2010年04月27日 (火)
毎度のご訪問ありがとうございます!
先回の「日米報道リンチ」、たくさんの方が読んで下さったようで、感謝、多謝、深謝です!!!
これからも日本のメディアには報道されない話を紹介して行けたらと思います。
寉見教授には、先日、某誌で取材させて頂いたのですが、記事で紹介されたコメントはほんのわずかだったので、教授のいわんとすることが十分に伝わらなかったのではないかと思います。
なので、今日は、インタビューのテープ起こし版をご紹介!
これが、まんまの教授の声です。
本日はそのパート1。
宜しくお願い致します。
ニューヨーク市立大学経済学教授 寉見芳浩氏インタビュー by 飯塚真紀子
日本経済はこのままいけば停滞から低迷です。どこの国でもそうですが、経済成長を支えて来たのは、まずは人口の増加。そうすれば消費が増えるし、投資も増え、教育水準も高くなり、国民が夢を持つことができる。ちょうど、敗戦後の1970年代くらいまではその傾向はありました。しかし、ここ20年は「失われた20年」です。自民党が教育システム、金融システムを潰してしまいましたからね。日本の製造業の高品質高生産性もトヨタのことからわかるように、そのイメージがどんどん崩れています。
私はトヨタの章雄会長にも手紙を送って訴えました。トヨタは、戦後の“メイドインジャパン”が悪いというイメージを大きく変えて、日本製品は高品質だという神話を作りました。そのため、日本製品全般にいいイメージが波及した。トヨタは、日本製品の高品質性、高生産性、顧客重視という日本的ビジネスの良い面の象徴だった。それがおかしいと指摘され始め、日本を悪い印象にしてしまったのが今回のトヨタ問題なんです。海外から見たら、トヨタというのは日本の停滞、高品質停滞、社会破綻の悪しき象徴です。これまでは日本の製品はいい、ひいては、いい製品を作り出す日本社会やシステム、文化はいいという良い印象が長い間続いていたわけですが、それを潰したのがトヨタです。トヨタ問題は日本社会自体の停滞、衰退の象徴と見られています。
車自体はたくさん製造されているのだから、その内、数十台は問題のある車が出ます。しかし、トヨタの場合、出た時の対応の仕方が非常に官僚的だったのです。4年前から問題がわかっていたのに、全然手を打っていなかった。去年から問題化してきたけど、トップには全然伝わっていない。
企業が官僚化すると、外からの問題が起きた場合、それを受け止めた人間は、まず、たいしたことではないと否定をします。否定できない状態になると、次にやるのは、新聞報道を抑えたりなどいろいろ手を打って隠し出す。そして、隠しきれない状態になると、ちびちびと小出しに対応していくのです。これは何もトヨタに限ったことではなく、デトロイトもそうやって潰れたわけですから。トヨタは“潰れたデトロイト”になってしまったわけです。それがまた日本のイメージと重なるわけです。デトロイトはアメリカの製造業のチャンピオンでしたから。
しかも、日本は人口減少がある。移民もできないわけです。社会が受け入れない。人口減少とそれに伴う人口老齢化、その裏返しの少子化、労働力不足もあるけれど、それらは消費の冷え込みを誘います。すると、企業は非常に官僚化、膠着化し閉塞している状態になってくる。
日本の成長を支えて来たのは教育水準だったわけですが、これが今極端に低下している。例えば、国語力や数学力は世界でもトップクラスだったけれど、今では、14位、15位と急速に落ち込んでしまった。これが行き着く先は、低迷した閉塞的な社会です。今は日本全体が引きこもり症にかかっている状態ですが、それはますます悪化して行くでしょう。そうなってくると必ず、右傾化します。新しいことというのは、自信がないとできないからです。人は自信喪失をし始めると、私は一生懸命やっているのにどうしてこんなにおかしいのかと考え始める。そうすると、どこかに悪者がいるはずだと考え、悪者はたいていユダヤの陰謀だとかになってしまって、国粋化してしまう。これは日本に限ったことではありません。こういう状況になると、左か右かに極端にずれます。日本の場合もアメリカの場合も国粋化しています。アメリカの共和党連中がやっているのは似たようなことです。
国粋化し出すと、日本の場合は、第二次大戦の戦争責任を隠したままですから、周囲からはますます敬遠されます。アメリカは他国から嫌われても、自力で生きて行ける力はありますが、日本はおしまいですよ。米韓で、日本通り越しの自由貿易圏化だとか、今、日本抜きの話がどんどん進んでいるわけです。日本は政治、経済、軍事において完全に無視されている状態です。メーカーが元気だったから、経済だけはこれまでは何とかもっていたわけですが、トヨタ問題で、品質もあてにならないし、企業が官僚化していて顧客の面倒もみないということがわかりましたから、日本の製品を買う必要はないということになり、日本の輸出は落ち込んで行くでしょう。アメリカは韓国と自由貿易圏を提携するでしょう。今はその条約もできあがっていて、アメリカの批准を待っている状態です。
日本は、経済、政治、社会、教育などのすべての低下、製造業の高品質高生産性というイメージの崩壊のため“失われた20年”の状況ですが、このまま続けば“失われた30年”、“失われた40年”と続いて行くだけです。停滞とか横ばいなのではなく、衰退して行きます。
20年後には、中国や韓国には抜かれてしまうでしょう。一人当たりの国民所得では日本が高いですが、トータルの国民所得では中国に抜かれるのは時間の問題です。韓国は国が小さいのでトータルで日本を抜くことはないと思いますが、一人当たりの国民所得では、まだ元気な韓国が抜くでしょう。
PART2では、経済の衰退を回避するためにどうしたら良いのかを紹介して行けたらと思います。
~~~~~~~~~~
本日も、マイブログへのご訪問、ありがとうございました!
