百億の魔女語り1 オトコが魔女になれるわけないでしょ。 [★★]
百億の魔女語り1 オトコが魔女になれるわけないでしょ。 (ファミ通文庫) 竹岡 葉月 中山 みゆき エンターブレイン 2010-09-30 売り上げランキング : 5365 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
全国制覇2回、MVP獲得。クローブでは敵なしの実績を誇るアルト・グスタフ。しかし彼にはどうしても欲しい最後の勲章がある――それは、カイゼル魔術学院の卒業証書。「甲種魔術じゃ競争率高くて即死。俺には乙種魔術の中でもどマイナーな魔女術しかない!」親友ナナイの呆れ顔を尻目に大戦の英雄・大魔女リリカの元で卒業実地研修を受けることになったアルトだが、待っていたのは3人の美少女と……!? ちょっぴりウィッチなファンタジーラブコメ!
タイトルと表紙に釣られたあとで著者が竹岡葉月と知ってこの安定感。さすがでございます。
いやホントキャラがみんなかわいいなあ。魔女術の三姉妹はもちろんだけど主人公のアルトもかわいいし。そのかわいさに拍車を掛けるような中山みゆきさんの絵がマッチしすぎてる。
エーマはなんか久々に正統派なツンデレって感じだったけど、あんなに乙女乙女してるキャラだとは思わなくてもっと好感的になった。マジかわいいなあ。つーか表紙なんだけど帯とると微妙に縞が見えるんだよね。みんなやたら縞パン好きだよね。
卒業単位のためにわけあって魔女術を修めることとなった主人公・アルトは、女装してまでという徹底ぶりを見せながら魔女術の本拠地であるリリカの城を訪れるのだが、肝心の魔女様はお猿さんになっていて――的な流れで進行するのだけども、アルトの熱くて素直なところは主人公としてはグッドです。やはりスポーツマンですね。しかしいままでの行動が一直線過ぎたがゆえに、唯一の肉親となってしまった妹・アディリシアとは溝ができてしまったのですが。あ、ちなみに私はアルトのあの女装はありだと思います。ふつうに男だとバレバレだけど、なんかかわいげがあっていいじゃないですか。
魔法の設定は結構砕けててわかりやすかった。なんか現代で言う電気みたいな扱いになってる部分もあったし。ああ、一応言えばちゃんと魔法らしい魔法もありますよ。
そんでもって一番魅力だったのはやっぱりエーマですかね。
エーマ単体だけじゃなくてアルトとの関係性も。体育会系なノリに微妙に押されてるエーマがかわいかったり、女装のおかげで最初は印象最悪だったのに修行を経てちょっと仲良くなってくるところもこそばゆかった。
けれどそう簡単にフレンドリーとまでは行かずにあることで喧嘩してしまうのだけど、エーマがどれだけ研修生との繋がりを大事にしたかったのかがわかったところはめちゃくちゃかわいかったですね。アルトの言い分も正しいけど、これを言われたら強く言えないよな。魔女になるためとはいえ、根本的にはふつうの女の子となんら変わらないんだから。だからこのシーンでアルトとエーマがちゃんと分かりあえてすごく気持ちよかった。微笑ましい。
そんでもって終盤の解決を経て、これで終わりかと思ったら思わぬ仕掛けがあってびっくりした。「えええそうだったの」という感じで全然気づかなかった。これはヘタすれば次巻以降はいままでのアルトとエーマの立場を逆転させてしまうほどの展開なんじゃないだろうか。それはそれでおいしい! おいしいぞ! 想像するだけでニヤニヤする! ていうかエーマさんデレるの早いしわかりやすいな。そこがまたかわいい。
ファミ通文庫にまた楽しみなシリーズが生まれてしまいました。続刊も期待しちゃいます。
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