謝罪の王様 レビュー(ネタバレあり)
黒島譲(阿部サダヲ)はあらゆることの謝罪を行う東京謝罪センター所長。
彼は日本古来の謝罪方法である土下座はあらゆる場面で有効であるが、CMで土下座を超える謝罪が存在すると語る。
case 1 倉持典子の場合
黒島に依頼に来たのは司法書士を目指している帰国子女の倉持典子(井上真央)。
アメリカではとりあえず謝るのは危険であるという考えの持ち主だった。
そんな彼女が車を運転中、交差点で前の車が詰まったことで、横断歩道の上に止まってしまい、歩行者たちから白い眼で見て下がるように言われた。しかしすぐに下がらずに自分が悪いのかを考えた後に、車をバックさせた彼女だったが、ちょうど後方から暴力団の小磯一家の車がきていて、その上に乗りあげてしまう。
怒り心頭の組員たちに取り囲まれる典子だが、それでも自分が悪いかどうかを考え、アクセルを踏んで車を前に走らせたことで幹部の黄村家朗(中野英雄)の車は更に破損してしまった。
黄村の屋敷へ連れて行かれた典子は、運転手(松尾諭)が指を詰めさせられそうになって、初めて「なんか、すみません」と謝罪した。
しかも弁護士の高幡(六角精児)からは呼んでも判らないから読まずに署名しろと、車の修理代400万円を磯一家に借金し、大阪のヘルスで働いて返済するというの誓約書に署名させられてしまった。
彼は日本古来の謝罪方法である土下座はあらゆる場面で有効であるが、CMで土下座を超える謝罪が存在すると語る。
case 1 倉持典子の場合
黒島に依頼に来たのは司法書士を目指している帰国子女の倉持典子(井上真央)。
アメリカではとりあえず謝るのは危険であるという考えの持ち主だった。
そんな彼女が車を運転中、交差点で前の車が詰まったことで、横断歩道の上に止まってしまい、歩行者たちから白い眼で見て下がるように言われた。しかしすぐに下がらずに自分が悪いのかを考えた後に、車をバックさせた彼女だったが、ちょうど後方から暴力団の小磯一家の車がきていて、その上に乗りあげてしまう。
怒り心頭の組員たちに取り囲まれる典子だが、それでも自分が悪いかどうかを考え、アクセルを踏んで車を前に走らせたことで幹部の黄村家朗(中野英雄)の車は更に破損してしまった。
黄村の屋敷へ連れて行かれた典子は、運転手(松尾諭)が指を詰めさせられそうになって、初めて「なんか、すみません」と謝罪した。
しかも弁護士の高幡(六角精児)からは呼んでも判らないから読まずに署名しろと、車の修理代400万円を磯一家に借金し、大阪のヘルスで働いて返済するというの誓約書に署名させられてしまった。
話を聞いた黒島は典子に落胆しながらも依頼を引き受けると、黄村の屋敷の前でわざと頭を石で殴って血塗れになった姿で典子の兄と偽り、典子と共に訪れる。
来る途中で事故に遭ったが、謝罪の方が大事だからと捲くし立てながら登場から30秒あまりで土下座して謝罪。
黄村から許された後、彼らに誠心誠意尽くし続けて、典子の借金は黒島の報酬を合わせても40万あまりにまで減額することに成功する。
典子は司法書士となるためにも、様々な経験を得たいと黒島の東京謝罪センターで働くことにする。
そんな典子の初仕事はピンクのレオタードを着て、CMでバックダンサーとして踊る事だった。
case 2 沼田卓也の場合
東京謝罪センターは特定の事務所を持ち合わせず、喫茶店『泣きねいり』を連絡先としていた。
この日、彼らに依頼へ来たのは下着メーカーに勤務する沼田卓也(岡田将生)だった。
待ち合わせに遅刻して慌てて現れた黒島は電車が遅れてしまった、と謝罪して赦しを得るが、これが車で道路の渋滞により遅刻では印象が違うという持論を披露する。
別の大手下着メーカーとの共同プロジェクトに参加していた卓也は、同じプロジェクトに参加していた相手会社の担当者・宇部美咲(尾野真千子)に対して、飲み会の席で酔っぱらってお尻を触るなどのセクハラをしてしまった。
美咲から訴訟されることになり、謝罪に行った卓也だが、あまりにも軽薄な謝罪にむしろ火に油を注ぐことになってしまったのだ。
典子が卓也の担当となり、黒島のアドバイスを受けて美咲へ再度謝罪することになるが、卓也は黒島のアドバイスを正しく実践できず、ますます怒らせてしまった。
しかも美咲の担当弁護士は典子が学生時代に講義を受けた事もある超一流の国際弁護士・箕輪正臣(竹野内豊)で、卓也が土下座をしても決して訴訟を取り下げることは120%ないと厳しい態度を崩さない。
