小説☆☆☆☆

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グランクレスト戦記 2 常闇の城主、人狼の女王 (富士見ファンタジア文庫)グランクレスト戦記 2 常闇の城主、人狼の女王 (富士見ファンタジア文庫)
水野 良 深遊
KADOKAWA / 富士見書房 2013-12-25

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 作者があとがきで語る通り1巻とはだいぶ趣が異なる巻だった。戦記ものとファンタジーものの違いというのもあるけど、今回は特に邪紋使いがメインのストーリーといった感じ。人狼も吸血鬼も魔王もああいう設定だし。そして邪紋使いがメインだからというわけでもないだろうけど、主人公のテオさんはそんなに活躍してなかった気が。多少上手く立ち回っていた場面もあったけどそれだけで。作中で語られる通り必ずしも主人公が戦闘で活躍しなくてもいだろうけど、それならそれで、志の高さとか器の広さとか意志の強さとか、そういった別の魅力を見せてほしいなあ。

ネトゲの嫁は女の子じゃないと思った? Lv.4 (電撃文庫)ネトゲの嫁は女の子じゃないと思った? Lv.4 (電撃文庫)
聴猫 芝居 Hisasi
KADOKAWA / アスキー・メディアワークス 2014-06-12

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 対人攻城戦編。モンスター相手の狩りだとそこそこ戦える装備とレベルでも対人戦だとぜんぜんダメダメだったりとか、ネトゲってけっこうしっかりしたバランスになっているんだなと驚いた。まあ他の細かい部分でバランスブレイカーな要素もいろいろあったりするのだろうけど。というか、作中でもそのへんのネタにちょろっと触れてるしな。というわけで今回もネトゲあるある要素がつまっていて、ほんのり成長要素もあって良かった。

友人キャラは大変ですか? (ガガガ文庫)友人キャラは大変ですか? (ガガガ文庫)
伊達康 紅緒
小学館 2016-12-25

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 まあまあ。要するに厨二異能バトルもののパロディですな。最後は「キャラだとか役割だとかにとらわれるんじゃなく自分がどうしたいのかが大事なんだ!」的な安っぽく説教くさい展開になるのではないかと心配していたけど、最後までギャグで通してくれて良かった。深みはないけど最後まで気軽に笑って楽しめた。一発ネタみたいに思えるけどシリーズとして続いているようで、ここからどう続けるのか気になる。

ストライクフォール2 (ガガガ文庫)ストライクフォール2 (ガガガ文庫)
長谷敏司 筑波マサヒロ
小学館 2017-03-22

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 一巻を読んでから間があいたせいもあってかどうも細かい部分がイメージしづらくて中盤までは微妙な印象だったけど、戦争とスポーツの違いや宇宙の貧富の格差問題をからめた終盤はなかなか楽しめた。しかしかなり大きな問題をからめてきたけど、最終的にきれいにまとめられるのだろうか。とりあえず雄星は二軍からスタートすることになったわけだけど、二軍で活躍して、一軍に上がって、その一軍でもまた活躍しなければならないわけで。チル・ウエポンに対する耐性はたしかにギフトだろうけど、それだけでのしあがるのは厳しいだろうし、ここからどう成長していくのだろう。

スロウハイツの神様(下) (講談社文庫)スロウハイツの神様(下) (講談社文庫)
辻村深月
講談社 2010-01-15

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 上巻に引き続き下巻も思ったよりもドロドロギスギスした部分があって心安らかに読めるような内容ではなかったし、終盤の種明かしもやっぱそんなオチかというものでしかなかったけど、なんだかんだで最後はめでたしめでたしになって良かったなと思えた作品だった。

風神の門 (上) (新潮文庫)風神の門 (上) (新潮文庫)
司馬 遼太郎
新潮社 1987-12-29

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 まあまあ。『梟の城』よりもこちらの方が忍者ものっぽいな。才蔵のめくらましは便利過ぎるだろという気はするが。才蔵や猿飛佐助をはじめ、真田十勇士の有名どころが出てくるのも面白い。

スロウハイツの神様(上) (講談社文庫)スロウハイツの神様(上) (講談社文庫)
辻村深月
講談社 2010-01-15

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 前々から気になっていた作品だったのとコミック版が面白かったので読んでみたが、思ったよりもぎすぎすしたところのある作品だなという印象。冒頭で衝撃的な事件が語られているコーキは言うに及ばず、環も重い家庭事情があるし、狩野もまだはっきりしないけど何やら意味ありげな描写があったし。それとどういう方向を目指しているのかよくわからん。クリエイターがそろって共同生活しているという設定だけど、たとえば『まんが道』みたいな路線というわけでもなさそうだし。それでもなんだかんだで引き込まれたので下巻も期待。

