次の日本の原発事故(それは不可避)は、さらに悪い
The next Japanese nuclear accident (it’s inevitable) will be even worse
この記事を書いたブロガーは、スリーマイル島・原発事故のとき、大統領の命によって設置された事故調査委員会で調査員を務めた略名がボブという人です。
日本語に訳す前ですが、おそらく福島第一原発の事故収束に当たっている日本の政府や、東電を始めとする当事者たちを、ひどく批難している記事でしょう。
面白いもので、英語のブログでも、そのブロガーの人柄というか、波動というか、どんなトーンの記事なのか、あらかじめ分かることがあります。彼は少し傲慢すぎるようです。
しかし、歯に衣着せぬ率直な主張なだけに、今までの紳士的で思いやり深いブロガーたちが、傷心の日本人を気遣って書かなかったことがあるのかもしれません。
読み進めるうちに、どんな辛辣な批判が出てこようと中断することなく、最後まで日本語に訳す、と決め打ちして、いざ翻訳です。
日本語に訳す前ですが、おそらく福島第一原発の事故収束に当たっている日本の政府や、東電を始めとする当事者たちを、ひどく批難している記事でしょう。
面白いもので、英語のブログでも、そのブロガーの人柄というか、波動というか、どんなトーンの記事なのか、あらかじめ分かることがあります。彼は少し傲慢すぎるようです。
しかし、歯に衣着せぬ率直な主張なだけに、今までの紳士的で思いやり深いブロガーたちが、傷心の日本人を気遣って書かなかったことがあるのかもしれません。
読み進めるうちに、どんな辛辣な批判が出てこようと中断することなく、最後まで日本語に訳す、と決め打ちして、いざ翻訳です。
(ここから翻訳)
この記事は、去年、日本の津波に続いて起こった福島第一原発事故に関する6本目の記事である。
しかし、この記事は、これまで書いてきた記事(1,2,3,4,5)とは違って、次に日本で起こるであろう原発事故を予想するものである。
次の原発事故は、おそらく同じ場所で起こるだろう。
核燃料に関係する事故というのは、起きないようにすることができるはずなのだが、しかし、結局は起こってしまうものなのだ。
防ごうとしても防げないという事実は、日本政府と東京電力の無能さと愚かさを見れば分かるというものだ。
日本のトップで行われていることというのは、完全に目を背けたくなるほど酷いので、おそらく日本の人々は無用な死を押し付けられることになるだろう。
私が、スリーマイル島・原発事故のとき、大統領委員会の調査員として仕事に携わり、その先端において社会的な評判を得て、後に、この事故に関する本を書き表した人間であることをよく知っておいて欲しい。
そして、日本で20年間、技術コンサルティング事業を営んでいた人間でもあることを。
ここに、その問題がある。
福島第一原発の損傷を受けた4号機には、“運命の原子炉から”まだ取り出されていない1535体もの核燃料がある。
それらの核燃料を取り出すのに、最短で3年はかかるだろうと見積もられている。
4号機原子炉のすぐ隣、そして原発敷地内の他の場所には、約9000体の核燃料があり、主に水を入れたプールの中に貯蔵されている。
しかし、いくつかスポットにおいては、燃料は直接、空気にさらされ、あるいは水をかけることによって冷却されている。
福島第一原発の敷地内で、不安定な状態で置かれている燃料集合体は、全部で11000体を超える。
使用済み燃料を含めて、燃料のすべてを取り出すのにもっとも順調に進んだ場合でも10年はかかると見られているが、実際は、それ以上かかると考えるほうが妥当だろう。
福島は地震の活発な地域である。
日本海溝と呼ばれているエリアでは1973年以来、9つのマグニチュード7、あるいは、それより大きい地震を経験している。
1993年には、マグニチュード5.8、2003年には、マグニチュード7.1、2005年には、マグニチュード7.2の地震が起きており、つい去年のことだが、福島原発のすぐ沖でマグニチュード6.2の地震が起きて、原発をシャットダウンさせ、ダメージを与えたのだ。
小さな地震でさえ、原子力発電所を損壊する場合がある。
2007年、日本の西海岸で起こったマグニチュード6.8(新潟県中越沖地震)の地震は、東京電力に56億2000万ドルの損害をもたらした。
しかし、去年のマグニチュード9.0の地震と津波は、その地方の地質を不安定にし、事態をいっそう悪くしたのだ。