話を聞いた黒島は、相手が謝罪してほしいと思っているという事は、実は既に許しているが、弁護士まで巻き込んだために引っ込みがつかなくなっているのだと分析。
120%訴訟の取り下げがないのであれば、150%の謝罪をすれば良いのだと、一つの作戦を決行する。
case 3 南部哲郎と壇乃はる香の場合
二世タレントの英里人(鈴木伸之)が一般人の被害者Aに路上で殴る蹴るの暴行を働いて警察に現行犯逮捕されてしまった。
英里人の父親で大物俳優・南部哲郎(高橋克実)と、離婚した元妻の大物女優・壇乃はる香(松雪泰子)は南部の謝罪会見のために、東京謝罪センターへと依頼に来た。
依頼日当日に謝罪会見をするという南部に、黒島は早速リハーサルをさせるが、南部は22歳の新妻・南ナミ(美波)を連れて檀上に現れて、妻の紹介を始める。ナミを引き離して会見をさせると、今度は歌舞伎のように大袈裟な口調の上、最後に変な決め顔までする。
まるでダメダメな謝罪に、黒島は会見時間までに何とかちゃんとした謝罪が出来るようにと練習を繰り返させることにする。
しかし、謝罪会見では脱力し過ぎた上、Aの被害者さんと呼び、お辞儀の時間は短く、最後には時間が余ったからと新妻の紹介まで初めてしまい、世間からは叩かれることになってしまった。
そこで今度ははる香が謝罪会見を開くことになるが、舞台衣装である十二単を纏った上で、長すぎるお辞儀、更に最後には舞台の宣伝までしてしまった。
そこから二人は交互に謝罪会見を開き、謝罪会見の謝罪をするという謝罪の繰り返しが行われ、世間から何のための謝罪か判らなくなってきていた。
実はそれらは全て黒島の作戦だった。
後はタイミングを見計らって、正式な謝罪をするだけだったが、釈放された英里人は警察署の前で待ち構えていたマスコミに対して「なんか、すんません」と軽い謝罪の上に、20秒のお辞儀にという黒島のアドバイスを実践するため、声に出して時間を数えてしまうという失態をしてしまう。
次の対策が必要となる黒島だったが、典子は謝罪会見を開く必要があるのか、と疑問を呈する。
本当に謝罪してほしいのは被害者ではないかという典子の尤もな意見に、目から鱗が落ちた黒島は、南部とはる香に被害者の下へ向かわせる。
南部とはる香、典子は被害者A(小松和重)と直接会って謝罪することになるが彼らはそこで意外な真実を知ることになる。
case 4 箕輪正臣の場合
卓也と典子を追い返した弁護士・箕輪正臣が黒島の下を訪れたのは、美咲が訴訟を取り下げた時の事だった。
謝りたい相手がいるという彼だが、外国では安易な謝罪は命取りと考えて謝罪には慎重な性格だった。
現在は多数の国で弁護士資格を持つ彼は、かつてアメリカで当時の妻子と共に暮らして弁護士資格を取るための勉強をしていた。
その勉強中、3歳の娘(井上琳水)が部屋にやってきては「わき毛ボウボウ、自由の女神!」という映画のセリフを口にする。
そのたびに注意して部屋を追い出していた箕輪だったが、愛娘を可愛いと思っていた彼はじっと我慢していた。
そして試験当日、寝坊してしまった彼は慌てて着替えていたが、クローゼットを開けると中には娘が隠れていて、またも「わき毛ボウボウ、自由の女神!」と口にする。
その瞬間、頭に血が上った箕輪は娘にビンタをしてしまったのだ。
話を聞いた黒島は娘の方が悪いのではないかと感じるも、潔癖な彼は弁護士である自分が3歳の子供に手を挙げたことをどうしても許せないでいた。
すぐに謝れば良かったのだが、時間が経過するにつれて謝れず、妻(真飛聖)とも離婚して娘と離れ離れになってしまっていた。
その娘が自分が大学で講師をしていた時に学生として現れ、更にセクハラの訴訟相手と共に謝罪センターの社員としてやってきた事に複雑な思いを抱いていた。
と、そこに娘がやってきて、箕輪はとっさにそこにあった卓也のゴムマスクを被って変装することに。
case 5 和田耕作の場合
東京謝罪センターに依頼をした映画プロデューサー・和田耕作(荒川良々)は約束の時間を大幅に遅刻して姿を見せる。
電話で忙しげに打ち合わせをする彼だが、謝罪センターの黒島と典子には、それが遅刻の弁明に忙しさをアピールしているだけと見抜いており、それは逆効果だと指摘する。
60万部を売り上げた有名小説を原作にした映画を製作した彼らは、なんとか完成に漕ぎ付けたものの、実はあるところからクレームが入っていたのだ。
