涼宮ハルヒの憂鬱2009(新アニメーション)第20話「涼宮ハルヒの溜息I」感想
「何かがおかしい」から始まるエンドレスエイトも終わり、新展開。
- 溜息……原作通り。順当
- 体育祭……漫画版
- ハルヒ劇場……未収録
- ミクル伝説……1期1話
- 消失……溜息を飛ばす
あたりを予想していて、体育祭のシーンから始まった時は「体育祭で1話か!」…と思ったりしたけど、別にそんな事はなく、原作の溜息序盤にあった体育祭シーンを大幅に拡張したもの。つまり、順当に涼宮ハルヒの溜息。
クラブ対抗リレーで圧勝したSOS団
そういや、SOS団には制服がないですね。ハルヒ的には1度ぐらい思いついてもよさそうだけど。あ、それがこれか。
…やっぱり、2009年にもなると、女子のブルマと旧スクール水着は違和感あるなぁ。といっても、アニメから少しずつ消え始めたのはごく最近なので、仕方ないか。
で、今回、ハルヒが「すごい映画を作る!」と思い立った末に出来上がったのが、1期1話の、「朝比奈ミクルの冒険」だったわけで…。溜息はあの映画のメイキングを、具体的にやっていく事になります。
(※個人的な話ですが、消失したデータの復旧作業のためにメインPCがこの1週間ほとんど使えず、作業効率が大幅に落ちてます。「ちょっとした理由でアニメを見なくなったり更新しなくなったり」という自分のいつもの脱落パターンだけど、ハルヒとまにまにはよほどの事がない限り最後までレビューを続ける予定)
原作者が脚本
今回の脚本は、原作者の谷川流さん。
といっても、大幅追加は序盤の体育祭ぐらい。後は長門の台詞がわずかに追加、細かい台詞の相当数がカット、などですが。
この「涼宮ハルヒの溜息」は以前少し触れましたが、内容的にやや微妙で、谷川さんがキャラ付けや作品全体の方向性をまだつかみきってなかったのかなー…と勝手に考えたりしています。
しかし、今後につながっていきそうな伏線もまかれているため、完全に削ると物語の連続性がなくなる。
とある魔術の禁書目録も2巻の評価が微妙で、アンケートがえらいことになったのか、以下のような改変がありました。
- コミカライズで2巻が飛ばされた。よって、まがりなりにもヒロインの一人であるはずの姫神秋沙が、漫画版本編には登場しなかった
- アニメ化にあたり、原作者が改変案を提示した(でも監督の判断で、結局原作準拠に)
…とするとハルヒも、今回の導入部分はともかく、展開が変わる可能性は十分ありえます。ラノベでは「過去の出版分を大幅に書き換えよう」というのは非常にやりづらいけど、アニメでの改変はごく普通にあるし。
いや、自分は原作を書き換えてもいいとは思うんだけど、現状「単行本収録にあたって加筆修正」はあっても、「後で書き換え」はほとんどないですね…。
進行が思ったよりゆっくり
今回のアニメ化部分は原作の14ページ~55ページ。途中でいきなり終わってます。台詞は相当切り詰め・改変されてるけど、ゆっくりめのペース。
全275ページ、今回とは時期が違う序盤の10数ページとイラストページを除くとしても……アニメは全4~5話ってところかな? というか、正確に1/5になってるのは偶然か意図的なのか。
ここまで来たらもうわかるけど、「新アニメーション」全28話で涼宮ハルヒの消失をアニメ化する可能性は、なくなってます。いや、しない方がいいか。
個人的には、「ヒトメボレLOVER」や「雪山症候群」も好みの話だけど、ファンの期待値が一番高いのは消失であろうわけで、駆け足でアニメ化するよりは次にまわす方がいい。
絵がけいおん風
多くの方が気づいたと思うけど、今回のハルヒはけいおん!風。けいおんの作画監督だった山田尚子さんが絵コンテと演出です。
けいおんとは全然違うはずだけど、絵から受ける印象が似てる。
2期でリファインされた絵がこれ、というより、今回だけの特徴かな? 「京アニは絵が崩れない」というイメージがあるけど、ハルヒ1期とか回によって相当違ったんですよね…。
