東京レイヴンズ3 cHImAirA DanCE [★★★]
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進級試験に挑む春虎や冬児たち。落ちこぼれの春虎たちに気を揉む夏目だが、試験の最中に突如、異変が冬児を襲う。同時に、渋谷、品川、上野と都内各地で<霊災>が起き――!? 時を超える陰×陽ファンタジー!!
3巻になっても失速しないおもしろさ。これはいい殴り愛ですね!
今回は夏目や京子といった女の子たちの出番は少なめなのですが、それを補うほどの友情展開にはとても熱いものがありました。わかっているから伝えられることがある、バカだから必要とあらば拳も辞さない――そんな春虎と冬児の親友もとい悪友関係には思わずニヤリ。うわあ、青春だなあ! 夏目が羨望の眼差しを注ぐのも無理はないか。
というかすごく今更ですが、この作品って微妙に年齢層が高めだよね。十二神将の面々だったり、陰陽塾の教官だったり、夜光信者だったり。裏ではこういったあんちゃんやおっちゃんたちが今を生き抜く若者たちを守り、或いは立ち上がらせたりする展開もすごくおいしいです。おっさんががんばるラノベは名作の法則。
いずれ冬児は霊災関係でこういった矢面に立たされるとは思ってましたが、まさかこんな形を取ってくるとは思わなかったなあ。ちゃんと主人公である春虎の理解者であり、春虎と夏目をあたたかい目で見守ると同時に、今回のことでそれだけでは終わらないキャラに仕上がってきたと思いました。鬼に侵蝕されつつも、なんとか自我を保った状態での春虎とのやりとりはいいものです。いずれ「ここはおれに任せて後を追え!」もやってください。
そして早くも当面のボスっぽい人も登場し、物語も引きも十分。すごく熱い内容でおもしろかったです。
このシリーズはもう外れないと思うので安心して読めるなあ。
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