さっそく映画の試写を見る黒島と典子だが、黒島は途中で眠ってしまい、最後まで見た典子は感動して泣くも問題点が見つけられない。
そこで巻き戻してみると、屋台のシーンでヒロインの後ろを通過したエキストラが、マンタン王国の皇太子(野間口徹)なのだという。
実はマンタン王国では王家の人間の肖像権侵害は懲役20年の重罪だったのだ。
皇太子は日本サブカルチャーの大ファンで、たびたびお忍びで来日しており、この日もアイドルの握手会に参加するために来日していたのだという。
たまたま映画のロケ現場に紛れ込んでしまった彼は、助監督(柄本時生)に足りないエキストラにされた上、拘りを持った映画監督(岩松了)に、ビールを飲まされ、焼き鳥を食べて歩くことになってしまった。
マンタン王国では飲酒は懲役30年の重罪、串刺しの肉を食べることは懲役40年・または銃殺の重罪だった。
当然マンタン王国からクレームが届いていたが、映画の放映中止はもちろん、監督の拘りから該当シーンの削除すらしたくない。
そこで和田と監督、配給会社社長(白井晃)の3人は日本土産を手にマンタン王国へ渡って謝罪することになる。
好意的に彼らを迎え入れるマンタン王国の老国王(津嘉山正種)や国民たちだったが、和田の持参したコケシを目にした途端に激怒して追い返されてしまう。
怪しげな通訳のワクバル(濱田岳)によると、マンタン王国では過去に敵国に捕えられて変な髪型をしたうえに首を捻り殺されたという忌むべき歴史があり、コケシはそれを思い起こさせる形をしていた上、和田が首を捻ってしまったのが悪かった。
マンタン王国は日本で使用される綿の大部分を輸入している外交上大切な国であった。
そこで、マンタン王国の日本大使館に駐在経験もある国松文部科学大臣(小野武彦)が乗り出すが、失言を繰り返す大臣であり典子は不安を覚える。
老国王とも親しい国松の来訪で両国は和解して、共同声明を行う。
だが、帰国した国松はマスコミからマンタン王国から再び抗議されていることを聞かされる。
実は、会見の後のパーティで国松は外国人には許されているからとマンタンでの飲酒で泥酔し、国王の孫に対して王族以外には禁止されている頭を撫でるという行為を行い、王妃や侍女たちに抱擁やキスなどを迫り、その後も様々な失態を繰り広げていたのだ。
そこで今度は枝下外務大臣(濱田マリ)が収拾へと乗り出すことになる。
枝下は過去にマンタン王国では全国民が泣き、日本国中は爆笑したというキャッチフレーズを持つ『バタールの丘で』という映画で主演したことにより、マンタン王国では英雄として讃えられている南部を謝罪のプロとして引き連れていく。
国民たちから大歓迎を受ける南部は枝下と共に国王の前へと進み出ると、これまでの一件に対する謝罪の意を込めて土下座する。
が、途端に国王や国民は激怒して、二人は追い返されてしまった。
実はマンタンでは土下座のポーズは最大級の侮辱行為。通訳のワクバルは知っていながら黙っていたのだ。
遂にマンタン王国は貿易停止を表明し、日本では女性たちが生理用品の買い占めに走り、買えなかった女性たちは布団屋へ行って綿を買い占めるという現象が発生してしまった。
もはやここまで来たら内閣総理大臣に謝罪してもらうしかないと決意する黒島に、典子は何故そこまで謝罪に拘るのかと疑問を抱く。
箕輪と共に訪れた黒島に、大戸谷総理大臣(嶋田久作)は自分が謝罪するしかないという決断を下す。
大戸谷は黒島に土下座を超える謝罪がある事を確認するが、実は土下座を超える謝罪など存在していなかったため、黒島は追い詰められてしまう。
そして大戸谷は黒島と共にマンタン王国へと渡るが、出迎えた王族や国民たちは、最大級の侮辱である土下座で彼らを迎える……
case 6 黒島譲の場合
黒島譲が初めて土下座をしたのは、友達と共に温泉でザリガニを飼おうとして大量に殺してしまった時のことだった。誰に教えられることもなく土下座をした彼は、大人たちの視線が自分の背中に注がれていることに気づいた。
以来、彼は生徒会副会長やバレー部副部長など、責任があって謝罪のしやすいポジションについて謝罪をしていた。
その後、様々な職業についていた黒島に転機が訪れる。
行列の出来る人気ラーメン店『言語道断』に行った時、ようやく店に入った黒島はこの手の店独特の大声での対応に威圧されて、無意識に謝罪を繰り返していた。
