それから僕は無事に退院をして
またユノと暮らしている
今回の事でユノは本当に責任を感じてしまったらしく
あまり遊びに行かなくなった
僕としてはタマに出掛けるのは構わないと言っているのに
出掛けようとしない
だけど、部屋に閉じ籠って何処かに電話をしている
…それはそれで何だか不満だ…
*****
ある日の事
ユノが僕を食事に誘ってくれた
いつもと違うのは
店を予約してあるからと言われた事か
「何のお店なの?」
「きっと気に入るよ」
「おっ、楽しみ♪」
僕はユノにエスコートされて店内に入る
だけどそこは薄暗くてよく見えない
すると店員さんが現れて
僕とユノを席に案内してくれた
椅子に座ると一気に明るくなって
あまりの眩しさに僕は目を閉じた
「ちょっ…何!?」
「…チャンミナ…」
目の前に差し出された深紅の薔薇
取り合えず受けとるとユノは言った
「チャンミナ、あれからもう1年だよ
今日は俺とチャンミナの記念日だからずっとサプライズを考えてた
友人に相談に乗って貰ったりして家を開ける事が多くなって…
だから不安になっちゃったんだよな?
俺が居なかったから…
チャンミナを喜ばせてあげたかっただけなのにこんなに不安にさせて…
本当にごめん
チャンミナの事が嫌いになったから家に居なかったとかじゃないからな?
そこだけは信じて?」
「…ユノ…」
僕が百日愛から快復して
ユノと心を通わせた
あれからもう1年?
「これからもよろしくお願いします」
「…はぃ…」
目の前に座るユノが滲むと
一気にクラッカーが鳴って
慌てて僕がまわりを見渡すと
友人達が微笑んでいた
「サプライズ成功だな!!」
「やったな!!ユノ!!」
目の前に差し出されたハンカチ
それはヒチョルヒョンの手で
「チャンミン、愚痴なら聞いてやるからな」
そう言ってニヤリと笑った
「…ヒチョルヒョンは駄目」
ユノの不機嫌そうな声が聞こえたかと思ったら立ち上がり
僕の横に来るとヒチョルヒョンの手をペシッと叩いて威嚇した
「そんなに大切なら泣かせんなよ」
「…はい…」
「なぁ?チャンミン…」
返事をしようと顔を上げたら
ふぅっと僕の唇にヒチョルヒョンの唇が触れた
「チャンミン、今キスしたのは誰だ?俺様だぞ?間違っても
また、『ユノ』なんて呼ぶんじゃねぇぞ!!」
「ちょっ…!!」
「…それ、どういう意味…」
「ユノ、チャンミン、喧嘩なんかしてたら俺が奪ってやるから安心しろ!!」
「…ぇ~…」
まだまだ喋り足りなさそうなヒチョルヒョンを他のヒョン達が連れて行った
「…あの人は本当に台風みたいだ…」
「…そうですね…」
お互い目が合って
ふふって笑って
何だか幸せだなぁって思えた
僕の部屋のクローゼットにしまってあるキュヒョンから貰った『箱』
使う日なんかきっと来ないと思う
二度と開けないと思う
だけど捨てられない
それはまるでパンドラの箱のようだ
End
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今日は素敵なイベントに参加させていただきましてありがとうございましたm(_ _)m
雪逢は今、お台場でYAKEI観てます♪
今日は最終日なので観られて良かったです(*´艸`)