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Author:青木勇気
小説を出していたり絵本も書きたかったりします。物書きと呼ぶにはおこがましいくらいのものですが、物語を書いて生きていけたら幸せだなと思っています。

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クラウドファンディングで資金調達する方法まとめ

2014.11.29 16:04|雑記
未だ発展途上のビジネスという感は否めないものの、日本においても着実に浸透しつつあるクラウドファンディング。特に「購入型」のサービスに参入する事業者は多く、少しずつ市場規模が拡大し競争も生まれている。

しかし、競争し合っているとはいっても、メニューは限られていてパッと見の印象ではどれも似通っている。しかも、大抵の人は支援者としてサイトを利用するため、基本的にはこのサイト、というよりはこのプロジェクト、という感覚で気になったもの、共感できるものを見つけて利用することになる。支援者からすると、多彩なプロジェクトとある程度の利便性があれば良く、このサイトでなければならない、という感覚は薄いと言えるだろう。

サービスのキモは間違いなく「プロジェクト」の質と量だが、各サービスはどのようにして差別化を図っているのだろうか。その他に、どんな魅力、メリットを生み出しているのだろうか。叶えたい夢や世の中に広めたい商品やサービスはある、でもその実現方法や必要な資金の確保、実現後の運用など、自分一人でやるのは難しい、そんな人たちをどのようにサポートしているのだろうかーー。

そこで今回は、このような疑問に答える形で、クラウドファンディングを用いて資金調達するにあたって知っておきたい、プロジェクトオーナー向けのまとめ記事を書こうと思う。以下、国内の代表的な購買型クラウドファンディングサイトのプロジェクトオーナー向けサービスを比較していく。※2014年11月26日現在のPC版サービスに準拠

■主要サービスのオーナー向けページ比較

すで知っているサイトも多いと思うが、それぞれ強みや打ち出し方にも特徴があって非常に興味深いので、気になるものがあればぜひ利用してみてほしい。なお、2014年4月末時点での累計支援額が多い順に並べている。

・READYFOR?
サイト上部の目立つ位置にる「プロジェクトを始める」をクリックすると、「あなたの活動を応援したい」というシンプルなメッセージからはじまり、成功したプロジェクトとオーナーを紹介するコーナーがあり、プロジェクト立ち上げまでの6つのステップがコンパクトにまとめられている。

この時点で準備ができている人は、フォームもしくはFAXにて応募する流れになっていて、あわせて媒体資料をダウンロードすることもできる。

また、これまでの実績から、「NPO向けのページ」および、「図書館向けのページ」が用意されているのも特徴的だ。

・CAMPFIRE
サービスロゴのすぐ隣にある「プロジェクトを始める」をクリックすると、画面中央部に「プロジェクトを投稿する」というボタンがあり、さらにこれをクリックすると会員登録を促される作りになっている。

一旦こちらは飛ばしてスクロールすると、「プロジェクト投稿からSUCCESSまでの7つのステップ」というコーナーでサービスの全体像が簡潔にまとめられている。審査や掲載開始までにかかる期間の目安や、募集期間、手数料などがわかりやすく記されている点が良心的と言える。

また、ページ最下部にある「プロジェクトの作り方」 には、非常に質の高いマニュアルが用意されており、これを読み込むことで誰もがプロジェクトを立ち上げることができるようになっている。

・Motion Gallery
ページ上部にある「プロジェクトを投稿」をクリックすると、世界最大級の海外サイトと連携していること、最安値の手数料であることなどが打ち出されている。そこからは、プロエジェクト立ち上げまでのステップではなく、Motion Galleryを利用する「7つの価値」が記されていて、ページ下部にはFAQも用意されているものの、サービスの魅力が前面に押し出されている印象だ。

特徴的なのは、「コンセプト・ファンディング」と「プロダクション・ファンディング」という独自の表現で2種類の資金調達方法があることを訴求している点で、プロジェクトオーナーにとって重要なポイントを押さえている。

