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俺は午前中いっぱいベッドから起き上がれずに朝食を食べそこなった。ところが彼は軽いジョギングのあと健啖ぶりを発揮して俺のぶんまで腹におさめたと笑った。 昼過ぎに依頼人の病室で俺たちははなしを聴くことになった。彼女の年の離れた従兄がやはり夢使いで、その勧めで夢見式があってすぐ〈外れ〉た日の落ち着かなさ、師匠が強制連行されたときの周囲の大人たちの言葉などを子供だったときの感じ方と、今現在だけでなく、娘...全文を読む
朝職場についてすぐ、遠出しているあなたから少し興奮した声で電話がかかってきた。依頼人の知人が戦中戦後の強制労働逃れのために夢使いから〈外れ〉たひとだという。沈黙を強いられてきた件でもあるし、女性だという事実も手伝って、たしかにはなしを聴かせてもらえるなら有り難いのだが……「担当地域があるのでおれが行くわけには」 あなたは、あ、と声をあげて、そりゃそうだよな、とわらった。けれどおれは嬉しかった。あな...全文を読む
あなたを監禁した男は未成年で、教授の講義を受けていた。ゼミも予定されていた。おれが帰国するより前に、だからあなたは教授とはなしをした。 病室に入る前にあなたの従姉に引きとめられた。彼女はあなたには連絡しないでくれと頼まれているのと口にしておれを別室に連れて行った。従うより他なかった。 性的暴行のはなしはそこで聞いた。警察に訴えないという件も。病院に送られた犯人の遺書には成人と同時にあなたを道連れ...全文を読む
口を塞いでいたタオルを引き抜かれたときには俺は意識を失っていたらしい。「依頼人」は口にペットボトルを押しつけた。それで目が覚めた。血のついた涎塗れのタオルが腹のうえに落ちたのをぼんやりと眺めていると、鼻をつままれてボトルを飲み込まされた。水だった。 残り半分は俺の左手に振りかけられた。沁みた。少なくとも普通の神経は生きていると知れた。血と水が手首から腕を流れ背と胸を伝いおちた。「依頼人」はベッド...全文を読む
あの日、シャッター音に目を覚ますと両手がパイプベッドに繋がれていた。手錠。とはいっても玩具だともわかった。それでも外れそうもなかった。しかも俺は裸にされ、口をガムテープで緘されていた。窓が閉め切られた薄暗い部屋だった。 ベッドの横の丸椅子に、端末を操作する「依頼人」が座っていた。先ほどの機械音が俺の姿を撮ったものだということは理解できた。それがどこかに送信されたであろうことも。わけがわからなかっ...全文を読む
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