2015/10/24
将監小屋のご主人を偲んで唐松尾山と西御殿岩へ
将監小屋のおやじさんが亡くなってしまったという。西御殿岩とか、和名倉山へ出掛けたついでに将監小屋へ立ち寄ってみれば小屋の片隅で黙々と手作業していたのが田辺さんだった。無愛想で口数は少なく、頑固者というのが第一印象だったが、声を掛けてみれば笑顔でいろいろな事を教えてくれた方だった。特に親しくしていた訳でもないが、やはり、あの場所へ行けば話しができるというだけで、将監小屋へ立ち寄っていた。この先、将監小屋を訪ねてもあの物静かなおやじさんがいないと思うと、どことなく寂しい。そんな事で今日は亡くなってしまったご主人を偲んで将監小屋で手を合わせることにした。
10月11日に行方不明となり、発見されたのが14日だったという。
キノコ狩りで山に入り、滑落してしまったようだ。
去年は将監小屋をベースに二泊三日のテント泊で奥秩父の山を楽しんだ思い出がある。
その時、朝八時に小屋へ着けば
『早いじゃね~か』と笑顔で迎えてくれたのが印象的だった。
将監小屋は水が豊富で、トイレもバイオに改築されたばかりだった。
そんな身近な将監小屋は物音もしない静かな山小屋になってしまった。
小屋の中へ入ると、綺麗に掃除されていた。
玄関の下駄箱の上に飾られた花が何か物寂しげにしている。
缶ビールを供え、静かに手を合わせ別れを惜しむ。
将監峠で一息ついたが
この山域に入ると何故か心が落ち着く。
山ノ神土ではこれから和名倉山を往復するとう男女に行き会った。
こんな遅い時間に?、と思って何時ですかと時間を訪ねると
9時25分ですという。
そして、6時間で往復できますから大丈夫ですと言いながら右へ折れた。
山ノ神土から直接唐松尾山へ向かうが
道中、10月11日に初冠雪したという富士山を眺めながらだった。
唐松尾山の山頂から数分で展望の良い岩場へ到着だ。
ここからは西御殿岩から眺望できない奥秩父の山々が見渡せる。
雁坂に甲武信に国師、それに南八ヶ岳の赤岳も顔を覗かせていた。
西御殿岩へは稜線を直進したが
入口には赤テープの目印がちゃんとあった。
踏み跡は明瞭だが、いささか石楠花の小枝に阻まれる場所もある。
ショートカットして西御殿岩に立ち、久し振りの展望に見入った。
はやり、ここの展望は和名倉山の山容が素晴らしい。
山頂までの変化ある稜線が見渡せる。
西御殿岩の頂ではおにぎりを食べ、温かいカップヌードルを頂き
コーヒーを味わいながら奥秩父の山々を親しんだ。
まだ下山するには早いが、翌日は用事が立て込んでいるので
早々に下山する。
下山は直接、牛王院下へ下った。
山頂付近では既に冬支度となっているが
山麓ではカラマツの黄葉も色濃くなり、落葉が雪のように降り注いでいた。
紅葉の見頃は標高1,600m辺りだろうか
下山の足が前へ進まない。
季節もしだいに里へ下りているのが良くわかる。
そして、下山時は和名倉山へ挑戦したが、今日も駄目だったという単独の方に出会った。
年齢的には古希を迎えたと思えるような年齢の方だと感じる。
それも今回が4度目で、まだ一度も山頂を踏んでいない様子だ。
二瀬尾根を3回挑戦したが、駄目で、今日は山梨県側から6時に出発して挑戦してみたという。
今年はもう一度、11月の三連休に再挑戦したいと意気込んでいた。
何度も何度も諦めないその生き方
自分もそう有りたいと願うばかりだ。
三ノ瀬へ下山して、民宿のおばちゃんにお茶を御馳走になったが
話し込んでしまったので、早目の下山もご破算になってしまった。
しかし、亡くなってしまった将監小屋のご主人の話しを聞き、今日は手を合わせる為に来て良かったと思う。
コメント
光が明るいだけに沁みこみます
しっとりとした色合い、空気、ひかりがきれいだなと感じいっています。
でも今回は光が明るい分、より気持ちに沁みこむせいか重いものが伝わってきました。
Re: f,isisanさんへ