アクセル・ワールド1 ―黒雪姫の帰還―

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アクセル・ワールド〈1〉黒雪姫の帰還 (電撃文庫)

≪黒雪姫≫と呼ばれる少女との出会いが、デブでいじめられっ子の未来を変える。

 どんなに時代が進んでも、この世から「いじめられっ子」は無くならない。デブな中学生・ハルユキもその一人だった。
 彼が唯一心を安らげる時間は、学内ローカルネットに設置されたスカッシュゲームをプレイしているときだけ。仮想の自分(アバター)を使って≪速さ≫を競うその地味なゲームが、ハルユキは好きだった。
 季節は秋。相変わらずの日常を過ごしていたハルユキだが、校内一の美貌と気品を持つ少女≪黒雪姫≫との出会いによって、彼の人生は一変する。
 少女が転送してきた謎のソフトウェアを介し、ハルユキは≪加速世界≫の存在を知る。それは、中学内格差(スクールカースト)の最底辺である彼が、姫を護る騎士≪バーストリンカー≫となった瞬間だった――。
 ウェブ上でカリスマ的人気を誇る作家が、ついに電撃大賞<大賞>受賞しデビュー! 実力派が描く未来系青春エンタテイメント登場!
 巻末には、気鋭の作家・川上 稔による超豪華な短編小説&ビジュアル解説企画付き!!
 シリーズ第一巻。二巻は夏ごろ発売予定、また四月には同じ作者の『ソードアートオンライン』が刊行開始予定とのこと。巻末の川上さんの短編小説は七ページほどだけど、本編を読まないといろいろわからないネタがあるので、本編には興味ないけど川上さんの短編小説は気になるという人は要注意。

 今よりも電脳技術が進みバーチャル化された社会を舞台に特別なプログラムを手に入れた者同士でバトルものですな。はじめはすごく面白そうと思えたのだけど、やってることはしょせん単なる対戦格闘ゲームでしかなくてちょっとがっかり。それにもっとアバターの調整やら駆け引きで何とかするゲームかと思っていたら、アバターのデザインはプレイヤーの意識を反映して勝手に決定されてしまうし、バトルも殴ったり蹴ったり武器を使ったり必殺技をかましたりといった単純などつきあいとしての面が強くて(もちろんどきあいの中にも駆け引きはそれなりに存在するわけだが)、そのへんも期待はずれだったなあ。決してつまらなかったわけではなく、むしろ全体的には面白かったと思うのだが、どうも最初に期待をかけ過ぎてしまったのでもの足りなく感じてしまった。

(以下ネタバレ)














(ネタバレ開始)

 シアン・パイルとの戦いも、まだはっきりしていなかったシルバー・クロウの力が逆転の鍵になるのは見え見え過ぎて素直に盛り上がれなかったし、いくら素質はあり、他のパラメーターを削って飛行能力に力を割り振っているとはいえ、1レベルのハルユキが4レベルのシアン・パイルに真正面から圧勝できるほどの性能というのは「結局素質が全てかよ」といった印象で白けてしまった。

 短絡的に敵であったタクを倒してそれでよしとするのではなく説得して仲間になったことや、またチユリに対しても全てを打ち明けた上で今度こそ心から信頼し合える関係は築いたのはとても好印象。きっとチユリは怒るだろうし責めるだろうけど、それでも最後には許してくれるだろうと強く信頼しているのが良かった。

 恋愛面に関してはサブヒロインのフラグは折れ、逆にメインヒロイン告白済みで主人公も十分承知しているという、ほぼカップリングが確定している状況になるわけだが今後はどうなるのかね。まあ最近は複数のヒロインに好かれながら主人公が超絶鈍感なためなかなか恋人にならないというラブコメがやたらと多いけど、普通に考えれば仮に恋人同士になってもそのあと平穏無事にめでたしめでたしとなるとは限らず、いくらでも波乱はありえるわけだから十分続けようはあるか。

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