最近、日本政府が出した地震の評価についての改訂版によれば、この地域でマグニチュード7.0以上の地震が起きる確率は、3年以内に90%ということである。
津波、そしてその後で起きた原発の爆発によって、根底から破壊されてしまった4号機建屋は、マグニチュード7.0の地震には耐えられないだろう。
マグニチュード7.0以上の地震は、循環冷却システムを破壊し、核燃料貯蔵プールから水漏れを起こさせて、プールそのものを崩壊させてしまうだろう。
これが起これば、原子炉の地下部分と、燃料プールの底の部分を引っかき回し、核燃料は外気に晒され、温度が上昇して最終的にはメルトダウンが起きるのだ。
このメルトダウンは、破滅的な爆発を起こし、セシウム137の放射性ガスを放出させることになるだろう。
福島第一原発にあるセシウム137の総量は、チェルノブイリ原発の85倍にも相当する。
繰り返すが、この3年以内に巨大地震が起こる確率が90%もあり、福島第一原発にある一定量の燃料のうち、もっとも不安定な状態にあるものを、この3年以内に取り出す必要があるということなのだ。
プラントから完全に燃料を取り出すには10年以上かかる。
その間に地震が起きる可能性は、つまりは100%なのだ。
核燃料が、そこから取り出される前に巨大地震が起これば、それは、世界的な環境の破滅的事態である。
その場合、多くの死を伴うだろう。
このようなことが、どのようにして起こるのか説明してみよう。
私は、あるパートナーとともに、この20年間、日本の大企業のうちのいくつかをコンサルティングしてきた人間である。
以下は、我々が、このビジネスをどのようにして努めたかについてである。
1)まず、日本の大企業は、数年以内という時間の枠で達成すべき大胆な技術目標を宣言する。
このことは(大風呂敷を広げるだけだから)、スーパーコンピューターを構築したり、月に行ったり、もう何でも可能になってしまうのだ。
2)時間が経ち、四半期の会議で、チームのリーダーは、プロジェクトの進捗状況を訊ねられる。
リーダーたちは、計画がほとんど進んでいなくても、「すべては首尾よく進行中です」と嘘の報告をするのである。
資金は費やされつつも、仕事は、まったくといっていいほど手がつけられていない。
3)プロジェクトのデッドラインは、どんどん近づき、とうとう若手のチームメンバーは、会議の場で、ほとんど計画が進行していないことを認めざるをえなくなるのである。
それがために、彼は批難の矢面に立たされ、その責任を取って辞職願いを出す羽目になってしまうのだ。
会社側は、目標に到達できないことが分かって当惑するしかないのだ。
4)企業の当惑を回避するための最終的な試みとして、その会社は私に接触してくる。
確かにボブは、我々のスーパーコンピュータを構築したり、月に連れて行ってくれるシリコン・バレーのガレージ操業者を知っている。
金に糸目はつけない、と。
5)果たして、しばしばそのような操業が行われ、事態は収拾をみるのである。
このことが、今まさに福島第一原発で起こっている、というのが私の確信である。
まさに時間のロジックと、死ぬほど驚かされるような切羽詰った状況が完全に無視され、呪術的思考に置き換えられるのである。
組織は、現在の災害を収束させ、次の災害を回避するために外部に委託しようとしている。
事実、彼らにとっては、その両方ともやりこなすことができないのである。
日本の政府と(原発)産業は、彼らのお陰で死にかけている市民のことを気にかけるより、自分たちの弱さが世間に露呈されることを恐れているのだ。
彼らは、その弱さのために平常心を失うことを恐れているので、地震が起きないことを祈りつつも、自分たちができもしないのに、「最善を尽くそう」と突き進んでいるのである。
これは、核のカタストロフィーに臨む姿勢ではない。
さらに悪いことは、この核災害に対する間違った構えが、何も日本特有のものではなく、世界の核産業ではご普通のことである、ということだ。
時の経過は、やがて批判へと変わる。
明らかに福島で要求されるのは、新しいプロジェクト・リーダーシップと新しい技術的手腕なのだ。
何人かの人たちは、この仕事の後を自衛隊に引き継がせるべきだと主張している。
しかし、私は、この考えは、こうした事態ではよくありがちな間違いであろうと信じている。
日本の産業界で起こっている、「ノロノロとした遅い歩み」が、日本の自衛隊でも同じように起こるのだ。
福島第一は、マンハッタン・プロジェクトの取り組みを必要としている。
