チャンミンと暮らすと宣言をした
戸惑うチャンミンに不安が無いわけではないけれど、キュヒョンが同じ屋根の下で暮らしていると思ったら止まれなかった
父親に連絡をしたら何故か荷物を取りに来いと言われた
しかし俺がそもそも住んでいた部屋なのだから必要な物は全てあるはずなのに何故だ
さっさと取りに来いと言う父親に不満を持ちつつ
とりあえず戻ると、そこには寝袋が置いてあった
「これは…」
「寝袋だ」
「えっ？あ、はい、ソウデスヨネ…」
そんな事も知らねぇのかよ的な顔をした父親にそうじゃねぇと心の中でツッコミを入れ、何故だと視線で問うと
「お前の寝る場所は無いだろう？」
「えっ、チャンミンとベッドに寝ようかと…」
「…それはまだ早い」
「でも、俺のパートナーなんですよね？」
「今のユンホにとって彼はまだ知り合い程度の距離感じゃないのか？」
「、そうですけど、」
「チャンミン君にとっても、今のユンホは知り合い程度という事だ」
「え…」
ショックだと思った
彼は俺のパートナーだと聞いていたし
俺の帰りを待っていてくれた訳だから
同じベッドで眠る事が当然なのかと思っていた
「それに…チャンミン君は今大事な時期だからな…」
「そろそろ予定日だからですか？」
「それもあるが…」
「他に何か…？」
歯切れの悪い父親が俺に告げたのは衝撃的な事だった
俺が行方不明になって、ひとりで頑張っていたチャンミンは
いつまでたっても戻らない俺を想い
病んでしまった、という事で
今、とても不安定なんだと云う
「つい先日、何故かユンホと結婚している事を忘れていたそうだよ…」
「ぇ…」
なんで、どうして？
そう思ったけれど、彼の事も何もかも忘れてしまった自分には何も言える言葉は無い
「…一緒に住みたいって言ったのは、彼にとって負担ですよね…」
「そうだな、負担かもしれないな」
精神的にも体力的にもしんどい時に、俺の我儘で迷惑をかけてしまうのは申し訳ない…
「…通った方がいいのかな…」
彼を思えばそのほうがいいに決まっている
父から渡された寝袋を手にマンションへと戻るとキュヒョンがいて、やはり苛つく
何故だろうか、あの笑顔が腹立たしい
「キュヒョン君は帰っても大丈夫だと思うよ」
「いやいや、親友が心配なので」
「いやいやいや、俺が居れば大丈夫だし」
「いやいやいやいや、俺はチャンミンから誘われて一緒に住んでるわけでして」
一歩も引かないから余計腹立たしいし
あの余裕そうな笑顔がムカつく
「寝るベッドも無いですし」
「寝袋なら持ってきた」
「ブフォ…www」
大真面目に言った言葉に爆笑するキュヒョン
「…自宅ですよね？」
「チャンミンの許可無しに彼の隣で眠るのは失礼だ」
「…へぇ…」
「と、父親に言われた」
「ブフォ…www」
正直にそう告げると彼はまたしても笑い
そして落ち着くとあの変な笑顔を消した
「チャンミンの事、本当に覚えてないんですよね？」
「あぁ、本当に申し訳ないと思ってる…」
「そうなんですね…」
少し淋しそうにに見えたのはホンの一瞬だけ
そうしてキュヒョンは大きく息を吐いた
「とりあえずそろそろ予定日なので
どちらともここに居るのが理想的なのかも知れません」
「…おう、」
「俺だとチャンミンを物理的に支えるのは厳しいので…」
「…あぁ、」
「家主に寝袋というのも気が引けるのですが、よろしくお願いします」
「こちらこそ、感謝する」
とりあえず認めて貰えたのかとホッとすると
キュヒョンはチャンミンに声を掛けた
「…寝てる…」
ソファで眠る彼はまるで眠り姫のように美しく
その唇に触れたいと思った
「どうするかな…」
「あらあら寝ちゃったの？
ブランケット持ってくるから待ってて」
チャンミンのお母さんは慣れた手つきでブランケットを持ってくると眠るチャンミンにそっと掛けた
「…きっと朝まで起きないわね…」
「えっ？晩御飯とか、」
「そうね、起きた時に食べられる物を用意しておくから、私達は先に食べちゃいましょう」
「そうですね」
戸惑う俺となんてことないって顔をしたふたり
妊婦というものはそんなに眠るものなのか
前の俺は知っていたのだろうか？
今の俺は本当に何も知らない
「チャンミン…」
どうして俺は君を忘れてしまったのかな
例えばもしも、以前の俺が最低の人間で
君の事を大切に思っていなかったから忘れてしまった、とか
そう思ってみても
この胸の痛みが、本当に君を好きだったと、
愛していたのだと教えてくれているのならば
俺を苛つかせてくれたキュヒョンに感謝しないといけないのかも知れない
にほんブログ村昨夜更新出来ませんでしたので
本日更新させていただきました
m(_ _)m
皆様ごぶごぶ見ましたか？
TVerで見ました〜
いや、控えめに言って最高でしたね
もしも雪逢に個人的に録画したのをダビングしてくださるかた、いらっしゃいましたらお知らせいただけたら嬉しいです✨
- 関連記事
-
