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HOME   »   原発・放射能  »  東電の「すべて津波のせい」は、やはり無理がある
       
今回のような巨大な災害が起こったりすると、今まで隠されていたことが、まるで液状化現象のように噴出してきます。

いまだ、水素爆発の危険性のある福島第一原発1号機ですが、どうも地震直後から冷却水の水位が下がっていたようです。
東電は、今日、1号機の水位の状態を時系列で示したデータを発表しました。

それによると、11日の本震直後から水位が下がり始め、7時間後には燃料棒の上45cmまで下がっていたとのこと。
翌12日午前9時には燃料棒がむき出しの状態になり、カラ焚き状態に。
そして、その6時間後の午後3時半頃、建屋が水素爆発を起こしたのです。

「想定外の津波せい」の一点張りで、責任回避を図ってきた東電幹部たちですが、このデータにより、津波のせいにばかりできなくなったようです。

東電社長のトンズラ清水、会長の勝俣らは、当初から「想定外の津波のせい」を繰り返してきたわけですが、まだ、はっきり原因がわかっていないうちから、この奇妙な誘導には首をかしげるマスコミも少なからずいたのです。

これは、原子力損害賠償法に関係しています。
つまり、未曾有の災害、想定外の災害の場合は、東電の責任は無限ではあるものの、補償しきれない場合には、実質的には国が肩代わりする、という法律。

その場合、経営幹部連中の責任を追及しづらくなるわけです。

1号機の水位が、地震直後から急激に落ちて燃料棒が露出したのは、地震による揺れによって、圧力容器になんらかの不具合、あるいは損傷が発生して、そこから水漏れをしたことが明らかになったのですから、津波が直接の原因ではないことが証明されたようなものです。

このことは、「第一原発敷地を襲った津波の高さが、たかだか1~1.5m程度であったことを検証した」時点でわかっていたことでした。
おそらく、東電は、いまに至っても、敷地内に設置された複数の監視カメラの映像を、“お上”に提出していないことでしょう。「テロ対策」を理由にして。

ですので、とても厳しい表現ですが、東電は、今でも信じるに値しない企業です。まだ、情報を隠しています。
東電は、非常に特殊な風土を持った企業です。

福島第一原発の設計に当たって、想定していた津波の高さが5.7mというのも、とんでもないことですが、何より、耐震基準がしっかり守られていたのか、検証する必要があります。

そして、その耐震基準の算定の仕方が、地震大国・日本の実情に合致したものであったのか、影で政治家、利害関係者の暗躍がなかったか、しっかり調べる必要があります。(当然、あったのですが)

東電幹部は、いずれ株主代表訴訟によって、すべての資産を株主の賠償に当てることになるでしょう。
原子炉に瑕疵があったということになりますから、もう言い逃れはできないでしょう。
それでも、彼らの犯した罪は、そんなもので贖えるものではありません。

今、このときも死の脅威の中で作業をしている人たちがいます。

1号機は、冷却機能復帰の見通しさえ立っていません。
報道のトーンが下がってくると、小康状態なのかと錯覚してしまうのですが、まったく事態は変わっていません。

濃度の高い汚染水が外に流れ続けています。炉心の溶融が継続して進んでいることを示しています。
水素爆発の危険性は、まったく去っていません。

今現在、1号機の原子炉格納容器には水素爆発を防ぐために、窒素を注入し続けています。これは、今後、数日、続くということですから、原子炉格納容器から放射性物質が外に出ていることになります。

そして、明日は東北・関東は雨です。
水道水の摂取制限に注意しましょう。

今夜のうちに、飲料水としての水道水をポリタンク、ぺットボトルに入れておいてほうがいいかもしれません。
まあ、今夜といわず、これからずぅーっと。

東京都1時間ごとの測定結果





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