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Author:青木勇気
小説を出していたり絵本も書きたかったりします。物書きと呼ぶにはおこがましいくらいのものですが、物語を書いて生きていけたら幸せだなと思っています。

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子供から得た4つのこと。

2011.12.13 02:12|雑記
長男が誕生して1カ月、そろそろ産まれた日のことを振り返ろうと思います。急遽帝王切開になり予定日より早く産まれてきた息子ですが、空気を読んで土曜日の早朝に世に生まれ出てくれたおかげで、里帰り出産をした嫁の実家近くまでいち早く会いにいくことができました。

術後完全にグロッキーになっていた妻を労りつつも、想像を超えて小さな体に対面したときには、温かな頬、指の細さ、におい、泣き声、笑顔のようなしかめ面のような表情など、そのすべてが新鮮でいくら見ても触れても飽きることはなく、静かな病室の中ただただ感動に包まれたのをよく覚えています。慣れない手ではじめて抱っこしたときの喜び、愛おしさは、他の何にも替えられないものがありました。

妻の実家が遠いために、翌週退院するタイミングで両親と会いにいって以来、写メールと電話の向こう側から聞こえてくるぐずり声で我慢しているという日々ですが、まだ父親の自覚すら芽生えない育児ゼロの状況でも、自分の中では非常に大きな変化がありました。それが今回の題でもある、子供から得た4つのことです。

まず1つ目は、「これまでの選択、出会い、過去そういったものをすべて肯定できたこと」。

息子を目の前にして、「あぁ、今までの自分はこの子に会うためにあったんだ」と当たり前のように感じました。思い込みだとかこじつけだと言われても、それは理屈じゃないんです。過去のあらゆるものが感謝の対象になりました。

2つ目は、「妻に対する尊敬の念、敵わないという気持ちが高まったこと」。

男が逆立ちしてもできない出産を体験し、それを成し遂げ、新しい命を生み出すこと、このことに対し改めて畏敬の念を抱きました。子供が愛おしければ愛おしいほどその気持ちも純粋なものになる気がしますし、その事実を前に「頭が上がらないな」というスタンスになります。

3つ目は、「両親、親戚を中心に喜びの輪が広がり、周りが明るく元気になること」。

「孫はとにかく可愛いもの」と聞いていたのである程度は想像つきましたが、特に両親の喜びようや前向きな言動を見るにつけ、結婚して子供ができて本当に良かったと再確認できました。わずか50㎝の赤ん坊がこんなにも大きな喜びを呼び込んでくれるのかと感動するとともに、ひとつの親孝行にもなっていることが非常に嬉しいです。

そして4つ目、これが最も大きな発見でした。「子供は未来であり、希望であるということ」。

抽象的ではあるものの、こう直感したときの晴れやかな気分というか、肩こりがすっと消えるような感じは感慨深いものがありました。若いうちはどうしても、自分の夢や目標を見つけそれに向かっていくことを最優先にしますが、子供という存在そのものがひとつの未来であり希望であると感じた瞬間、目の前で靄がかっていた灰色の景色が抜けるような青空に変わったように思えました。自分がどうなるのか、何を成し遂げるのかということも、そこに含まれるようになるということなのだと思います。

当然、家族を養い生きていくことは簡単ではありませんし、このように書いていても挫けそうになることもあるでしょう。ただそれでも、少なくともこの先どうしていけばいいかわからない、ということはなくなりました。未来や希望とは、本来そういう種類のものです。

以上、これが子供から得た4つのことです。

ちなみに、先日母親にこんなことを感じたと話をしていたら、最後に「そうね。それで親への感謝の気持ちは高まらなかったの?」と言われました。「そう言われれば、それもあるね」「まったく」といういつものやり取り。母ちゃん、悪いね。子供ってのはついつい親への感謝を忘れるものだから。きっと息子も、同じようなことを言うんだろうな。俺の息子だもの。
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