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薄桜鬼~新選組奇譚~ 第十二話(最終回)「剣戟の彼方」

慶応四年一月三日、鳥羽・伏見の戦い。
薩長連合と本格的な戦闘となった旧幕府軍は数の上でこそ圧倒的だが、近代兵器を使用する薩長の前に、幕府軍は圧倒されていた。
千鶴のナレーションがやたらと鬱々とした雰囲気で、重たさを感じさせる。
まぁ、ここから新選組は破局の一途を辿るわけで、そういう意味では仕方のないところです。

負傷した局長・近藤勇に変わって新選組を指揮するのは副長・土方歳三。
皆を心配しながら負傷者の手当を行う雪村千鶴に、井上源三郎は皆この時代には珍しい本物の武士であると、彼らを信じるように告げる。
今まで影の薄かった井上さん40歳、急に見せ場なんて作るとその先に待っているのは……

敵の近代兵器を使用した猛攻の前にさしもの新選組も為す術がなく、斉藤一や原田左之助らも為す術もなく帰還する。
千鶴は決死隊となった永倉新八と島田魁の身を案じる。彼らは無事に戻るも部下の殆ど失ってしまっていた。
時代の移り変わりを感じ取る土方は撤退を余儀なくされる。
千鶴は自ら志願して井上と共に援軍の伝令へと向かうも、淀藩は既に敵方へと寝返っており援軍の要請に応じて貰えなかった。
井上さんも大変です。伝令であるなら、何としても伝えるのも大切だが、無理だと判れば引いて事実を伝えるのも大切な役割なんですよ。
ぐずる千鶴を強引に連れ戻る井上だが、寝返った旧幕府軍の兵士の凶弾を浴びてしまう。
土方への言伝を千鶴に託して敵へと切り込んで命を落とす井上。
さっさと逃げろって言ってるのに、ぐずぐず残る千鶴。完全に井上は犬死にだよ。
旗色が悪いからと行って寝返った兵士たちを「武士の風上にも置けない」と非難して剣を抜く千鶴。彼女に迫る兵士は淀藩の様子を窺いに来た風間千景に殺害される。
京都の各藩に朝廷は薩長軍に錦の御旗が味方すると決定を下し、今や薩長の新政府が官軍、旧幕府軍こそが逆賊となった。
淀藩が寝返ったのも、この朝廷からの指示が下りていたからこそ。薩長が朝廷を抱き込んだという証。
所詮人は己のため、金のために動いていると嘯く風間だが、護るべき者があるからこそ戦うのだと土方が現れる。
井上を殺害したのが風間だと勘違いした土方は、それを否定しない風間に斬りかかる。犬死にと口にする風間に憤る土方の猛攻撃に、風間は鬼としての本当の姿を露わとする。
鬼の一族も本来の力を発揮すると、白髪になるのか。しかも角が生えてくるのだね。千鶴もなろうと思えばなる事が出来るのでしょうか。
この鬼の姿は血の濃い風間だけがなれるのか、それとも他の二人もなれるのか。

本来の力を発揮した風間の前に為す術のない土方。
所詮一人では何も出来ない存在である彼らには何も護れないと告げる風間に対して、土方は変若水(おちみず)を口にして羅刹となる。
紛い物と呼ばれようと、乗り越える事で本物となる。
顔に傷を付けた土方に怒る風間とぶつかり合う土方。
鬼となった土方は風間と互角に渡り合う。だが両者の戦いに天霧九寿と山崎烝が割って入る。
「何やってるんですか、副長。
 あなたは頭で、俺たちは手足の筈でしょう。
 手足なら無くなっても替えは聞きます。
 でも、頭が無くなってしまっては、何もかもおしまい……です」
命を賭して戦いを収めた山崎に、土方は羅刹から人の姿へと戻る。
忍者山崎はあまり大きな見せ場もないまま退場。

駆けつけた原田たちに山崎の手当を頼む土方は、千鶴と共に井上を埋葬する。
千鶴が風間に対して小太刀を抜いていなかった事で、井上を殺した犯人は死んでいる男たちだと頭で理解していた土方だが、全てを見抜いたように挑発した風間に我慢が出来なかったのだ。
理性よりも感情で行動してしまった。

大阪城へと入った土方たちだが、そこに将軍は存在せず、既に会津藩と共に江戸へと移っていた。武器弾薬共に殆ど存在せず、夜襲を掛けた羅刹隊も銀の弾丸を浴びてやられていた。
武器弾薬も無ければ、切り札の羅刹隊も壊滅状態で、新選組はもはや江戸へ引くしか手立てが無かった。

山崎は千鶴に帳面の事を頼む。そんな彼に早く元気になってもらわないと困ると明るく声を掛ける山崎だが、山崎はそのまま息絶えてしまう。
山崎は羅刹にならなかったのね。

幕府のために大勢の仲間が戦ってきたのに犬死にだと悔やむ永倉。
永倉はいよいよフラグを立てまくり。
「犬死になんかじゃないですよね。
 無駄に死んだ人なんか一人もいないですよね」
土方に問い掛ける千鶴。
自分たちは徳川将軍のために戦ってきたわけじゃないと否定する土方。
江戸で再起を図る戦いをかける。
と、書いても誰もが知っているように、今後はどんどん戦線は悪化して、死亡する者、離隊する者が増え続けていくわけですが。
問題は羅刹となった人たちがどのような道を辿るのか、鬼との決着をどのようにつけるのか、でしょうね。

生き残るのは斉藤とか永倉とか数少ない人数だけ。

そんなわけでなんだかかなり中途半端な状態で終わってしまいました。
秋、第2期放映!
秋という時点で、最初から決まっていた2期ですね。
単純に変則2クールだったのでしょう。


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Author:黒虎
アニメや音楽・映画などの個人的主観に基づいた感想をつらつらと駄文で書き綴っています。

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年中無休で貧乏人です
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