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受験数学かずスクール
京大理学部で数学をやったわんこらが中学生や高校生、受験生に数学の公式や問題を解説します。

万有引力の位置エネルギーの計算の仕方と何故基準点を無限遠にとるか
万有引力の位置エネルギー(ポテンシャルエネルギー)は何故、無限遠に座標をとるのか説明をします。


みんなが物理が好きなのはわかります。
オレも物理が好きでした。

物理を愛してました。



でも位置エネルギーとなると、なんかよく頭がこんがらがって一日中悩んで何も勉強できなかった日々が続きました。

と言うことで、同じような思いをして欲しくないと言うことで説明してみます。


まず、普通の重力の位置エネルギーを例にして考えてみます。

090201_p1.jpg

質量mの物体があって、重力加速度をgとします。

まずは物体の図を書いて、正確に座標と力を書き込みます。

座標xはどっちでも大丈夫ですが、普通は鉛直上向きを正にとります。

すると、物体には『鉛直下向き』にmgの『大きさ』で力がかかっています。
だから向きまで考慮すると物体には-mgの力がかかってると言うことになります。

この物体を座標の正方向に持ち上げるにはその符号が反対の力が必要です。
その持ち上げる力をF(x)とすると

F(x)=-(-mg)
=mg

です。
そしてこの物体を力F(x)で基準点x=h0としてh0からhまで移動させる時の仕事が位置エネルギーUで

U=∫(h0,h)F(x)dx
=∫(h0,h)mgdx
=mg(h-h0)

になります。


そして普通、h0を0にとると

U=mgh

となって扱いが楽になります。




これと同じように万有引力でもやります。

090201_p2.jpg

質量Mの物体と質量mの物体があって重力定数をGとします。

質量mの方の位置エネルギーを求めることを考えます、

同じように物体の図を書いて、正確に座標と力を書き込みます。

座標xは普通は質量Mの中心を0として外向きに正にとります。


すると、xの位置にある物体には『マイナス方向』にGMm/x^2の『大きさ』で力がかかっています。
だから向きまで考慮すると物体には-GMm/x^2の力がかかってると言うことになります。

この物体を座標の正方向に移動させるにはその符号が反対の力が必要です。
その力をF(x)とすると

F(x)=-(-GMn/x^2)
=GMm/x^2

です。
そしてこの物体を力F(x)で基準点x=r0としてr0からrまで物体に働きかけた仕事が位置エネルギーUで

U=∫(r0,r)F(x)dx
=∫(r0,r)GMm/x^2dx
=-[GMm/x](r0,r)
=-GMm/r+GMm/r0

になります。


そして基準点はr0ですが、GMm/r0が0になるようにとれば便利なんですがそうするには、r0を無限に大きくすれば0になります。

数学3風に言うとr→∞の極限を考えます。
その前にさっきの積分が数学3ですが。

U=lim(r→∞)(-GMm/r+GMm/r0)
=-GMn/r

でこれで扱いが楽になります。


無限遠に基準点を取るとって説明されてるのがわかりにくいですが、物理的な意味と言うより自分で設定した座標で無限遠の点を考えるとって言う意味です。

物理的に無限遠の点があるのかどうかはわかりませんし、r0はどこにとって計算しても同じだから∞にすると便利なだけなので位置エネルギーの計算には物理的な意味の無限遠の点は関係ありません。

高校物理

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