聖剣の刀鍛冶10 [★★]
聖剣の刀鍛冶10 (MF文庫J) 三浦 勇雄 屡那 メディアファクトリー 2010-11-20 売り上げランキング : 1013 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
セシリーを守るために最後の変化の呪文で剣の姿のままとなったアリアを胸に、独立交易都市へと戻ったセシリー。しかし彼女を待っていたのは、ルークとユーインの消息が絶たれたという悲報だった。件のルークとユーインは、突如襲った地震によって閉じこめられたヴァルバニルの封印される洞窟内でその末端らしき触手との攻防を繰り広げていた。他の出口を探して灼熱の闇の中を彷徨い続けるルークたち。そしてその奥底で地面に突き立てられた直刀を見つけるのだが――!? 壮大なファンタジー叙事、薄闇の底で真紅に燃える刀身を打つが如き“鍛錬の刻”!!
きつい……本当にきついなこれ……。こんなに悲しい尻の挿絵は初めてだ……。
前回でアリアがあんな状態になってしまった手前、さらにルークのこととなる。絶望に絶望を重ねるような展開だった。もう佳境のはずなのにホントどうやって収束させるのだろうか。きっちりと見守っていきたいと思う。
さて、ルーク回です。ユーインと共に火山に閉じ込められ、出口を求めてサバイバル。
そんな中でユーインがルークの核心を突きました。「素直になれ」というユーインの言うことはまったくもって同意しよう。ここまできてまだ他人にすら「セシリーは俺の女だ」とかハッキリ言えるほどの覚悟がないのか。ヘタレにもほどがあるぞ……。たしかにもう一緒にいられる時間は限られているかもしれないし、どちらかが犠牲にならなければいけない未来しかないのかもしれない。でもだからこそ、ちゃんとセシリーには言ってやってくれよ。好きならさ。じゃないとセシリーがあまりにも報われないよ。
そして火山の中でヴァルバニルの封印のための直刀を見つけるのですが、それが目当ての帝国の人たちとぶつかります。窮地に追いやられた二人を助けたのは、やはりセシリー。もうセシリーは本当にヒーローだ。カッコいい。
ヴァルバニル封印のために直刀を打ち直したルークの犠牲はでかかった。それがセシリーに隠せないほどに。
きっとそれは彼女にとって重くのしかかるでしょう。楔となって、彼女を縛めるかもしれません。
それでも、セシリーならどうにかできそうな気がする。本当にそんな根拠の無い自信しか頼れるところがない。がんばれ、負けるな。
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