と、店員がラーメンの湯切りをした時、黒島の顔にお湯が掛ってしまう。
その場は我慢して上手いラーメンを食べた黒島だったが、近くの喫茶店『泣きねいり』で気持ちを落ち着けるために珈琲を飲むことにした。そこで一時間心を落ち着けようとした黒島だが、どうしても怒りは収まらず、店へ乗り込んで厨房の船木(松本利夫)に謝罪を要求する。
だが、どれほど待っても喫茶店に船木は現れず、翌日になって話を聞いた店長の店長(池田鉄洋)が店員と共に謝罪に訪れる。
船木は既に辞めてしまい、連絡先も個人情報なので教えられないという。
彼の謝罪を受け入れず、ただ船木に謝って欲しいという黒島。
しかし今度はチェーン店の本店から社員がきて謝罪して、謝罪金まで渡してくる。
その後も客にお湯が飛ばない湯切りシステムの開発や、厨房と客席の間にガラスの仕切りを設ける、お湯が飛びましたカードの設置などの謝罪方法を見せるも、ただ船木に謝ってもらいたいだけの黒島は困惑してしまう。
そしてついにラーメン屋は閉店してしまった。
黒島は世の中には自分のようにただ謝罪してもらいたいだけの人もいるのだと考え、東京謝罪センターを作ったのだと箕輪に語る。
そして公園で休憩していた典子の前に、子供を連れた船木が姿を見せる。
当時は若くて素直に謝罪出来なかったという彼だが、今は黒島に謝罪したいと思っていた。だが、時間の経過のためどう謝罪していいか判らなかった。
船木の子供は、CMから土下座を超える謝罪方法を知っているなら教えてほしいと典子に訊ねる。そんな方法を聞いていなかった典子だが、昔見た映画のワンシーンを思い出していた。
そのことが、黒島の窮地を救い、彼女の忘れていた幼い頃の記憶を取り戻させることになるのだった。
公式サイト:http://www.king-of-gomennasai.com/
・キャスト
黒島譲:阿部サダヲ
倉持典子:井上真央
運転手:松尾諭
黄村家朗:中野英雄
高幡弁護士:六角精児
沼田卓也:岡田将生
宇部美咲:尾野真千子
箕輪正臣:竹野内豊
沼田の父:深水三章
南部哲郎:高橋克実
壇乃はる香:松雪泰子
英里人(えりーと):鈴木伸之
南部のマネージャ:笠原秀幸
南ナミ:美波
被害者A:小松和重
箕輪の妻:真飛聖
箕輪の娘:井上琳水
和田耕作:荒川良々
配給会社社長:白井晃
映画監督:岩松了
ワクバル:濱田岳
マンタン王国の老国王:津嘉山正種
マンタン王国の皇太子:野間口徹
国松文部科学大臣:小野武彦
枝下外務大臣:濱田マリ
大戸谷総理大臣:嶋田久作
助監督:柄本時生
マンタンの映画監督:中村靖日
船木:松本利夫
店長(みせなが):池田鉄洋
喫茶店『泣きねいり』マスター:大川ヒロキ
宮藤宮九朗脚本のオリジナルコメディ映画で、『舞妓Haaaan!!!』『なくもんか』のスタッフによる作品。
てっきり主人公が謝罪しなければならない人間に代わって、土下座を使いながら謝罪するという話なのかと思ったら、謝罪のサポートをするという話だった。
漫画『どげせん』の作者のRINがパクリだとツイートした事で、逆に有名になったとも言える作品。
結局、抗議は撤回して終息したんだけど、ステマなのかと思ったぐらい。
ケース2からケース5までは同時進行しているため、時間軸が前後したりして、それぞれのケースで関わりがあった事が判明したりします。
様々なところで実に巧妙に伏線が貼られており、非常に良く出来ている。
笑いどころも多数あります。
ところどころでパロとかもあって、沢尻のパロとかギリギリだな。そういや、沢尻って完全に見なくなったよね。ま、出てこなくてもいいんだけど。
ケース5のエピソードがメインとなるお話。
もちろんマンタン王国なんて架空の王国なのですが、映画が終わった後で、エレベーターに乗っていた女の子の一人が本当にマンタン王国の謝罪ってあんなのだったら笑える、とか口走ってた。友達にマンタンが存在しないことをつっこまれてましたが。
映画は撮り直しをするかCGで王子の姿を消せば問題解決なんじゃないかと思っていたけど、拘りのシーンで消したくなかったのか。拘っていたのはメインだけでなく、皇太子の演技の部分もなんだな。
まぁ、そんな拘りを捨ててさっさと消去しておけば、国際問題にまで発展しなかっただろうに。
登場人物は変な人たちばかりで、おかしいと思った典子が実は結構まともな方だったという事態。
依頼者の中では和田の次にまともかも?