・ShootingStar
ページ上部にある「プロジェクトを申請する」をクリックすると、ログインor新規会員登録を促されるが、Facebook、Twitter、楽天IDでログインできるので煩わしくはない。ログインすると、プロジェクトの申請の流れが簡単に説明されたページが表示されたのち、淀みなく申請フォームに行かせる作りになっている。

この申請フォーム兼マニュアルが優れていて、プロジェクト立ち上げまでの6つのステップがわかりやすいだけでなく、必要項目を埋めていくとプロジェクトページのプレビューが見られるため、非常にイメージしやすい。別途プロジェクトオーナー向けアドバイスもあり、親切な印象を与える。

また、有料ではあるが、紹介動画の編集をプロに委託することができるなど、オプションサービスも用意されているのもポイントだ。

・GREEN FUNDING
サイト上部にある「プロジェクトを投稿する」をクリックすると、ざっくりとした応募フォームに飛ぶ。ただ、これは説明不足で親切ではないということではなく、「プロジェクト起案のご相談」と書いてあるように、まずは相談してください、サポートさせていただきますというメッセージなのだと思われる。

実際に利用したわけではないためどのようなサポートが受けられるかはわからないが、GREEN FUNDINGは法人向けにクラウドファンディングビジネスのコンサルやASPシステムの導入、企画運営のサポートなど幅広くソリューションを提供しているため、様々なニーズに応えられることは間違いないだろう。

・Makuake
サイト上部の「プロジェクトを始める」 をクリックすると、「Makuakeスタッフに相談する」「具体的にプロジェクトが決まっている方」という二つの入り口が用意されている。前者は必要最低限の内容を記入して相談できるフォームで、後者はログイン(Amaba、Facebook、Twitter)か新規会員登録をしたのち、エントリーシート記入ページに遷移する。

エントリーシートの項目はロジカルに設定されており、必要な情報を余すことなく回収することでミスマッチやミスコミュニケーションが起きないように工夫されている。また、一時保存機能があるため、じっくり考えながら作成することができて便利である。成功の秘訣が詰まった公式ブログも用意されているので、あわせて使ってみると良いだろう。

もうひとつ、サービスの強みが前面に打ち出されていることも特徴的だ。独立系のサイトが多い中、サイバーエージェントグループであること、つまりは、Amebaとの連携による圧倒的なメディア力とスマフォファーストの開発力を武器に、競争優位性をアピールしている。

・COUNTDOWN
タブメニューの「いどむ(チャレンジする)」をクリックすると、「チャレンジ」という表現で、全体の流れがざっくりと示されている。スクロールすると申請フォームへのリンクがあり、ログインを促される。Facebook、Twitter、Linkedinでログインできるが、メール認証があり、他サイトと比較すると1ステップ多い。

お問い合わせフォームやFAQは用意されているものの、申請フォーマットが平板で、プロジェクトページの仕上がりなどをイメージしにくいのが難点だ。

一方、特筆すべき点としては、「きく(助っ人にそうだん)」コーナーが挙げられる。「海外在住経験が長く、現地の事情に通じている」「専門分野を活かして、現地でビジネスを行っている」エキスパートに相談でき、場合によってはプロジェクトのキュレーター的に参加してくれることもあるとのことだ。

・FAAVO
ページ上部の「プロジェクトを掲載する」をクリックすると、「“地域を盛り上げるプロジェクト”に特化したクラウドファンディングサービス」というFAAVOの特徴をつかめないまま応募フォームに飛んでしまうため、まずは「FAVVOとは?」と「プロジェクト起案者(プレイヤー)向けFAQ」を読み込む必要がある。

いずれにせよ、「地元を盛り上げたい出身地」と「地元を支援したい出身者」にターゲットを絞ったサービスなので、地域活性化プロジェクトなど実現したいことと関連しそうなときのみ利用を検討してもらえればと思う。

・kibidango
タブメニューの「はじめての方」からプルダウンで「プロジェクトを開催しようとお考えの方」を選択すると、「全人類桃太郎化プロジェクト」という文字が飛び込んできて面食らうことになるため、先に「kibidango(きびだんご)とは?」を読んでから来るのが正解と言える。

