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法治国家

 少し固いお話ですみません。
人々の安心して発展してゆける基盤となるのは「法治国家」law-abiding countryであることです。いうまでもなく、約束された当然の「法」を互いに尊重しあって順守することです。たとえば私たちの業界の当然のルールである知的財産であっても、「法治国家」でなければ特段に保護する必要はありません。

 今日(10月24日)の読売新聞1面「地球を読む-日本は国益を守る決意を示せ」にリチャードアーミテージ元米国国務副長官の記事がでており、、日本が公明正大な「法治国家」である以上、船長は裁かれるべきであったとの記事を詳しく書かれていました。この記事を読みながら思いますのは、「法治国家」の概念を自分のものとして咀嚼するには大変努力がいることと、日本の場合、この点が安易ではないかと危惧しています。モラルハザードがひろまることはとても危険なことです。これは日本の常識、世界の非常識の一例かもしれません。

 前原外相は22日の記者会見で「戦略的互恵関係を築くという大局に立って日中関係改善の努力をしたい」と発言し、それを中国外務省は評価するとの談話を発表していますが、戦略的互恵関係のためであれば法治国家という基本を横に置いてもいいというロジックの怖さが見えます。

中国新幹線(和諧號) 光と影

ある厳然たる事実。知財とはいかに容易に伝搬するかという事実をご紹介。

かって川崎重工は中国に新幹線の技術供与契約で、新幹線車両を60本契約した。各国メーカーとの競争のなか、ひときわ熱心に中国への技術移転を行った。
 -3本は日本で製造され、­完全な形で中国に引渡し(まず見本)
 -6本は組み立ては中国側とし、部品の状態で中国側­に引渡し
 -残りの51本は中国の四方機車車輛股份有限公司がライセンス製造
 最初の車両は2006年3月に中国に引き­渡された。
参考記事で中国語ですが、<リンク切れです。すみません>

その間、中国は川崎重工のみならず、独ジーメンス、カナダ・ボンバルディア、仏アルストムの高速鉄道技術を消化 “digested” しつくし、2010年9月29日新華社通信(新華社報道)は世界最速度記録を報じると同時に「40年間かかる高速鉄道網の開発をわずか5年で成し遂げた」と報道した。中国はいまや世界最長の高速鉄道網の保有国。
先日2010年9月に訪中した米国カリフォルニア州知事アーノルドシュワルツネッガー氏も中国の高速鉄道を絶賛し、米国への中国和諧号輸出への関心をしめした。いまや、中国の新幹線は世界市場で、日米欧を抑え、カリフォルニアから、ロシア、ブラジル、ミャンマーにいたるまで高速鉄道網で一気に受注を増やそうとしている。その受注には中国政府の開発資金援助も伴われるほか、中国国内でも70%国産部品ルールで参入が思うにまかせない。中国への技術供与が生む強敵誕生の典型シナリオが見られる。

英国ファイナンシャルタイムズの記事 Jamil.Anderlini, Mure Dickie, 2010 Sep.23を日経ビジネス2010年10月11日号は翻訳掲載している。ご参照ください。ファイナンシャルタイムズ記事
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Author:toshifutamata
東京大学政策ビジョンセンター客員研究員。国際知的財産戦略研究。ライセンシング戦略。パテントプール。標準化戦略。中国・韓国知財動向研究。日本知財学会会員。

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