日本の政府がやるべき唯一のことは、その仕事の代価を支払うことだけである。
たった一人のリーダーや、独裁的な人間は、核産業から選ばれるべきではなく、また、そのリーダーは、おそらく日本人から選ばれるべきではないのだ。
契約は、どんな国から参加する組織も、わけ隔てなく行われなければならない。
したがって、安全に、もっとも迅速に動くことができるベストな人々だけが、その仕事を行うべきだろう。
この期に及んで、つべこべ言うのではなく、それを3分の1、あるいは半分の時間でやってしまえ、ということだ。
どうしたら、そんなことができるのだろうか、などと言っている場合ではないのだ。
もっとも、日本では、ほとんどの場合、そうしたことを言っているのだが。
ここから管理人:
原発企業の病理-
彼らに生涯、嘘をつくことを求める原発文化がある
つまり、ボブ氏は、日本での20年間にわたるコンサルティングの経験から、原子力企業には「無能を育む独特の企業文化がある」と指摘しています。
海外から見ると、福島第一原発事故収束が遅々として進んでおらず、日本の政府、当事者である東電も「愚鈍でのろま」だと見られているのです。
(ボブ氏は、かなりアクの強い性格です)
世界一、お行儀が良いと言われている日本の国民でさえ、ヤキモキしているのですから、海外の人の目からすれば、なおさらでしょう。
日本、外国の専門家たちが、近いうちに大きな地震が、再び福島第一原発を襲うと予測しているというのに、当の日本政府は、いつまで体裁を取り繕っているのか、と心の中に抑圧された怒りをもっているのです。
これから、それが世界のあちこちから噴出してくるはずです。
ボブ氏のような合理主義者には、日本の企業文化は悪しき風土として映っているのです。
特に原子力に関しては、これほど悪い土壌はないと思っているのです。
おそらく、彼と彼のパートナーは、日本の企業での会議で、それを思い知らされたのでしょう。
日本では、大企業ほど、大言壮語ばかりで、その内実が伴っていないのだと。
ボブ氏は、日本の軍隊=自衛隊の出動要請については否定的です。
しかし、私は、自衛隊でなければ対処できないことが起きるのではないかと心配しています。
去年の3月17日の朝、菅直人元首相は、自衛隊の出動を要請して、ヘリで福島第一原発の原子炉のすぐ上から水を落すよう指示しました。(写真クリック)
同時に、地上からは機動隊による放水が開始されました。
しかし、それでも核燃料のメルトダウンは収まらず、刻一刻と世界のカタストロフィーが迫っていたのです。
テレビの報道の連中は、誰一人として現地に駆けつけるでもなく、東京のほどよく暖房の効いた快適なスタジオで、こう話し合っていました。
「上から水をかけても、効果はないでしょうね。これは、菅総理が、是が非でもこの事故を食い止める、という強い意志を国民に示すためにやっているのでしょう」。
これが無能なキャスターと訳知り顔の老害(悪)コメンテーターとの間で話されていたことです。
馬鹿も休み休み言え、ということです。
そうこうしている間に、私たちは被曝しました。
テレビマスコミの愚鈍な連中は、どう贔屓目に見ても完全に犯罪的な行為を組織的に行っていたのです。
自衛隊のヘリで上空から水を落したのは、機動隊による地上からの注水量が足らず、一刻の猶予もなかったため取った最後の手段だったのです。
このヘリが落していた水のターゲットは、3号機建屋と4号機建屋の使用済み燃料プールでした。
4号機建屋のプールの水面からは、使用済みの燃料集合体が顔を出して、溶け始めていたのです。
(※未使用の燃料集合体は、水面から顔を出してもすぐに溶けることはない)
そして、わずかこの数時間後、チーム編成は完了したのです。
実際に米・原子力規制委員会内部で交換されていた特殊チーム編成に関する文書
官邸では、この頃から、「東北、首都圏の4000万人をどう避難させるか検討」し始めていました。
いわゆる「最悪のシナリオ」という官邸が門外不出としてきた計画書です。
在日米軍、日本在住の米国籍を持つ人々は、とっくに安定ヨウ素剤を飲んで身構えていました。
ヨーロッパ各国の大使館は、次々と大阪など西のほうに移転を開始しました。
逃げ足の速い中国人は、大方、日本から脱出していました。
そして、翌3月18日の深夜には、東京消防庁のハイパー・レスキューが文字通り、捨て身になって注水作業を始めたのです。
私は、この前日の深夜、フクシマのKAMIKAZEの関係者の知り合いから1通のメールを受け取っていました。
