社会的には死んでも君を! [★]
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薩摩八平には呪いがかかっている。その名も『ラブコメ現象』――それは呪いじゃなくて祝福だろ! と言われそうな、ちょっとエッチなハプニングが起こってしまうのだ。元凶(?)は八平に憑いている幽霊(らしい)、香月。八平以外の人間には見ることも声を聞くこともできない香月と出会って以来、八平の生活はラブコメ現象によってさんざんなものだったが、それでも八平は香月と出会えたことを後悔していない。なぜなら、香月が美少女だから。見えない女の子と喋るイタい男と思われても、ヤンデレ同級生に迫られても、美人な姉にストーカーされても、香月に触ることができなくても!「それでも君を○○!」一途でまっすぐな八平の、アンチラブコメ生活!
アンチラブコメの皮を被ったラブコメだった感が否めないけど、まあ素材は悪くはなかったと思います。
それにしてもラブコメ現象とはいったいなんだったのか。これなくてもいいだろ、とまでは思わなかったけどきっちり起源とかは明確にしてほしかった気がする。まあ香月と仲を深めるために必要だったし、二人をつなぎとめているのも実際この現象なくしては成立しないのでそこまで無下にする点はなかったです。
ラブコメ現象のおかげで、対女の子スキルが上がっていると思ったんだけど、全然そんなことなくてむしろうぶな主人公・八平はみていてなんだか逆にかわいかった。羨ましいとも思ったけどラブコメ現象の実態を知ってしまうとそんなに気楽なものでもなかったり。というか本当にいつお縄についてもおかしくないからなw
そう考えると主人公に近づいているヒロインたち――微妙に病んでる子だったり、ストーカー気味の姉だったり、素直でかわいい生徒会長だったり、みんな寛大なんだな。後者以外は邪な理由がややあるけども。
しかしなんといっても八平に一途な幽霊少女・香月のかわいさが群を抜いていると思うんです。
八平も八平で、わざわざ人間大砲に挑戦してまで自分から離れていってしまった香月を探そうとするし、すれ違ってるけど相性いい二人だよね。香月が自分は幽霊だから八平になにもしてあげられない、でもずっと側にいたいってところの葛藤だったりもちゃんと描かれていてよかった。
まあ全体的にありふれたラブコメと見て取れてしまうのは、仕方ないかもしれない。
このラブコメ現象を今後どう料理するかに、この作品の舵がかかってると思う。
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