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独占禁止法の重要性:造船子会社合弁問題

何気なく見ると別の話と思える話が大変密接な関係をもつことがある。

鉄鋼大手JFEホールディングスと重機大手IHIが11月1日に国内で予定していた造船子会社同士の合併がまた延期になってしまい、事業再編に影響をあたえようとしている。

理由は中国での審査保留だ。日本での合弁に中国がというと異様に聞こえるが、一定規模以上(注)の企業での合弁には中国でも独禁法の認可が必要で、それがないと中国での事業が存続してゆくことができない。これまで、米国企業などでも一部政治問題化したこともある。尖閣問題以降月数件の認可だったものが全くないようだ。
(注)グループ会社での売上を合計して、中国国内での売上が260億円を越える場合

日本では、独占禁止法は特殊な法領域であると理解され、比較的産業界からは軽視(直接の縁がない?)とされることも少なくないが、欧米企業ではひごろから注視し、トップクラスの弁護士団を抱え、ぬかりなく解決にあたる。なぜなら、会社経営を左右することが少なくないからである。 

日本では、政治の混乱のなか、独禁法の委員長の空白も1ヶ月をこえ、委員5人のうち3人体制の片肺飛行がつづく。国にとり大事な体制がこんな状態でいいのだろうか。

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東京大学政策ビジョンセンター客員研究員。国際知的財産戦略研究。ライセンシング戦略。パテントプール。標準化戦略。中国・韓国知財動向研究。日本知財学会会員。

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