「3月18日、19日で世界の運命が変わる」という内容でした。
テレビは、相変わらず事態を理解できず、のほほんとしていました。
「視聴者のみなさん、ネットで間違った情報が発信されています。
政府の発表する情報だけ(=確かに、こう言っていた)が正しいので、ネットの情報は信じないでください」と、女子アナが連呼していたのです。
どこの局でも同じことをしていました。
私は焦りました。
あまりにマスコミの対応が酷いので、さんざん逡巡したものの、このメールの内容を当ブログで公表しました。
大マスコミ、特にテレビは、官邸の発表した情報が正しいかどうか確認する作業を放棄して、一生懸命になって、政府のプロパガンダを流していたのです。
3月18日の深夜の作業が失敗すれば、本当に北半球が終るというときに、何をやっていたかといえば、「ネットのデマを信じないようにしてください」と、繰り返し繰り返し視聴者にすり込んでいたのです。
デマを流していたのはテレビを始めとする大マスコミのほうでした。
原発マネーに魂を売り渡した御用学者たちは、「安全デマ」に嘘の根拠を与え、知識不足で無責任なニュース・キャスターたちを鼓舞したのです。
なんと、3月18日、官房長官自らが、先頭を切ってデマを流し、多くの罪もない人々を被曝させました。
枝野は、上杉隆氏らフリーのジャーナリスト、それにいち早く情報を分析していた一部のブロガーたちが放射能被曝しないように警告を発していたのに、彼は、マスメディアを使って、「フリージャーナリストの中に放射能が放出されている」というデマを流している者がいますが、市民を不安に陥れているので、すぐに止めて欲しい、と訴えていました。
枝野は、3月12日の時点で、原発がメルトダウンしていることを知っていたし、避難しなければ多くの人が被曝して死ぬかもしれないことを知っていたのです。
農作業死亡事故、県内で多発警報 (福島民友)
突然死が異常に増えているのは関東でも同じ。枝野は大量殺人者である。
彼は事故調査委員会に呼ばれたとき、こう証言しています。
「すでにメルトダウンしていて、放射性物質が漏れ出ていることは、みなさん、とっくに知っているものと思っていたので、あえて、それを言わなかった」と。
しかし奇跡的なことが、いくつも重なって3月18日深夜から始まるはずだったカタストロフィーは回避されたのです。
致死量の高線量を放つ瓦礫の山の中で、機動隊やハイパーレスキューによる注水作業を可能にしたのは、なんといっても自衛隊の特殊車両の働きがあったからこそです。
3月19日当日から、全国の駐屯地から続々と自衛隊が福島に入りました。
自衛隊の機動力なくして、今の日本はなかったでしょう。
私たちは、うまい具合に偶然が重なって生きています。
文章表現力が豊かな人であれば、これを「天の采配」とか、「神の顕現」といった表現を使うのかもしれません。
さて、再び、ボブ氏の記事に戻りましょう。
彼は、日本の対応についてかなりイラついています。
「アメリカ人を放射能で殺すなよ、とっとと事故を収束しろ!」と。
しかし、「福島第一は、マンハッタン・プロジェクトの取り組みを必要としている」というのは、あまりに短兵急な話です。
アメリカがヒロシマ、ナガサキに原爆を落とし、さらに戦後も、アメリカの都合で、日本を丸め込み、マンハッタン・プロジェクトに組み込んだのですから、ボブという人は、意外に粗野な感性の人なのかもしれません。
それとも、逆説的に「事故収束をノンビリしているなら、日本人がもっとも嫌っているだろうマンハッタン・プロジェクトのお世話にでもなるかい?」と皮肉を込めていっているのか。
マンハッタン・プロジェクトの連中が、フクシマを収束させようとするなら、まずは、東日本の住民全体を避難させることから始めるでしょう。
彼らは、ひょっとしたら、こう言ういうかもしれません。
「ヒロシマ、ナガサキでやったときと同じように、フクシマの上空から核爆弾を落して、散らしてしまえ」と。
日本人のトラウマが、そこまで根深いことに思い至らないということは、なんともです。
原発は主人と奴隷の弁証法によって成り立っている砂上の楼閣に過ぎない
3月11日の前までは、日本の原発、特に東電で原発に従事している人々は、ある意味ではその実態がメディアから隠されつつ、それがゆえに姿を現したときには、多少は、尊敬の対象であったかもしれません。
世界一の巨大エネルギー企業で生涯が保証されつつ、どっしりと腰を構えて、しっかり電力を供給してくれている人たち…そんな風に見えていたはずです。
