境界線上のホライゾンⅠ<下> [★★★]
ここまで最高に馬鹿でカッコいい主人公は初めてだよ!!
やばいやばいやばい、これはマジですごい。ホントもう最初からクライマックスとはまさにこのこと。
800ページがなんだっつーの! ページを繰る手が止まらないっつーの! みんなカッコよすぎだっつーの!
これで川上稔の名は私の心に永遠に刻み付けられました。もう葵姉弟最高すぎる!
境界線上のホライゾン 1下 (1) (電撃文庫 か 5-31 GENESISシリーズ) (2008/10/10) 川上 稔 商品詳細を見る |
世界の運命を巡り、各国の“教導院”が動き出した。
敵は世界列強。八大竜王。
そして巻き起こる武蔵内の内紛。
しかし、様々な人々の思惑と決意をよそに、バカはいつでもここにいる。
「──俺のせいで奪われたオマエの全てを、俺が取り戻してやる!!」
ホライゾンと武蔵の運命はどこへ向かうのか!?
『境界線上のホライゾン』第一話、完結!
世界が敵に回っても、ホライゾン救出の意志は変わらない! ただ想いを告げるその為に!
一巻上であれほどくどくどと世界観や歴史、大勢のキャラたちを語ってくれたおかげか、全然無理せずにとてもスムーズに読めました。もうキャラ紹介を往復しなくていい程度には顔と名前が全員一致するようになったよ! 土台作りはホント大切ですね。
もう最初からクライマックスで常に盛り上がってました。この怒涛の展開はいっそ目を見張るものがあると思います。
「じゃ、行こうか皆、――頼りにしてるぜ?」
それにしても、トーリがカッコよすぎるんだ! 本当にもう救いようのないバカなんだけど、カッコいいんだよ!
「告白する」というただそれだけのために世界を敵に回してホライゾン救出を企てて、周りも巻き込んで、けれどそれが不快と思わないのがこのクラスメイト達の良さなんだよね。
シリアスな空気でもどこ吹く風のごとくしゃしゃり出て、敵も味方も唖然とさせる突拍子もないトンデモ発言を遠慮なくブチかますトーリのバカさ加減に惚れた。
今回でこのバカの力が明らかになりましたが、なんというかホライゾンとの相対性を考えるとすごい運命的だなとさえ思ってしまった。トーリが失った感情を、ホライゾンが得ていくっていうもうなんというか、かなり辛いよなこれって。いつか互いに笑い合える日はやってくるのでしょうか。いや、やってきてほしい!
それにしてもいよいよ奪還に行くぞってとこの6ページにわたる見開き挿絵にはもう感動したよ。本気ですげえ。
とりあえず名場面がたくさんありすぎて一つ一つ語るととんでもない文量になってしまうんだよなぁ。
鈴の作文、三要の説得、二代の屈辱、ヨシナオの心情、葵姉弟の過去、直政VSシロジロ、二代VS喜美姉さん、セージュンの啖呵、ノリキVSガリレオ、白と黒の魔女の空中戦、二代のリベンジマッチ、ホライゾンの想い、トーリの叫び――等々。
もうさ、みんながみんな主人公なんだよね。誰がいい、じゃなくて、みんないい。
取りとめもないギャグの応酬、想像もつかないバトル展開、熱い無能バカ・トーリを筆頭とする個性あるクラスメイトたち。
それぞれがそれぞれの戦いの下に結束した、「世界を敵に回し、ホライゾンを救う」という意志と覚悟。
伊達や酔狂、飯事や児戯ではありません。正真正銘に熱く、激しく、ロマンある物語がそこにあります。
どうですか皆さん、読んでみたくはなりませんでしょうか?
にしてもこの作品の女性神は濃い人ばっかりだなぁ。
自動人形ながら予想外に天然っぽい子なホライゾンに萌えた!
トーリにズボンを下ろされて慌てふためくセージュンに萌えた!
題名「私がして欲しいこと」になぜかエロ小説を書き上げた浅間に萌えた!
極めつけは喜美姉さんだよ喜美姉さん! エロとダンスの神を信仰してるとか最高だよアンタ! もっとやれ!
一見自分のことしか考えていないように振舞っているけど、実は超弟想いの喜美姉さんはもう筆舌に尽くしがたいほど私の中で魅力的なキャラを確立しました。喜美姉さんに一生付いていこうと思います!
もう「ククク」とか「フフフ」と言ってるあたりから「あ、喜美姉さんのセリフだ」と分かってしまう人は私じゃないはず!
色々書く殴ってみましたが、少しはこの「境界線上のホライゾン」の魅力が伝わっただろうか。
まだ読んでない人は最初は辛いかもしれないけど、それを乗り越えられれば極上の物語と出会えるはずだから、是非読んでほしい。
ああもう、早く続きが読みたい! 正直星三つじゃ収まらないほど超、超、超オススメです!
→『境界線上のホライゾンⅡ<上>』の感想へ
←『境界線上のホライゾンⅠ<上>』の感想へ
>ホライゾン
今回は物語の最初になる部分でしたから、肝になりそうな部分に関しての説明もしっかりしていたような気がしますね。
上巻の時のような語句や世界観の説明は今までのシリーズにはなかったことからも今回のシリーズの情報量の多さは説明入れなきゃいけないほどなんだなぁ・・・とつくづく今後の物語に期待してしまいそうな感じです。
個人的に女性陣や他のヨゴレ系の男性キャラもいいのですが、正純との対決時に出てきた黒藻の獣も結構いい味出していたかなぁ・・・『よごれ?よごれ?げいふう?』とか。
それでは。
ですよね。あの資料集になんど詰まりそうになったことか……。
確かに黒藻の獣もところどころでいい味出していたと思いますw