは久々だ。
なんというか、キャラがみんな初々しいというか恋に奥手というか、しかしそこがまたいいんですな。
1巻では微妙に足りなかったおっぱい要員がここにきて補充されたので満足です。外国人のナイスバディには敵いませんわなそりゃ。
会長の切り札 忍者ガールで罠をはれ! (角川スニーカー文庫)
母校存続を賭けた勝負の次なる相手は、伝統を誇る桜川女子高校。対決種目は市街全域を使った陣取合戦に決定した。戦術が重要と考え、作戦会議を重ねる楢山高校生徒会だったが、桜川女子のスパイが楢校の男子生徒を誘惑し、情報を聞き出していた事が発覚する!作戦内容が筒抜けと知り、焦る朋絵たち。しかし、光明は、すでに対策を練り始めていた。その鍵を握るのは、日本オタクの留学生・リタだった――! 現代版国盗絵巻、第2幕!!
対女子高戦はハニートラップ満載!?
エリート男子高の竪森高校、お嬢様女子高の桜川女子高、そして主人公達の通うこれと言って特徴のない共学の楢山高校。合併する3つの町に合わせてそれぞれの町の3つの高校も統廃合するかたちに。しかしやる気もなければ、自分の利益のためにしか動かず、学生達のことを何一つ考えない大人たちにシビレを切らしたのが楢山高校の生徒会長・早乙女朋絵だった。そして彼女の提言と地方合併推進課課長・藍山の助力により、それぞれの高校の学生達の手によって3つの高校の統廃合を委ねられたのだった(1巻の感想より引用)。
というわけで1巻で無事に竪森高校に勝利し、勢いづいた楢山高校の次なる相手は女子高の桜川高校。ただし勝負の方法は1巻の合戦チャンバラとは方向性を変えて非接触型カードを使う水雷艦長というゲームで決着をつけます。簡単に言えば「じゃんけん」の三すくみの関係を利用した「ドロケイ」みたいなもの。
相手は女子高ということでまあ予想通りというか、篭絡作戦でスパイを作る作戦が実施されましたね。対竪森高校戦で総大将を務めた霧島にもその手が伸びますが……なんていい男なんだこいつ。もう器が広すぎる。
困った人なら誰でも――たとえ罠の可能性があっても――助けてしまう霧島へと嫉妬する長篠さんかわいいよ長篠さん。思わぬところからつい本音が出てしまって、ついに引き返せなくなった長篠さんが霧島へ想いをどんどん伝えちゃうところが素敵過ぎます。あーん、こんな恋してぇなおい! もう幼馴染みがいる時点でその人は勝ち組だと思います。
1巻でも思ったけどこの主人公の光明と朋絵の距離感がたまりません。
朋絵は表面上では「ただのお隣さん」とか言っちゃってますが、内心では光明が自分のことをどう想ってるか気になって気になって仕方ないところが思わず悶絶しそうです。くぁぁぁー、もういってまえよー!
いや、でも分かるんですよねこういうの。もし仮にフラれてしまって、今まで築き上げてきた関係が一気に瓦解してしまうのってすごく怖いじゃないですか。どんなに仲が良くても、その「もしも」な展開になるのが怖くてもう一歩が踏み出せないってことはよくあります。ていうか私がそうでした。相手は幼馴染みじゃなかったけどね。その後どうなったかは聞かないでください。
ともかく、こういうところに共感できてしまうからこの二人にはちゃんとうまくいってほしいなと思いますね。朋絵には是非あと一歩の勇気を出してほしいですな――と思ったら長篠さんに触発されたのか、最後の最後で言っちゃったよ。うおー、なんだこのニヤニヤは。
さて、ゲームの方はオタクでナイスバディな留学生ことリタが艦長を務めますが、まあ光明がほぼ裏で動かしているといってもいいですね。
ルール違反の穴をついた巧妙な作戦はさすがは“光明の罠”といったところか。あんぱんなんて何に使うのかと思ったらそうくるか! 想像したらなんかちょっとエロいよ!
決め手の作戦というのもまあ想像できましたけど、リタまで変装するとは思わなかったな。まさに木を隠すなら森の中的な考えですね。
でもこのシリーズは実際ゲームしているより、そこまでの仕込みとか作戦を考えているところの方が私的には面白いなぁ。
そして二つの高校に勝利した楢山高校はもう廃校の心配はないかと思いきや、何か匂わせるエピローグでしな、こっちも気になる。
いまスニーカー文庫でオススメのシリーズになりつつありますね。面白い。
晴れて朋絵と光明はカップルになれたのか確認できるには次巻ですか。そっちにも期待しつつ、今回はこれまで。超オススメ!
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