自分的には、今回の絵は1期の「射手座の日」に近いレベルで好感度高いけど、「ちょっと違和感がある」と思った人も多いようで。難しいなぁ。
ハルヒといれば、何か面白そうな事が起きる
ネットで「ハルヒはいくらでもオリジナルエピソードが作れる」みたいな話を見た事があったけど、実際作ろうと思えば十分作れます。
- ハルヒが何か新しい事を持ち込んでくる
- やるべき事の大枠は、ハルヒが決めてくれる
- キョンはぶつぶつ文句言いつつも、普通に学校生活を送っていたらまずないようなイベントをいろいろ経験出来る
そう考えると、キョンも文句言ってるだけで本心では楽しんでるんだろうなー…と思う。
本編
キョンの独り言っぽい会話が、原作にかなり近くなってる。
つまり、本当に独り言なのか、声に出しているのかが、他のキャラの受け答えを見ないとはっきりわからない部分があちこちに。
文化祭準備のシーンでは、コンピ研やENOZが出てますね。
SOS団は映画の上映会を行う事に
ハルヒの表情がいつも以上に豊かだなぁ。
「テレビで見た映画がつまらなくて、もっと面白いものを作ろうと思い立ったから」といういつものハルヒらしい理由で、映画撮影をとり行う事に。
エンドレスエイトで手に入れたカエルの着ぐるみがあったり、「3回に1回ぐらいの割合でお茶をこぼす」ネタがあったり(1期EDの映像)、1期序盤を思い起こさせるなぁ。BGMも1期のものが使われてる。
キョンが平静だと画面は普通で、動揺するとゆらゆら揺れる。今回は特にそれが多かったような。
「最後の方で人が死ぬのは大嫌い」ってのは……まあ、ハルヒの言いたい事はわかりますね。思い入れのあるキャラが死ぬと感動しやすいんで、どーしても終盤はメインキャラの人死にが多くなる。
翌日、配役をハルヒが全部決めてきた。
ハルヒ「映画作りに必要なものは何か、わかってる?」
キョン「…斬新な発想と、製作にかけるひたむきな情熱じゃないかな」
ハルヒ「カメラに決まってるじゃないの。機材もなしにどうやって撮るのよ」
機材の調達に向かう事に
「朝比奈ミクルの冒険」のあらすじでわかるとおり、キョンがあの中に登場するのはハルヒ的にはちょっと困るわけです。なので、キョンは一切登場せず雑用係に。
原作とほぼ同じだと逆にわずかな修正箇所が自分みたいな素人目にもはっきりわかるので、そこらへんも面白みになりますね。キョンの抽象論にハルヒがダメだしをする箇所は、原作とは台詞の順序が逆。確かに、アニメの方がメリハリが利いてる。
文芸部の予算を使い込む事についても、長門が声を出して肯定したし。
祝川商店街で、みくるを紹介しつつビデオカメラと武器を調達
古泉と長門をおいて、3人で商店街へ。電車の終点は、どう見ても阪急甲陽線の夙川駅。
文化祭のパンフレットに近所の商店街の広告を取ってくるってのは普通にやってましたが、ここでカメラを調達ってのはさすがにハルヒだなぁ。
実のところ、ハルヒは古泉の言うとおり案外常識的判断が出来るキャラで、コンピ研とかSOS団メンバーにはひどい事をする一方、商店街の人とかとは普通に仲良く出来てます。
で、まぁ今後の話になるのであまり細かくは書かないけど、ハルヒは、ある意味非常に頼れるし大物なんですよね。
キョンのクラスは「アンケート発表」なんて面白くもない企画で、一生に一度の高校1年の文化祭を済ませようとしてる。
一方で、ハルヒは駆けずり回り、カメラやモデルガンをタダで手に入れ、映画撮影を続けて、最終的にあの「朝比奈ミクルの冒険」を完成させたわけで。あれを「ひでー映画だな」と笑うのは簡単だし実際ひどい内容なんだけど…そうじゃなくて。
このサイトでこう言うのも自己否定のようだけど、
何もしなくて文句だけ言うよりは、しょぼくてもゴミみたいでも何かを作ろうとする方がマシ、という風に思ってます。
次回
よほどの事がない限り、涼宮ハルヒの溜息IIでしょう。映画制作に入っていって…。
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