蒼穹のカルマ4 [★★]
蒼穹のカルマ4 (富士見ファンタジア文庫) 森沢 晴行 富士見書房 2010-02-20 売り上げランキング : 13163 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
「私は、負けません……っ!」レーベンシュアイツを悪しき魔王の手から救い出すために、ついに一人の勇者が立ち上がった。汝の名は鷹崎在紗。頑張れ在紗! 魔王タカサキ・カルマを倒し、平和を取り戻すのだ!
カルマさんの就活教室はっじっまっるよー!
いやマジで就活しているカルマさんは置いておいて、今回でわかったことが一つあります。それはこのシリーズでシリアスは一切やらないことだと切に思い致しました。しかしそれがべつに嫌だというわけではないんですよ。それをも感じさせない勢いとおもしろさがそこにはあります。というかまた表紙あらすじ詐欺かよ! ちょっと間違えれば美少女文庫直行の表紙だぞ!
まあとにかく著者かその担当さんがこのシリーズの舵を握っているとは思うのですが、本当にいい方向性だ。そして相変わらず物語の展開が予想の斜め上ちょい右寄りすぎる。
カルマは相変わらず在沙ちゃんが絡むと変態だし、アステナとウタはもうちゃっかりレギュラー入りしてしまうし、鳶一さんはいつの間にか不遇のイジラレ要員になっているし。そして1巻で出てきた魔王がまさかここに来て表舞台に出てくるとは。しかもなにげに今後もレギュラー要員になるとか。
しかしこの魔王とカルマの関係性がおもしろすぎる。互いに忌み合うのはたしかなのですが、在沙が絡んだ瞬間意気投合するところはもうなんというか、ホントいい意味でバカバカしいなw あー、ほんと笑わせてくれる。
こんだけバカやってるのに物語の構成はやっぱりうまい。
というか路線から外れるのか外れないのかの境界を、意図して行ったり来たりしているのがわかる。それが不安定なんじゃなくて、なんか狙ってやってる的な。どちらにせよ変な方向性で安定しているな。素直に作者すごいなーと思う。
在沙ちゃんのあの秘密もまだカルマには知られてはいないみたいけど、だんだん隠すのも難しくなってきている。そこがカルマにバレたときがどうなるか楽しみだなー。というかカルマはマジで蒼穹騎士団に戻らないのか。
もう突っ切るところまで行けばいいと思うよシリーズ。今回も楽しませてもらいました。
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