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お客に恋してはいけないことくらい彼女もよく知っていた。依頼が頻繁にあるのはお客の精神状態が不安定なせいで彼女に逢いたいせいじゃない。勘違いしてはいけないと言い聞かせた。 できたら今すぐ来て欲しい、よく眠れない、つらい、安らかな夢が見たいと電話で乞われれば彼女は何をおいても駆けつけた。夢使いなのだから当然だ。彼女の仕事は依頼人という名の「お客」に望む夢を見せるこ...全文を読む
その日は電話で叩き起こされた。目覚ましよりも一時間以上早い時間で、何かあったと覚醒する前に察した。「店長、お休みのところすみません」 舞衣だった。時計をみると七時をまわったところだ。「あの、たった今、祖父が倒れたって電話があって、いま親と連絡取ってるんですけど詳しい状況がよくわからなくて……」 舞衣の実家は青森だったか。店のほうは大丈夫だからと言って、頭のなかでシフト表を思い浮かべる。すみませんと...全文を読む
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