英里人はかなりまともな人だったのに、なんで謝罪シーンだけあんなだったんだろうな。
最終章の黒島が謝罪師になった経緯は、第3者から見ると完全にクレーマーだよな。
店長たちがあれだけ謝罪しているんだし、本人が来なくてももう許してやれよという感じなんだか。
マンタン王国のラストは良く判らないんだが、みんなで笑顔で謝罪というのはどういう状況なんだろうか。日本の謝罪を受けたマンタンの人々まで一緒に、しかも笑顔で謝罪しているというのがさっぱり判らなかった。
主題歌はE-girls『ごめんなさいのKissing You』
エンディングではE-girlsとExcelメンバー、および出演メンバーがダンスを踊っていますが、PVのノリでこれもかなり力が入ってる。
個人的評価:80点
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来る途中で事故に遭ったが、謝罪の方が大事だからと捲くし立てながら登場から30秒あまりで土下座して謝罪。
黄村から許された後、彼らに誠心誠意尽くし続けて、典子の借金は黒島の報酬を合わせても40万あまりにまで減額することに成功する。
典子は司法書士となるためにも、様々な経験を得たいと黒島の東京謝罪センターで働くことにする。
そんな典子の初仕事はピンクのレオタードを着て、CMでバックダンサーとして踊る事だった。
case 2 沼田卓也の場合
東京謝罪センターは特定の事務所を持ち合わせず、喫茶店『泣きねいり』を連絡先としていた。
この日、彼らに依頼へ来たのは下着メーカーに勤務する沼田卓也(岡田将生)だった。
待ち合わせに遅刻して慌てて現れた黒島は電車が遅れてしまった、と謝罪して赦しを得るが、これが車で道路の渋滞により遅刻では印象が違うという持論を披露する。
別の大手下着メーカーとの共同プロジェクトに参加していた卓也は、同じプロジェクトに参加していた相手会社の担当者・宇部美咲(尾野真千子)に対して、飲み会の席で酔っぱらってお尻を触るなどのセクハラをしてしまった。
美咲から訴訟されることになり、謝罪に行った卓也だが、あまりにも軽薄な謝罪にむしろ火に油を注ぐことになってしまったのだ。
典子が卓也の担当となり、黒島のアドバイスを受けて美咲へ再度謝罪することになるが、卓也は黒島のアドバイスを正しく実践できず、ますます怒らせてしまった。
しかも美咲の担当弁護士は典子が学生時代に講義を受けた事もある超一流の国際弁護士・箕輪正臣(竹野内豊)で、卓也が土下座をしても決して訴訟を取り下げることは120%ないと厳しい態度を崩さない。
話を聞いた黒島は、相手が謝罪してほしいと思っているという事は、実は既に許しているが、弁護士まで巻き込んだために引っ込みがつかなくなっているのだと分析。
120%訴訟の取り下げがないのであれば、150%の謝罪をすれば良いのだと、一つの作戦を決行する。
case 3 南部哲郎と壇乃はる香の場合
二世タレントの英里人(鈴木伸之)が一般人の被害者Aに路上で殴る蹴るの暴行を働いて警察に現行犯逮捕されてしまった。
英里人の父親で大物俳優・南部哲郎(高橋克実)と、離婚した元妻の大物女優・壇乃はる香(松雪泰子)は南部の謝罪会見のために、東京謝罪センターへと依頼に来た。
依頼日当日に謝罪会見をするという南部に、黒島は早速リハーサルをさせるが、南部は22歳の新妻・南ナミ(美波)を連れて檀上に現れて、妻の紹介を始める。ナミを引き離して会見をさせると、今度は歌舞伎のように大袈裟な口調の上、最後に変な決め顔までする。
まるでダメダメな謝罪に、黒島は会見時間までに何とかちゃんとした謝罪が出来るようにと練習を繰り返させることにする。
しかし、謝罪会見では脱力し過ぎた上、Aの被害者さんと呼び、お辞儀の時間は短く、最後には時間が余ったからと新妻の紹介まで初めてしまい、世間からは叩かれることになってしまった。
そこで今度ははる香が謝罪会見を開くことになるが、舞台衣装である十二単を纏った上で、長すぎるお辞儀、更に最後には舞台の宣伝までしてしまった。
そこから二人は交互に謝罪会見を開き、謝罪会見の謝罪をするという謝罪の繰り返しが行われ、世間から何のための謝罪か判らなくなってきていた。