現実主義勇者の王国再建記 4 (オーバーラップ文庫)現実主義勇者の王国再建記 4 (オーバーラップ文庫)
どぜう丸 冬ゆき
オーバーラップ 2017-06-25

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 王位を唐突に譲った理由はやはりこういう設定か。前にちょろっとあった王と王妃の会話からこんなことじゃないかと思ったけど、正直勘弁してほしかったな。あとづけご都合主義臭くてちょっとしらけた。この設定はもう気にしないことにして、今回は表紙の通りロロア本格参入巻……なんだけど、特に衝突もなくあっさり仲間入りしてしまったため当番巻というにはいまいち印象が薄かった気が。もうちょっとロロアの活躍を描くようなエピソードがほしかったかなと。

始まりの魔法使い1 名前の時代 (ファンタジア文庫)始まりの魔法使い1 名前の時代 (ファンタジア文庫)
石之宮 カント ファルまろ
KADOKAWA 2017-05-20

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 かつて神話の時代に、ひとりの魔術師がいました。彼は、“先生”と呼ばれ、言葉と文化を伝え、魔法を教えました。そんな彼を人々はこう呼びました。――始まりの魔法使い、と。
 そんな大層な存在ではないのだが――「だから火を吹かないで!」「ごめんごめん。私にとってはただの息だからさ」竜として転生した“私”は、エルフの少女・ニナとともに、この世界の魔法の理を解き明かすべく、魔法学校を建てることにした。そこで“私”は、初めての人間の生徒・アイと運命の出会いを果たした――。これは、永き時を生きる竜の魔法使いが、魔術や、国や、歴史を創りあげる、ファンタジークロニクル。
 まあまあ。よくある中世的世界観からの開始ではなく、原始時代から始めて魔法とは何ぞやと一からルールを発見していくのがいいね。それにずっと長い長い時の物語になりそうなので、今後の歴史がどうなるかといった楽しみもある。恋愛描写については安易な萌え要素の追加に感じられていらないのではないかと読んでいる途中は思ったが、最終的にはきれいに話をまとめる形になっていたし、これはこれで良かった。でも個人的にはアイよりもニナとの相棒的な距離感の方が好き。次はどれぐらいの時代で、どんな発展を遂げるのだろう。

戦闘員、派遣します! (角川スニーカー文庫)戦闘員、派遣します! (角川スニーカー文庫)
暁 なつめ カカオ・ランタン
KADOKAWA 2017-11-01

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世界征服を目前にし、更なる侵略地の先兵として派遣された戦闘員六号の行動に『秘密結社キサラギ』の幹部たちは頭を悩ませていた。侵略先の神事の言葉を『おちんち○祭』と変更するなど、数々のクズ発言。さらには自らの評価が低いと主張、賃上げを要求する始末。しかし、人類と思しき種族が今まさに魔王軍を名乗る同業に滅ぼされると伝えられ――。
「世界に悪の組織は二つもいらねぇんだよ!」
現代兵器を駆使し、新世界進撃がはじまる!!
 まあまあ。つまらなくはないというかそこそこ面白いのだけど、良くも悪くも『この素晴らしい世界に祝福を!』と同じノリなのであっちとくらべると一枚落ちる感じ。そりゃ向こうは本編12巻、外伝5巻(『あの愚か者~』は除く)、計17巻分もの積み重ねがあるのに対しこちらはまだ1冊目だから仕方ないけどね。まあ『このすば』だって1巻目からすげー良かったというほどではなくシリーズを追っていくうちにハマったのだから、こちらもシリーズが続くうちに味が出てきてハマるのではないかと今後に期待。

現実主義勇者の王国再建記 2 (オーバーラップ文庫)現実主義勇者の王国再建記 2 (オーバーラップ文庫)
どぜう丸 冬ゆき
オーバーラップ 2016-09-25

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 一度きりの残虐を行うということでどれだけ苛烈な作戦を行うのかと思えばそれほどでもなかった。そりゃたしかに比較的損害の少ない戦いでも、命が失われたり財産を奪われて人生が狂わされるものもいるだろうから、決して残酷ではないとは言えないだろうけど。この二巻も悪くはないのだけど一巻の方が面白かった気が。戦記的な戦いの描写よりもこの作品は内政描写の方が面白くなりそうなので戦後処理はどうなるかに期待。

血涙(下)血涙(下)
北方 謙三
PHP研究所 2013-03-08

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「北方楊家将」完結編というべき巻だからか、世代交代と時代の移り変わりを強く感じる巻だった。どちらかというと楊家軍よりも耶律休哥・石幻果軍の方が魅力的に感じられた。遼の方が上からの扱いが良かったしな。今だからこそ言えることなのかもしれないけど北漢から離れるとき馬を大事にする武家的な楊家としては文官の力が強い宋につくよりも、侵略が基本方針で武力を重視し良い馬が産出される遼についた方が良かったのでは。まあそれこそ武家的な家風だから他国の風潮に詳しかったり上手い身の振り方を考え交渉できるような人材に乏しく、またそういう考え方も受け入れられ難かったのだろうけどね。