「なぜ、きびだんご? 桃太郎?」という疑問がクリアになり、興味がわくように工夫されたストーリー仕立ての概要ページは秀逸なので、気になる方はぜひ読んでみてほしい。

また、プロジェクトオーナーを「アイデアと実現スキルを有するプロフェッショナル(またはそれに準ずる人)」と定義し、「単なる物販ではない、新しい買い物体験を提供するサービス」を目指すと言っていることから、個人の夢や目標を叶えるというよりは、持続可能なスキーム作りの手助けに注力するという点に特徴があることがわかる。

・WESYM
サイト上部の「プロジェクトを立ち上げる」をクリックすると、はじめに「日本で唯一、各種ポイントでも応援ができる」というPRポイントが訴求され、さらにWESYMを選ぶ6つの理由が明示される。まずここで利用意欲を喚起し、投稿フォームと立ち上げまでのフローに誘導する形になっているのが特徴的だ。プロジェクトの申請時にログインを促されるが、Facebook、Twitter、GoogleID、Yahoo!ID、楽天IDと選択肢が多い。

WESYMはまだメガヒットは少ないものの、独自の世界観とビジネス構想を元にサイトを構築しており、非常にポテンシャルが高い。クレジットカードを持っていない人、クレジット決済に抵抗がある人でも、Tポイント、楽天スーパーポイントなどで支援できる仕組み、各ジャンルで強みを持ったパートナーにOEM展開して間口を広げる集客法、多言語展開など、サービス内容に期待感が持てる。


以上が主要10サイトの比較となる。他にもいろいろあるが、まずは上記で気になったサイトに登録して使用感を確かめてみたり、プロジェクトの立ち上げにあたっての疑問を投げかけてみてはいかがだろうか。

ちなみに、筆者があえてひとつおすすめを選ぶとしたら、「Makuake」を推薦したい。もちろん、どんなプロジェクトを立ち上げるか、どれだけの資金が必要になるかなど状況によるし、サイトごとに得意分野もコンセプトも違うが、総合的に見ると「Makuake」が一歩リードしていると言える。

実際のところ、調達額が1,000万円以上のプロジェクトの比率が高く、クラウドファンディング業界では後発ながら成長スピードが早い。先に述べた通り、サイバーエージェントグループの強みを生かしつつ、サービス改善、事業拡大を図れることは、オーナーからすると何よりも心強く感じられるはずだ。

■「Kickstarter」でもプロジェクトを立ち上げることができる!

最後に、米国大手クラウドファンディングサービス「Kickstarter」におけるプロジェクトの立ち上げについても触れておこう。日本からKickstarterで支援できることは前回の記事でも触れたが、もちろんプロジェクトを立ち上げることもできる。

ただ、当然ながらプロジェクトの立ち上げは全て英語で行う必要がある。しかも、語学力があれば良いというものではなく、現地住所や現地口座、state issued ID(身分証明書)などが必要で、個人として日本から参加するには非常に障壁が高い。

「いやいや、それって日本からは立ち上げられないも同然じゃないの?」

そうツッコミを入れたくなる方もいるかもしれないが、そうでもない。なぜなら、Kickstarterのプロジェクト立上げ支援サービスを提供している会社があるからだ。

例えば、AWESOME JAPANは、個人法人問わず、立ち上げから翻訳・投稿代行、支援者とのやりとりなどトータルでサポートしてくれるという。AWESOME JAPAN社の実績は公式サイト等にて確認できるが、アニメーション作品で1,000万円ほど調達したプロジェクトもある。いずれにせよ、日本のコンテンツを海外で展開したいなど、欧米圏でこそ成功しそうなプロジェクト案がある方は、チャレンジする価値はあると言えるだろう。

いかがだっただろうか。当記事が、クラウドファンディングを用いてプロジェクトを立ち上げ、成功に導きたいと願う方々の一助となればと思う。

「FUTURUS(フトゥールス)」の記事を転載しています