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米国で加熱するスマートフォン知財係争

 よくまとまった記事がありましたのでご紹介します。

 4月26日Bloonberg Businessweekの記事によれば、スマートフォンは昨年今年と3割ちかくの市場拡大が続くなか、Bloomberg Businessweek 知財係争が激化し始めていると報じています。Eben Moglenコロンビア大教授は(第一次大戦開始直前の軍拡競争が超加熱した)「フランスの1914年の景色のようだ」と評しています。

 今年ノキアはアップルをウイスコンシン地裁で訴え(5月7日)、アップルはHTCをITCで訴え(3月)、HTCもマイクロソフトからアンドロイド端末のためライセンスをうけ(4月27日)、HPの1100億円のPALM買収劇にも知財が大きな役割を果たしたそうです。 いまは米国の動きですが、日本、韓国、台湾、中国に今後大きな影響を与えることでしょう。

 スマートフォンをめぐる訴訟はほかにもあります。テキサス東地裁では、今年3月31日にHTC、ブラックベリーのRIM、そしてアップルを相手のMobileMedia Ideas社(MMI)社の訴訟もあります。奥が深そうです。
この件については後日ふれます。MMI社プレス記事

日中知財摩擦

 日中知財摩擦といっても、おなじみの中国メーカーによる模倣品のお話ではありません。中国メーカーが日本メーカーに対して、日本メーカーが知財権を侵害しているとして訴えを起こす話です。私自身そのケースは5年以上先の話かと思っていたのですが、実際にはもっと早く現実に起こっているようです。やはり中国メーカーの知財への関心の高さと、その実力が急速に高まっていることを示しています。

 4月19日号日経エレクトロニクスに興味深い記事がありましたので紹介をします。 日経エレクトロニクス 「高まる知財の中国リスク。旧態依然の戦略は通用しない」(日高東亜国際特許事務所所長 日高賢治)。2001年から2004年まで北京のJETROで知的財産権室長をなさったということで、実によく事例をご存じです。日本の材料メーカーの特許が中国の大学教授の論文が先行技術文献となり、新規性喪失したお話。ある日本企業に嘱託として中国人研究者が3年後同社を退職し、帰国しその基礎研究をもとに特許出願し、同社は特許を取得できなかった話。日本の出願特許数は38万件で、そのうち30万件は特許にならなかったり、国際出願されないが、これこそ無償で使える「宝の山」で、中国、韓国、台湾から1日にアクセスが数万から数十万件の及ぶお話。そして結論として、「経営者も技術の現場も、無防備に特許を大量に出願する”ダダ漏れ”の状況を見直す必要がある」と結ばれています。

 そんな中で別の訴訟も起こっています。中国メーカー北京華旗資訊数碼科技、ブランドは愛国者(AIGO)がUSBインターフェース特許CNでまず東芝、HPを訴え、さらにソニー、サムスンを特許権侵害で損害賠償を求めています。日経新聞記事 同社は日本ではしられていませんが、中国では有名ブランドでF1チームマクラーレンもスポンサーしており、います。デジカメ、MP3プレーヤなど販売しています。AIGOのホームページ
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toshifutamata

Author:toshifutamata
東京大学政策ビジョンセンター客員研究員。国際知的財産戦略研究。ライセンシング戦略。パテントプール。標準化戦略。中国・韓国知財動向研究。日本知財学会会員。

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