実はそれらは全て黒島の作戦だった。
後はタイミングを見計らって、正式な謝罪をするだけだったが、釈放された英里人は警察署の前で待ち構えていたマスコミに対して「なんか、すんません」と軽い謝罪の上に、20秒のお辞儀にという黒島のアドバイスを実践するため、声に出して時間を数えてしまうという失態をしてしまう。
次の対策が必要となる黒島だったが、典子は謝罪会見を開く必要があるのか、と疑問を呈する。
本当に謝罪してほしいのは被害者ではないかという典子の尤もな意見に、目から鱗が落ちた黒島は、南部とはる香に被害者の下へ向かわせる。
南部とはる香、典子は被害者A(小松和重)と直接会って謝罪することになるが彼らはそこで意外な真実を知ることになる。
case 4 箕輪正臣の場合
卓也と典子を追い返した弁護士・箕輪正臣が黒島の下を訪れたのは、美咲が訴訟を取り下げた時の事だった。
謝りたい相手がいるという彼だが、外国では安易な謝罪は命取りと考えて謝罪には慎重な性格だった。
現在は多数の国で弁護士資格を持つ彼は、かつてアメリカで当時の妻子と共に暮らして弁護士資格を取るための勉強をしていた。
その勉強中、3歳の娘(井上琳水)が部屋にやってきては「わき毛ボウボウ、自由の女神!」という映画のセリフを口にする。
そのたびに注意して部屋を追い出していた箕輪だったが、愛娘を可愛いと思っていた彼はじっと我慢していた。
そして試験当日、寝坊してしまった彼は慌てて着替えていたが、クローゼットを開けると中には娘が隠れていて、またも「わき毛ボウボウ、自由の女神!」と口にする。
その瞬間、頭に血が上った箕輪は娘にビンタをしてしまったのだ。
話を聞いた黒島は娘の方が悪いのではないかと感じるも、潔癖な彼は弁護士である自分が3歳の子供に手を挙げたことをどうしても許せないでいた。
すぐに謝れば良かったのだが、時間が経過するにつれて謝れず、妻(真飛聖)とも離婚して娘と離れ離れになってしまっていた。
その娘が自分が大学で講師をしていた時に学生として現れ、更にセクハラの訴訟相手と共に謝罪センターの社員としてやってきた事に複雑な思いを抱いていた。
と、そこに娘がやってきて、箕輪はとっさにそこにあった卓也のゴムマスクを被って変装することに。
case 5 和田耕作の場合
東京謝罪センターに依頼をした映画プロデューサー・和田耕作(荒川良々)は約束の時間を大幅に遅刻して姿を見せる。
電話で忙しげに打ち合わせをする彼だが、謝罪センターの黒島と典子には、それが遅刻の弁明に忙しさをアピールしているだけと見抜いており、それは逆効果だと指摘する。
60万部を売り上げた有名小説を原作にした映画を製作した彼らは、なんとか完成に漕ぎ付けたものの、実はあるところからクレームが入っていたのだ。
さっそく映画の試写を見る黒島と典子だが、黒島は途中で眠ってしまい、最後まで見た典子は感動して泣くも問題点が見つけられない。
そこで巻き戻してみると、屋台のシーンでヒロインの後ろを通過したエキストラが、マンタン王国の皇太子(野間口徹)なのだという。
実はマンタン王国では王家の人間の肖像権侵害は懲役20年の重罪だったのだ。
皇太子は日本サブカルチャーの大ファンで、たびたびお忍びで来日しており、この日もアイドルの握手会に参加するために来日していたのだという。
たまたま映画のロケ現場に紛れ込んでしまった彼は、助監督(柄本時生)に足りないエキストラにされた上、拘りを持った映画監督(岩松了)に、ビールを飲まされ、焼き鳥を食べて歩くことになってしまった。
マンタン王国では飲酒は懲役30年の重罪、串刺しの肉を食べることは懲役40年・または銃殺の重罪だった。
当然マンタン王国からクレームが届いていたが、映画の放映中止はもちろん、監督の拘りから該当シーンの削除すらしたくない。
そこで和田と監督、配給会社社長(白井晃)の3人は日本土産を手にマンタン王国へ渡って謝罪することになる。
好意的に彼らを迎え入れるマンタン王国の老国王(津嘉山正種)や国民たちだったが、和田の持参したコケシを目にした途端に激怒して追い返されてしまう。
