たんたんたぬき

maneki-neko-amazon.jpg 井上章一「妄想かもしれない日本の歴史」に、
「たんたんたぬき……」を、さかのぼる』という節がある。
いうまでもなく、あの歌についてである。

著者は、狸の話に入る前に、招き猫がヨーロッパに受け入れられているということを指摘する。
そして、猫の像が崇拝されるということは、偶像崇拝で、かつてのヨーロッパでは考えられなかったのではないか、キリスト教の統制力が弱くなっているのではないか、というような分析をひとしきり講釈する。

そして、招き猫がこうして受け入れられているの対し、なぜあの狸の置物は受け入れられないのかと問題提起を行う。

shigaraki-tanuki-dai.jpg しかるのち、著者の幅広い外国人との交流の中でも、あれはないだろうという話になる。
世界でキンタマをこんな形で笑いのネタにしているところはないだろうという。
ということで、猫が良くて狸がダメな理由を発見して、ひとまず落ち着く。

というか狸って極東特産の動物で、ヨーロッパ人にはなじみがないのでは。
ちなみに、タヌキの分類上の位置は、哺乳綱ネコ目イヌ科タヌキ属。ネコとそう遠い関係ではない。

それと、どうも近頃、信楽の狸が、妙にかわいらしくなっているように思う。ネットで適当な画像を探していたのだけれど、デフォルメ狸という雰囲気のものが多い。昔はもっとおじさんっぽかったように記憶しているのだが。


そして話はあの歌のことになる。
著者の指摘で思わずなるほどと思ったのは、この歌は学校で教えられるものではないし、メディアで流されるものでもない、子供から子供へ口伝えに伝承されてきたはず、それにもかかわらず全国に広く、ほぼ同じ歌詞で歌い継がれているという事実。

なるほどと思いながら、良く考えてみると、わらべうたというのは、そういう成立のものが多いのではないだろうか。ただ、下品じゃないものはレコードになったり、メディアでとりあげられる機会もあるというだけで。


著者があげている歌詞は、

たんたんたぬきのきんたま
かぜにふかれてぶらぶら
それをみていた○○○
ふんどしかかえておおわらい

というものだけれど、著者が言うには、歌詞はバリエーションがあるが、だいたい全国共通だという。
実際、ネットで見つけた「たんたんたぬき」の歌詞。他にもネットを探すといろんな歌詞がある。

ちなみに、私が子供のころ覚えたのは、

たんたんたぬきのどきんたま
電車にひかれてぺっしゃんこ
それを見ていた女の子
せんべえと間違えて食べちゃった

というもの。

また、本書でも書かれているように、この歌は讃美歌の替え歌である。

Shall We Gather at the River(YouTube)

そういえば「おたまじゃくしはカエルの子」も「リパブリック讃歌」の替え歌だ。
いろんなところで讃美歌が替え歌になっているのかもしれない。

ところで、「たんたんたぬき」に良く似たメロディを聞いたことがある。
フランツ・クサヴァー・モーツァルト作曲 ピアノ四重奏曲の第三楽章のテーマである。

Xaver_Piano quartet mov3



関連記事

コメントの投稿

非公開コメント

謨ー縺域ュ鯉シ医ヲ繝輔Α繝ィ?仮

縲?竕ェ窶ヲ縺溘s縺溘s縺溘〓縺阪?縺阪s縺溘∪窶ヲ竕ォ縺ョ譖ソ縺域ュ後〒縲∵焚縺ョ險?闡峨ヲ繝輔Α繝ィ??234?峨?縲先曹蜿紋ク肴昏縲代↑?サ縺?■縺溘☆縺?■縺ッ?ス縺ォ繝サ繝サ繝サ
縲?
縲?縲?縲?縺?■縺溘☆縺?■縺ッ
縲?
縲?縺?■縺溘☆縺?■縺ッ縲?縺吶≧縺ョ縺溘∪
縲?縺九◇縺医↑縺??縺ォ縲?縺カ繝シ繧峨?繧
縲?縺昴l繧偵∩縺ヲ縺?◆縲?蟄舌□縺ャ縺阪b
縲?隕ェ縺ョ縺セ縺ュ縺励※縲?縲?縺カ繝シ繧峨?繧
縲?縺昴l繧定ヲ九※縺?◆縲?隕ェ縺?縺ャ縺
縲?縺翫↑縺九r謚ア縺医??縲?縲?繝ッ繝?ヤ繝?ヤ


プロフィール

六二郎。六二郎。

ついに完全退職
貧乏年金生活です
検索フォーム

 記事一覧

Gallery
記事リスト
最新の記事
最新コメント
カテゴリ
タグ

飲食 書評 ITガジェット マイナンバー アルキビアデス Audio/Visual 

リンク
アーカイブ
現在の閲覧者数
聞いたもん