なんか今年も数学的な春やったな。
オレはそういうのを何度も見てきた。
一橋大学2009年度の第2問の解説
[問題]
(1)任意のθに対して
-2≦xcosθ+ysinθ≦y+1
が成立するような点(x,y)の全体からなる領域をxy平面に図示し、その面積を求めよ。
(2)任意の角α、βに対して
-1≦x^2cosα+ysinβ≦1
が成立するような点(x,y)の全体からなる領域をxy平面に図示し、その面積を求めよ。
[解答と解説]
(1)
任意のθに対して成り立つような(x,y)って言う論理がちょっと難しいかもしれんけど、任意のθに対して成り立つってことは、まずは(x,y)を固定して考えてθを動かして
f(θ)=xcosθ+ysinθ
とおいてf(θ)の最大値と最小値を考えて
-2≦f(θ)の最小値
f(θ)の最大値≦y+1
となれば良いって言うように読みかえるねん
三角関数の合成からある実数αを用いて
f(θ)=√(x^2+y^2)cos(θ-α)
って言うように表されるからθを動かせばf(θ)の最大値は√(x^2+y^2),最小値は-√(x^2+y^2)ってわかるわけや。
αはcosα=x/√(x^2+y^2),sinα=y/√(x^2+y^x)とか具体的に書いてまうと(x,y)=(0,0)は分母が0になるからわけて
考えなあかんようになるから、αについてはもうそういう実数があるって書くだけにしておいた方がええねん。
だから
-2≦-√(x^2+y^2)かつ√(x^2+y^2)≦y+1
であればええねんけど、
-2≦-√(x^2+y^2)
⇔
2≧√(x^2+y^2)
⇔
4≧x^2+y^2
ってこっちは原点中心の半径2の円の内部とその境界で
√(x^2+y^2)≦y+1
⇔
x^2+y^2≦(y+1)^2かつy+1≧0
⇔
y≧x^2/2-1/2
って放物線の上側とその境界になるねんけど、y+1≧0を考えるを忘れんといてくれ。
これあれやからなあ。
まああれなわけや。
だからなんやねんって話やなこれ。
無理方程式でも
√A=B
って式があったら、両辺二乗すると
A=B^2
やけどこの式は
(√A - B)(√A + B)=0
⇔
√A=Bまたは√A=-B
ってなってしまって二乗すると√A=Bと同値じゃなくなります。
だから
A=B^2かつB≧0
⇔
√A=B
って言うようにB≧0の条件をつければ同値になるねん。
それと同じ論理やと思ってくれ。
でも結局y≧x^2/2-1/2はy≧-1を常に満たすから、y≧-1は考えなくてもよくなります。
図示すると、放物線が円を切り取るような感じやな。
この面積を求めるのはちょっと難しいな。
まず円と放物線の交点を求めるとA(-√3,1),B(√3,1)で∠AOB=2π/3ってわかって求める面積は
扇型-△OAB+(y=1と放物線に囲まれた部分)
=1/2・2π/3・2^2-1/2・2・2sin(2π/3)+∫(-√3,√3)(1-(x^2-1)/2)dx
=4π/3+√3
ってなります。
こういうのは絵を書いて考えるのがコツです。
(2)
今度はα、βって言うように任意の実数が二つあります。
同じように考えると
-1≦x^2cosα+ysinβ≦1
は
-1≦x^2cosαの最小値+ysinβの最小値
かつ
x^2cosαの最大値+ysinβの最大値≦1
であればオッケーです、
-1≦cosα≦1,-1≦sinα≦1やから
x^2cosαの最小値-x^2,最大値x^2
ysinβはyの正負でyと-yどっちか最大値でどっちか最小値かわかるから
最小値は-|y|、最大値は|y|
ってなるねん。
だから
-1≦-x^2-|y|
かつ
x^2+|y|≦1
であればええねんけど、これはどっちも同じ式やから
|y|≦1-x^2
を求めたらええことになります。
これは絶対値を素直に外して
y=
1-x^2(y≧0)
x^2-1(y≦0)
で図示すると、二つの放物線1-x^2とx^2-1に囲まれた部分になります。
だから面積は
2∫(-1,1)(1-x^2)dx
=-2∫(-1,1)(x-1)(x+1)dx
=2・2^3/6
=8/3
これが文系の一橋大学で出されるわけやから、大変やな。
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