京都大学2008年度理系乙の第4問、二つの絶対値の関数の共有点の個数です。
[問題]
定数aは実数であるとする。関数y=|x^2-2|とy=|2x^2+ax-1|のグラフの共有点はいくつあるか、aの値によって分類せよ。
[解答と解説]
絶対値の扱い方として、
1,二乗する
|A|=|B|⇔A^2=B^2
2,正負で分ける
|A|=|B|⇔A=±B
3,グラフを考える
4、距離と解釈
がありますが、この問題では1二乗すると4次関数になって死にます。
距離と解釈しても意味ありません。
y=|x^2-2|とy=|2x^2+ax-1|のグラフを書いて考えると、複雑すぎてわけわからんことなります。
こういう時は、正負でわけるしかありません。
|x^2-2|=|2x^2+ax-1|
⇔
±(x^2-2)=(2x^2+ax-1)
⇔
x^2+ax+1=0…①,
3x^2+ax-3=0…②
まず①については判別式D1とすると
D1=a^2-4
=(a-2)(a+2)
だから
a<-2,2<aの時、2個
a=±2の時、1個
-2<a<2の時、0個
②については判別式D2とすると
D2=a^2+36>0
で常に2個です。
と、あの天下の京都大学の理系の乙の問題がこれで終わりなはずがありません。
①と②で解が同じのがあれば重複して数えてしまってることになります。
その時のaの値を求めなければなりません。
①の解は
x=(-a±√(a^2-4))/2
②の解は
x=(-a±√(a^2+36))/6
だから
(-a±√(a^2-4))/2
=(-a±√(a^2+36))/6
(複号任意)
を解いたら、aの値が出るわけですが…。
やってみたら、腱鞘炎の一歩手前になりました。
そしたら、このやり方では無理なのか?ってグラフ書いてみたり四次関数を調べてみてもぶーわーなります。
ここで発想を少し変えて欲しいんですが、①と②のxが等しい時のaなわけだから①と②を連立して解けばいいのではないか?
やってみましょう。
①-②したらaxが消えるから
①-②:-2x^2+4=0
これを解いてx=±√2
これを再び①に入れると
x=√2の時はa=-(3√2)/2
x=-√2の時はa=(3√2)/2
です。
つまり、a=±(3√2)/2の時は①と②は共通の解をx=√2か-√2の一つを持つことになります。
これはどっちもa<-2,2<aの範囲だから共有点4個のうち2個を重複して数えてるから3個です。
最後はまとめて
-2<a<2の時、0個
a=±2±(3√2)/2の時、3個
a<-3√2/2,-3√2/2<a<-2,
2<a<3√2/2,-3√2/2<aの時、4個
です。
この問題は閃いた人はすぐに解けるかもしれませんが、実際には結構難しいんではないかと思います。
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