怪しげな通訳のワクバル(濱田岳)によると、マンタン王国では過去に敵国に捕えられて変な髪型をしたうえに首を捻り殺されたという忌むべき歴史があり、コケシはそれを思い起こさせる形をしていた上、和田が首を捻ってしまったのが悪かった。
マンタン王国は日本で使用される綿の大部分を輸入している外交上大切な国であった。
そこで、マンタン王国の日本大使館に駐在経験もある国松文部科学大臣(小野武彦)が乗り出すが、失言を繰り返す大臣であり典子は不安を覚える。
老国王とも親しい国松の来訪で両国は和解して、共同声明を行う。
だが、帰国した国松はマスコミからマンタン王国から再び抗議されていることを聞かされる。
実は、会見の後のパーティで国松は外国人には許されているからとマンタンでの飲酒で泥酔し、国王の孫に対して王族以外には禁止されている頭を撫でるという行為を行い、王妃や侍女たちに抱擁やキスなどを迫り、その後も様々な失態を繰り広げていたのだ。
そこで今度は枝下外務大臣(濱田マリ)が収拾へと乗り出すことになる。
枝下は過去にマンタン王国では全国民が泣き、日本国中は爆笑したというキャッチフレーズを持つ『バタールの丘で』という映画で主演したことにより、マンタン王国では英雄として讃えられている南部を謝罪のプロとして引き連れていく。
国民たちから大歓迎を受ける南部は枝下と共に国王の前へと進み出ると、これまでの一件に対する謝罪の意を込めて土下座する。
が、途端に国王や国民は激怒して、二人は追い返されてしまった。
実はマンタンでは土下座のポーズは最大級の侮辱行為。通訳のワクバルは知っていながら黙っていたのだ。
遂にマンタン王国は貿易停止を表明し、日本では女性たちが生理用品の買い占めに走り、買えなかった女性たちは布団屋へ行って綿を買い占めるという現象が発生してしまった。
もはやここまで来たら内閣総理大臣に謝罪してもらうしかないと決意する黒島に、典子は何故そこまで謝罪に拘るのかと疑問を抱く。
箕輪と共に訪れた黒島に、大戸谷総理大臣(嶋田久作)は自分が謝罪するしかないという決断を下す。
大戸谷は黒島に土下座を超える謝罪がある事を確認するが、実は土下座を超える謝罪など存在していなかったため、黒島は追い詰められてしまう。
そして大戸谷は黒島と共にマンタン王国へと渡るが、出迎えた王族や国民たちは、最大級の侮辱である土下座で彼らを迎える……
case 6 黒島譲の場合
黒島譲が初めて土下座をしたのは、友達と共に温泉でザリガニを飼おうとして大量に殺してしまった時のことだった。誰に教えられることもなく土下座をした彼は、大人たちの視線が自分の背中に注がれていることに気づいた。
以来、彼は生徒会副会長やバレー部副部長など、責任があって謝罪のしやすいポジションについて謝罪をしていた。
その後、様々な職業についていた黒島に転機が訪れる。
行列の出来る人気ラーメン店『言語道断』に行った時、ようやく店に入った黒島はこの手の店独特の大声での対応に威圧されて、無意識に謝罪を繰り返していた。
と、店員がラーメンの湯切りをした時、黒島の顔にお湯が掛ってしまう。
その場は我慢して上手いラーメンを食べた黒島だったが、近くの喫茶店『泣きねいり』で気持ちを落ち着けるために珈琲を飲むことにした。そこで一時間心を落ち着けようとした黒島だが、どうしても怒りは収まらず、店へ乗り込んで厨房の船木(松本利夫)に謝罪を要求する。
だが、どれほど待っても喫茶店に船木は現れず、翌日になって話を聞いた店長の店長(池田鉄洋)が店員と共に謝罪に訪れる。
船木は既に辞めてしまい、連絡先も個人情報なので教えられないという。
彼の謝罪を受け入れず、ただ船木に謝って欲しいという黒島。
しかし今度はチェーン店の本店から社員がきて謝罪して、謝罪金まで渡してくる。
その後も客にお湯が飛ばない湯切りシステムの開発や、厨房と客席の間にガラスの仕切りを設ける、お湯が飛びましたカードの設置などの謝罪方法を見せるも、ただ船木に謝ってもらいたいだけの黒島は困惑してしまう。
そしてついにラーメン屋は閉店してしまった。
黒島は世の中には自分のようにただ謝罪してもらいたいだけの人もいるのだと考え、東京謝罪センターを作ったのだと箕輪に語る。