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本日はそのパート1。
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ニューヨーク市立大学経済学教授 寉見芳浩氏インタビュー by 飯塚真紀子
日本経済はこのままいけば停滞から低迷です。どこの国でもそうですが、経済成長を支えて来たのは、まずは人口の増加。そうすれば消費が増えるし、投資も増え、教育水準も高くなり、国民が夢を持つことができる。ちょうど、敗戦後の1970年代くらいまではその傾向はありました。しかし、ここ20年は「失われた20年」です。自民党が教育システム、金融システムを潰してしまいましたからね。日本の製造業の高品質高生産性もトヨタのことからわかるように、そのイメージがどんどん崩れています。
私はトヨタの章雄会長にも手紙を送って訴えました。トヨタは、戦後の“メイドインジャパン”が悪いというイメージを大きく変えて、日本製品は高品質だという神話を作りました。そのため、日本製品全般にいいイメージが波及した。トヨタは、日本製品の高品質性、高生産性、顧客重視という日本的ビジネスの良い面の象徴だった。それがおかしいと指摘され始め、日本を悪い印象にしてしまったのが今回のトヨタ問題なんです。海外から見たら、トヨタというのは日本の停滞、高品質停滞、社会破綻の悪しき象徴です。これまでは日本の製品はいい、ひいては、いい製品を作り出す日本社会やシステム、文化はいいという良い印象が長い間続いていたわけですが、それを潰したのがトヨタです。トヨタ問題は日本社会自体の停滞、衰退の象徴と見られています。
車自体はたくさん製造されているのだから、その内、数十台は問題のある車が出ます。しかし、トヨタの場合、出た時の対応の仕方が非常に官僚的だったのです。4年前から問題がわかっていたのに、全然手を打っていなかった。去年から問題化してきたけど、トップには全然伝わっていない。
企業が官僚化すると、外からの問題が起きた場合、それを受け止めた人間は、まず、たいしたことではないと否定をします。否定できない状態になると、次にやるのは、新聞報道を抑えたりなどいろいろ手を打って隠し出す。そして、隠しきれない状態になると、ちびちびと小出しに対応していくのです。これは何もトヨタに限ったことではなく、デトロイトもそうやって潰れたわけですから。トヨタは“潰れたデトロイト”になってしまったわけです。それがまた日本のイメージと重なるわけです。デトロイトはアメリカの製造業のチャンピオンでしたから。
しかも、日本は人口減少がある。移民もできないわけです。社会が受け入れない。人口減少とそれに伴う人口老齢化、その裏返しの少子化、労働力不足もあるけれど、それらは消費の冷え込みを誘います。すると、企業は非常に官僚化、膠着化し閉塞している状態になってくる。
日本の成長を支えて来たのは教育水準だったわけですが、これが今極端に低下している。例えば、国語力や数学力は世界でもトップクラスだったけれど、今では、14位、15位と急速に落ち込んでしまった。これが行き着く先は、低迷した閉塞的な社会です。今は日本全体が引きこもり症にかかっている状態ですが、それはますます悪化して行くでしょう。そうなってくると必ず、右傾化します。新しいことというのは、自信がないとできないからです。人は自信喪失をし始めると、私は一生懸命やっているのにどうしてこんなにおかしいのかと考え始める。そうすると、どこかに悪者がいるはずだと考え、悪者はたいていユダヤの陰謀だとかになってしまって、国粋化してしまう。これは日本に限ったことではありません。こういう状況になると、左か右かに極端にずれます。日本の場合もアメリカの場合も国粋化しています。アメリカの共和党連中がやっているのは似たようなことです。
国粋化し出すと、日本の場合は、第二次大戦の戦争責任を隠したままですから、周囲からはますます敬遠されます。アメリカは他国から嫌われても、自力で生きて行ける力はありますが、日本はおしまいですよ。米韓で、日本通り越しの自由貿易圏化だとか、今、日本抜きの話がどんどん進んでいるわけです。日本は政治、経済、軍事において完全に無視されている状態です。メーカーが元気だったから、経済だけはこれまでは何とかもっていたわけですが、トヨタ問題で、品質もあてにならないし、企業が官僚化していて顧客の面倒もみないということがわかりましたから、日本の製品を買う必要はないということになり、日本の輸出は落ち込んで行くでしょう。アメリカは韓国と自由貿易圏を提携するでしょう。今はその条約もできあがっていて、アメリカの批准を待っている状態です。
日本は、経済、政治、社会、教育などのすべての低下、製造業の高品質高生産性というイメージの崩壊のため“失われた20年”の状況ですが、このまま続けば“失われた30年”、“失われた40年”と続いて行くだけです。停滞とか横ばいなのではなく、衰退して行きます。
20年後には、中国や韓国には抜かれてしまうでしょう。一人当たりの国民所得では日本が高いですが、トータルの国民所得では中国に抜かれるのは時間の問題です。韓国は国が小さいのでトータルで日本を抜くことはないと思いますが、一人当たりの国民所得では、まだ元気な韓国が抜くでしょう。
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