それは、この日本でもっとも危険な現場で仕事をして、日本経済の屋台骨を支えてくれている、という感謝の気持ちもあるでしょう。
「人間のテクノロジーに絶対はない。しかし、いざとなれば、そうした人たちは命をかけて自分たちの職場を守るだろう」と、みんな思っていたのです。
原発で働く人たちに、ある意味「地の塩」を感じていた人も少なからずいたことでしょう。
しかし、現実はそうではありませんでした。
東電の前の社長、清水正孝は、「この原発はお終いだ。あとは自衛隊でよろしく」とばかり、撤退の命令を出そうとしていたのです。
あと数時間で、北半球が破滅しそうだという瀬戸際で登場したのが、Fukushima50の人々でした。
このうちの何人かが、暴力団の手配師を経由して福島第一原発に入ってきた人たちであることが判ってきました。
世界中のメディアがFukushima50の勇気を称え、彼らの命を棄てた勇敢な行動を讃美しました。
しかし、日本のメディアは、ほとんど沈黙。裏事情を知っていたからです。
日本のメディアは、こういうところだけは嗅覚が働くのです。
3月18日~19日、4号機の使用済み燃料プールへの注水が成功し、かろうじて世界破滅の時限爆弾の針は、数時間前で止められました。
そして、東京消防庁のハイパーレスキューの人たちは、「フクシマの英雄」として、スペインでスペイン皇太子賞を授与されました。
少なくとも、スペインの皇太子は、福島第一原発の4号機のプールで放射能火災が起きていれば、北半球が終っていたことを知っていたのです。これは表彰に値することです。
彼らは、本当のKAMIKAZE特攻隊でした。
しかし、暴力団の手配師から現場に入っていた人たちは、日本のメディアからも無視されたのです。
もちろん、この死のミッションに志願した人たちの何人かは、日当何十万円という破格の手当てを当てにした人もいたでしょう。
しかし、それだけでできる仕事ではありません。
彼らの中の任侠の気概が、日本を救うことへ駆り立てたに違いないのです。
どうであれ、彼らもフクシマの英雄の一部の人たちだったのです。
今までの人生で、本当の死の恐怖に一度たりとも直面したことのない大マスコミの坊やたちは、これを知って一斉に口を閉ざしてしまいました。
結局、東電の紳士面した経営陣たちは、詐欺師まがいの方法で電力ユーザーから召し上げた巨額の電力料金を使って、組織ばかり肥大化させてきたものの、こうしたカタストロフィーが起こったときは、何もできずに指をくわえて見ていただけでした。
原発の世界は、まったく倒錯した世界です。
電力会社、特に原発部門を支えているのは、主人と奴隷の弁証法です。
原子力ムラは、原発奴隷と言われる人々なしには成り立たないのです。
東電は、福島第一原発の廃炉に向けて、地元の放射能被災者の助けを必要としています。
今後、二代、三代にもわたって地元住民の人材確保に力を入れるつもりです。
原子力ムラの虚妄が徐々に暴かれるに連れて、資金の調達もままならなくなれば、東電の経営陣たちのような連中は、原発作業員にひれ伏す以外になくなるでしょう。
内心、彼らは戦々恐々です。
東電の幹部たちが、これほど犯罪的な事故を起こしておきながら、今でも何とか平静を装っていられるのは、何より資本のパワーが彼らを支えているのです。
しかし、彼らの悪運もそろそろ尽きかけています。時間の問題です。
原発立地の人々に期待するのは、住民の人たちしか知らない深い原発の闇をつまびらかにすることです。
それを、さまざまな媒体を通じて流すことです。
いまだに福島県の原発周辺の人たちからの情報は驚くほど少ないのです。
福島の人たちが黙ってしまうことは、不吉の始まりです。
ボブ氏の懸念が当たれば(状況は、そのように見えますが)、再び悲劇が繰り返されるからです。
福島の人々が情報を発信することは、自らを守ることにつながるはずなのですから。
ここに顔を揃えている犯罪者たちは、月給18万円でこき使っている原発作業員がいなければ、それこそ、箸1本動かすことができない役立たずなのです。
彼らの力は、そがれています。
福島の人たちが、事実に基づいた情報を出すことは、日本の原発が主人と奴隷の弁証法によって、かろうじて成り立っている砂上の楼閣のようなものであることを世界に知らしめることになるのです。
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