そして公園で休憩していた典子の前に、子供を連れた船木が姿を見せる。
当時は若くて素直に謝罪出来なかったという彼だが、今は黒島に謝罪したいと思っていた。だが、時間の経過のためどう謝罪していいか判らなかった。
船木の子供は、CMから土下座を超える謝罪方法を知っているなら教えてほしいと典子に訊ねる。そんな方法を聞いていなかった典子だが、昔見た映画のワンシーンを思い出していた。
そのことが、黒島の窮地を救い、彼女の忘れていた幼い頃の記憶を取り戻させることになるのだった。
公式サイト:http://www.king-of-gomennasai.com/
・キャスト
黒島譲:阿部サダヲ
倉持典子:井上真央
運転手:松尾諭
黄村家朗:中野英雄
高幡弁護士:六角精児
沼田卓也:岡田将生
宇部美咲:尾野真千子
箕輪正臣:竹野内豊
沼田の父:深水三章
南部哲郎:高橋克実
壇乃はる香:松雪泰子
英里人(えりーと):鈴木伸之
南部のマネージャ:笠原秀幸
南ナミ:美波
被害者A:小松和重
箕輪の妻:真飛聖
箕輪の娘:井上琳水
和田耕作:荒川良々
配給会社社長:白井晃
映画監督:岩松了
ワクバル:濱田岳
マンタン王国の老国王:津嘉山正種
マンタン王国の皇太子:野間口徹
国松文部科学大臣:小野武彦
枝下外務大臣:濱田マリ
大戸谷総理大臣:嶋田久作
助監督:柄本時生
マンタンの映画監督:中村靖日
船木:松本利夫
店長(みせなが):池田鉄洋
喫茶店『泣きねいり』マスター:大川ヒロキ
宮藤宮九朗脚本のオリジナルコメディ映画で、『舞妓Haaaan!!!』『なくもんか』のスタッフによる作品。
てっきり主人公が謝罪しなければならない人間に代わって、土下座を使いながら謝罪するという話なのかと思ったら、謝罪のサポートをするという話だった。
漫画『どげせん』の作者のRINがパクリだとツイートした事で、逆に有名になったとも言える作品。
結局、抗議は撤回して終息したんだけど、ステマなのかと思ったぐらい。
ケース2からケース5までは同時進行しているため、時間軸が前後したりして、それぞれのケースで関わりがあった事が判明したりします。
様々なところで実に巧妙に伏線が貼られており、非常に良く出来ている。
笑いどころも多数あります。
ところどころでパロとかもあって、沢尻のパロとかギリギリだな。そういや、沢尻って完全に見なくなったよね。ま、出てこなくてもいいんだけど。
ケース5のエピソードがメインとなるお話。
もちろんマンタン王国なんて架空の王国なのですが、映画が終わった後で、エレベーターに乗っていた女の子の一人が本当にマンタン王国の謝罪ってあんなのだったら笑える、とか口走ってた。友達にマンタンが存在しないことをつっこまれてましたが。
映画は撮り直しをするかCGで王子の姿を消せば問題解決なんじゃないかと思っていたけど、拘りのシーンで消したくなかったのか。拘っていたのはメインだけでなく、皇太子の演技の部分もなんだな。
まぁ、そんな拘りを捨ててさっさと消去しておけば、国際問題にまで発展しなかっただろうに。
登場人物は変な人たちばかりで、おかしいと思った典子が実は結構まともな方だったという事態。
依頼者の中では和田の次にまともかも?
英里人はかなりまともな人だったのに、なんで謝罪シーンだけあんなだったんだろうな。
最終章の黒島が謝罪師になった経緯は、第3者から見ると完全にクレーマーだよな。
店長たちがあれだけ謝罪しているんだし、本人が来なくてももう許してやれよという感じなんだか。
マンタン王国のラストは良く判らないんだが、みんなで笑顔で謝罪というのはどういう状況なんだろうか。日本の謝罪を受けたマンタンの人々まで一緒に、しかも笑顔で謝罪しているというのがさっぱり判らなかった。
主題歌はE-girls『ごめんなさいのKissing You』
エンディングではE-girlsとExcelメンバー、および出演メンバーがダンスを踊っていますが、PVのノリでこれもかなり力が入ってる。
個人的評価:80点
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