

ベン・トー3 国産うなぎ弁当300円 [★★★]
これは燃えた! 熱すぎる!
3巻めちゃくちゃ楽しみにしてましたけど、これは期待以上でしたよ。
相変わらず半額弁当獲得のためにスーパーで当たり前のように人が吹っ飛ぶほどの大乱闘というアホ極まりないスタイルは健在、これがなんていうか今回は特に熱い! 誇り高き狼たちの姿は読んでいてカッコいいと思わせてくれる。
そしてもうお約束になりつつありますが、佐藤のケツがまた大変なことに。
ベン・トー〈3〉国産うなぎ弁当300円 (集英社スーパーダッシュ文庫)

半額弁当争奪バトルに青春を賭ける高校生・佐藤洋。ある日、佐藤は自分に凄腕の『狼』の証である二つ名がついていることを知る。しかし、その名は理想とはかけ離れた悲惨なものだった――!
同じ頃、戦場に圧倒的な力を持った双子の沢桔姉妹が現れ、次々と弁当を奪取していく。彼女らには訳ありの過去があり…!?
――半額シールが舞う時、『狼』たちの咆哮が上がる!庶民派学園シリアス・ギャグアクション、人気もうなぎ昇りの第3弾。
《オルトロス》の双子姉妹、狼たちの饗宴に再び!
今回も良かったですよ。なんというか集英社らしい少年漫画の熱さと盛り上がりでした。
やっと主人公・佐藤洋にも二つ名が――ってこれはなんかまあ合ってるっちゃ合ってるけど不毛すぎやしないですかね? いかにも白粉が喜びそうな……面白いからいいんですけど。
あとあとしゅんとなった槍水先輩の可愛さが全面的に出てました。普段はキリッと凛然としててどっちかと言えばカッコいい先輩なんですけど、P199のイラストにしてやられた人はどれだけいるんでしょうか。私もその一人です。ていうかアレは反則だろと!
さてさて、物語はあやめの高校の生徒会長の副生徒会長の《オルトロス》――沢桔姉妹のお話。
過去のトラウマを抱えながらも狼たちの熾烈な争いに腕を磨き、再び至福を感じることができるようになった二人。佐藤や二階堂、それに加え不調であったとは言えあの《氷結の魔女》でさえ二人の息の合ったコンビネーションの前には敗北。佐藤が目にして初めての槍水先輩の敗北でした。なんというか、先輩はずっと勝ち続けるキャラだと思っていたのにちょっと意外です。
「行きますわよ鏡! あの最低で最高なクソ野郎どもをぶちのめして差し上げますわよ!」そんな双子姉妹の過去の傷を再演するかのようにやってきた《ヘラクレスの棍棒》。しかし、こいつの非情な策略を一蹴してやった狼たちには拍手。
「はい、姉さん!」
確かに半額弁当獲得は狼にとっての目的でありお宝。しかし誇り高き狼たちはより強い者との戦いを好むもの。強者が一抜けた乱戦なんて面白くもなんともない。彼らは弁当だけでなく、共に切磋琢磨していく狼との戦いの両方を望んでいるのだから! 苦労せずして獲得した弁当が美味いものか。いや、美味くない! これは燃えるよなあ!
そしてこの半額弁当の描写がとんでもなく美味そうなんですよねえ。朝読んでて涎を垂らしそうでした。ただのチキンラーメンでさえ、あんなに美味そうに書くんだから。
ギャグパートも負けてはいません。
今回は石岡くんの出番が少なかったですが、代わりに佐藤父がやってくれました。確かに尿意を我慢して内股でシューティングゲームをやる父親なんて嫌過ぎる。ペットボトルのとこで腹筋崩壊した。
あと鳥和藤雄から筋肉刑事ネタのくだりも笑いが止まらなかった。それを知らずに激励しまくる佐藤がもう滑稽すぎて。
あと極めつけはやっぱり白梅梅様ですね。座薬のくだりのところ。
「うん、まぁご用っていうか、アイツに座薬を挿してもらいたいな、と」これは佐藤の言い回しが悪かっただけでしたけどね。あと内本君の意見には全面的に賛成です。
『……あの佐藤君、言っていい冗談と悪い冗談があると思います。ふざけないでください。本気で怒りますよ?』
実は恋の方も意外と進んでいたりして。
今回口絵があったあせびちゃんが思いのほか可愛かったんですけども、なんか佐藤に気があるっぽいですよね。幼馴染みで従妹なあやめは掴みづらいけど、佐藤のことを意識してはいそうですし。槍水先輩もこれから佐藤に惹かれていきそうな感じがするし。
あれ、あと白粉といい茶髪といい梅様といい佐藤って結構ハーレムになってませんか? なんか羨ましくなってきた。
いやあ、もう文句なしで面白いです。最高。超オススメ。
続きが予想できませんが、また新たな展開に直面するんでしょうね。HP同好会の合宿が気になります。
→『ベン・トー4 花火ちらし寿司305円』の感想へ
←『ベン・トー2 ザンギ弁当295円』の感想へ
自分は半額シールを待つのではなく貼るほうのバイトをしているのですが…
これは読んだほうがいい気がしてきた…
是非読んでみてくださいな。かなーり燃えますから。