

アクセル・ワールド1 -黒雪姫の帰還- [★★★]
電撃新人ラッシュ3つ目。いよいよ大賞受賞作。
「ロウきゅーぶ!」はバスケとスポ根が好きなのでちょっと贔屓しましたけど、こっちはガチで三ツ星です。
仮想(バーチャル)であって現実(リアル)でもある『加速世界』での格ゲー的設定とか、恋愛要素もたっぷりあって文句なしの一冊だと思います。今年の電撃大賞は比較的当たり年と言えるでしょう。
あと、黒雪姫のギャップ萌えが素晴らしすぎる!
アクセル・ワールド〈1〉黒雪姫の帰還 (電撃文庫)

どんなに時代が進んでも、この世から「いじめられっ子」は無くならない。デブな中学生・ハルユキもその一人だった。
彼が唯一心を安らげる時間は、学内ローカルネットに設置されたスカッシュゲームをプレイしているときだけ。仮想の自分(アバター)を使って≪速さ≫を競うその地味なゲームが、ハルユキは好きだった。
季節は秋。相変わらずの日常を過ごしていたハルユキだが、校内一の美貌と気品を持つ少女≪黒雪姫≫との出会いによって、彼の人生は一変する。
少女が転送してきた謎のソフトウェアを介し、ハルユキは≪加速世界≫の存在を知る。それは、中学内格差(スクールカースト)の最底辺である彼が、姫を護る騎士≪バーストリンカー≫となった瞬間だった――。
ウェブ上でカリスマ的人気を誇る作家が、ついに電撃大賞<大賞>受賞しデビュー! 実力派が描く未来系青春エンタテイメント登場!
これまでの自分を変えるために、少年は少女の騎士となる!
脳を直接ネットワークに繋げるシステム『ニューロリンカー』が普及した近未来。デブで冴えないいじめられっ子の中学生・ハルユキは毎日を学内ローカルネットのスカッシュゲームで孤独に暇を潰す毎日。そんなある日、自己ベストをいとも軽く越えた学内無二の美人・黒雪姫の異名を持つ少女から声を掛けられ、転送されてきたソフトウェア『バースト・リンク』により『加速世界』のバトルゲームに巻き込まれ――。
これはかーなーり、面白かった! さすが大賞と言うべきでしょうか。他の作品より頭一つ抜きん出ている感があります。
最初は時代設定が近未来だったり専門用語とかばしばし来てて読みにくいとは思いましたが、『加速世界』での1対1の格ゲー的バトルワールドに魅了されてからは読み進む手が止まらない止められない! まさに加速!
何が起こってもおかしくない仮想であり現実でもあるサイバーチックな『加速世界』を舞台で繰り広げられるバトルがまさに熱い。『加速世界』に選ばれたバーストリンカーたちが試合を観戦しにきたり、バトルレベルとかポイントだったり、チームとなって縄張りを制覇したり、カラーシンボルを冠す六人の「王」とかここら辺『エア・ギア』を連想してしまいましたが、テンポの良さや迫力あるアクションシーンがあって全然見劣りしません。
黒雪姫こと≪ブラック・ロータス≫は未だかつて誰も到達しないレベル10を極め、『加速世界』の頂点を目指す者なのですが、かつてレベル10を極めることを良しとしない六人の「王」の調停を破り、反逆者扱いとされてしまっています。
「我と、我がレギオン≪ネガ・ネビュラス≫、今こそ雌伏の網より出でて、偽りの平穏を破らん! 剣を取れ! 炎を掲げよ! 戦いの時――きたれり!」しかし終盤での彼女の復活宣言はかなり震えた。彼女の生き様もそうですが、これは熱すぎる!!
普段はクールビューティーで物事に達観する黒雪姫が、感情を昂らせての素直な激情と言論にはギャップもあってかなり萌えてしまいました。
「……バカ……バカぁ…………」これにやられた人はどれくらいいるんでしょうかね。
上記の引用を話しているあの黒雪姫からこんなセリフ聞けるとは思いませんでしたよ。私もその一人なんですけど。
でも黒雪姫も、主人公のハルユキも、その親友のチユリやタクムもまだまだ中学生なんですよね。とあるわけでバーストリンカーも最年長で15歳だし、こうした若者達が感情豊かにぶつかり合うシーンって結構面白いと同時に、感情がコロコロ変わってしまうのもまた中学生らしいといえばらしいのではないでしょうか。いくら達観しているからといって黒雪姫もまだ14歳なんですよねー。
設定や話としてもまだまだ広げられるところまで広げられそうだし、これは続編にも大いに期待したいです。
2巻以降はまだまだ仲間集めとか縄張りを広げたり、もしかしたら「王」の一人が先走ってきたりしちゃうんですかね。目的が明確となっている分、マンネリ化は避けてほしいところですが恐らく大丈夫でしょう。黒雪姫がハルユキにいちゃいちゃするシーンをもっとください。
ああ面白かった! これは非常にオススメです! 是非是非お手に取ってみてくださいな!
→『アクセル・ワールド2 -紅の暴風姫-』の感想へ
>……いやなんでもない。誰もタクム×ハルユキなんて思ってませんから!
…………。(不燃ゴミを見るような視線で)
もう、ここまで来ちゃった那智さんはリアルに後戻りなんて出来るわけないっすよね!
なんかもう那智さんがショタやBLを愛好してるってことにたいしたリアクションも感じられない今日この頃。
本題
自分も興味もってる作品ですね。
本当はシャナの最新刊と一緒に昨日確保するはずだったのに、体調崩したからな……。
おまけにまだ積み本の消化がおいついてねぇ(汗)。
追記
自分のブログにも書きましたが、この前まで書いてた小説をFC2小説のほうでupしてみました。
ペンネームはリアルで使ってる文月葵です。
http://novel.fc2.com/novel.php?mode=ttl&uid=2283519
もしお暇などありましたら、読んでみてもらえるとうれしいです。
そして今後のために辛口批評をば。
でもコレなんとなく勘なんですけど
『次の巻で登場人物丸ごと入れ替わってるんじゃねーか?』
って疑念が出てきそうな感じがありました。
主人公にしろヒロインにしろインパクトがありますけどそのインパクトって『一発芸』的なものがあると思いました。
>なんかもう那智さんがショタやBLを愛好してるってことにたいしたリアクションも感じられない今日この頃。
もう染まっちまったんです。そっとしておいてやってください。
>小説
そうですか。暇が出来たら読んでみますねー。
>ちけっつさん
確かにありそうですけど、読者も戸惑うと思いますし、それはないんじゃないでしょうかねー。
主人公も黒雪姫と付き合うはずですし、もっともっと恋仲も深めてくれるはず――と期待していますよ私は。