IDF:特許・情報フェアでのデジタル・フォレンジック
法務・監査の方面と技術の方面の両方から、分科会を提供し、立体的にデジタル・フォレンジックの存在理由を説明しているのだが、様々な立場から様々な話題を出しているので、聴衆側としては全部を聞いていると少々消化不良になりそうだ。
もっとも、選択肢が多様な中で、参加者各人の興味関心に合致したところを摂取する可能性が開かれていれば、それで良しとすべきかもしれない。
セッションが長時間に及ぶので、固いパイプ椅子にずっと座っているとかなりおしりが痛くなるのだが、たまには他会場を見回るなどして体をほぐすことができる。
会場は、IDFのセッションだけでなく、多数の特許関係・情報関係の企業がブースを出して製品説明を繰り広げている。特許申請資料のデジタル化を請け負うという企業も、中国企業のようだが出展している。
このほか、Verisignのブースでは、ドメイン名の不法使用に対する対策サービスというのをやっているということで、説明を少し聞いてみた。(cf.デジタルブランドマネジメントサービス)
世界中でドメインの領域は数百種類もあり、例えばtoshibaという一つのドメイン名をすべて無断使用されないようにするには膨大なコストと手間がかかる。Verisign日本では、それを代行支援してくれるというのだが、およそ全部を防ぐのは困難ではないだろうか? 実際上記ページではドミニカ(.do)とかアンギラ(.ai)とかカメルーン(.cm)とかの登録情報が紹介されている。
また、無断使用を発見したとしても、ドメイン名紛争処理手続を備えている領域はまだしも、そのような手続を備えていないccドメインの領域などでは、裁判に依らざるを得なくなるが、そうした国では裁判制度の利用にも困難があるのではないか。
このような質問をしてみたところ、DRPがない領域では交渉により、無断使用を止めさせたりするそうである。
もう一つ、Verisignの人には言わなかったが、海外のドメイン名紛争で権利者に代わって交渉をすることは、弁護士にしかできない法律事務ではないかと思われる。Verisign日本が会社としてそのような作業をサービスするのは、しかも有償で行うのは、弁護士法との関係が微妙である。
逆にいうと、こういう局面でも弁護士の働ける場が残されているということである。
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