狂乱家族日記 拾壱さつめ [★]
『世界会議』後編。殺された不解宮ミリオンの真相は。
そして今回でついに『閻禍伝説』が明らかとなります。長かった。
このシリーズもある意味で佳境に入るわけですが、まだまだ狂乱家族の宴は終わらない!
狂乱家族日記 拾壱さつめ (ファミ通文庫)
各国の要人を乗せた都市型飛行船マスカレイド号の船内で起こった、衝撃の不解宮ミリオン暗殺事件。その犯人も不明のまま、神聖合衆国に到着した凶華たち乱崎家一同は、得体のしれぬ不安と緊張の中にいた。そして、ついに開催された『世界会議』当日、彼らの眼前で展開される驚愕の出来事とは!?
千年の時を経て、歴史の闇に葬られてきた『閻禍伝説』の真実の姿がついに白日のもとに!
馬鹿馬鹿しくも温かい愛と絆と狂乱の物語。シリーズ白眉の巻!
明かされた『閻禍伝説』! 『世界会議』における狂乱家族の運命やいかに!?
『世界会議』開催前に不解宮ミリオンが何者かに暗殺され、あからさまに皆困惑の事態。
しかしそんなことがなかったみたいに開催される『世界会議』。そこで遭遇する狂乱家族を巻き込んだ驚愕すべき出来事。その運命やいかに。
今まで断片的に語られてきた千年前の物語も収斂し、いよいよ真実が明らかに。
朝夜、泪雨夜、月香、SYGUNASS、そして閻禍。千年前の彼らにも彼らなりの事情や物語があったんですね。
というか、これはなんか閻禍を責めにくいな。分かったとなると「全部閻禍が悪い」とは言えませんや。
そしてその因縁が今まで続いていた、と。だから紅茶の正体がアイツだったんですか。
で、結局その後閻禍はどうなったってのもまだ謎ですね。そこはまた後にってことかな。
『世界会議』ではなぜかミリオンを殺した犯人捜しから、「世界を滅ぼすかもしれない乱崎一家を野放しにしておいていいものか」という議題に。
ここでの狂乱家族に肩を持ってくれる人たちが本当に温かくてよかったなぁ。
ミルカトピから始まりドジデビル、黒サンタ、ムジャッキーやらピエールやら死神三番、果てはOASISや強欲王まで。とにかく脇キャラも勢揃いって感じですね。オデッサ=エイとか懐かしい顔(ないけど)まで。
彼らも狂乱家族を最初は迷惑だとか疎ましい存在と認識してましたが、今ではちゃんとこの家族にもどこにも負けない家族愛があることを分かってくれているんでしょうね。彼らとの出会いも決して無駄ではなかったということでしょうか。ちょっとじーんときた。
騒動を起こした紅茶に凶華が一喝したところが印象強かったです。文字も大々的でしたね。
やっぱり凶華並びに狂乱家族はこうでなくては、と思ってしまいます。もちろんいい意味で。
さて、今後は黄桜乱命や銀夏、そして姫宮一族との因縁も気になるところ。
最後の乱命と千花がすれ違うシーンは良かった。イラスト的にも。千花の「負けません」の一言でグッときたね。今後千花が相対する彼女は、銀夏にとってはとても大きな存在なのです。
狂乱家族で一番弱い存在の千花が再び立ち上がり、前を向く姿はとても輝いていました。一輪の花のように。
次は番外編のようですが、本編も気になるところですねー。
『閻禍伝説』も明らかとなり、『世界会議』も終わり、いよいよ佳境ですか。物語がどのように収束するのか、最後まで見守り続けようと思います。オススメ。
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