写真:Fuel Strage
ドライ・キャスク(核の棺桶)に入れられた使用済み核燃料。まるで核の霊園墓地だ。
核の専門家たちにとって、口外することがタブー視されている使用済み燃料プールの潜在的な危険性
元日に起こった震度4の地震以後、どうにも原因がはっきりしない現象が福島第一原発で続けて起きています。
今のところ、4号機建屋にある使用済み燃料プールのスキマサージ・タンクの水位低下が原因と考えられる高濃度の放射性セシウムの大気中への放出。
そして、今回の2号機の圧力容器内の原因不明の温度上昇。
再臨界を抑えるために、これまでにもホウ酸水を原子炉の中に注入して温度を下げてきましたが、この2号機に関しては、過去の経験則が当てはまりません。
NHKはすぐにニュース・ソースを削除してしまったようですが、圧力容器の底の部分の温度が一時期、100℃を超えたとの報道もあって、予断を許しません。(誤報かどうか判明せず)
しかし、これは、京都大学原子炉実験所の小出助教の、「注水の水流によって、ボロボロに崩れた核燃料の一部が位置を変えて、温度計の近くに寄ってきたためではないか」という見立てが当たっているのではないかと思います。
で、とにかく専門家でも分析できない事象が、これからも起きる、ということが分かったわけです。
「冷温停止(状態)」、「収束宣言」が虚しく響きます。
さて、4号機建屋の破壊はさらに進んでいるわけですが、作業員が4号機建屋内に入って作業をしていることも事実のようです。
私は、やはり使用済み核燃料問題が、これからの日本の立ち直りの足を引っ張ることになることが分かってきました。
これは、今までに何度か記事にしてきた松村昭雄さんと、アメリカの著名な核科学者であるボブ(ロバートの愛称)・アルバレス氏とのやりとりを記事にしたものです。
ボブ・アルバレス氏の専門分野のひとつは、「使用済み燃料」です。
使用済み燃料の処理問題が私たちにもたらす、うっとうしくて憂鬱な未来について、さまざまなサジェスチョンを与えてくれます。
使用済み燃料プールの専門家、ロバート・アルバレス氏からの手紙
Letter from Spent-Fuel Pools Expert Robert Alvarez
拝啓、昭夫
ロバート・アルバレス氏
原子力産業で、私が知っている人たちは、動力炉の使用済み燃料プールが潜在的に重大な危険をもたらすことを、よく知っています。
しかし、彼らは、この問題について、公には口にしないようにしています。
1993年、私が米・エネルギー省で、長官のシニア・アドバイザーとして働いていたとき、政府機関の使用済み燃料の脆弱性評価に参加したことがありました。
そのとき、私は、兵器用のプルトニウムを生産した後、残渣となった米・エネルギー省の使用済み核燃料(2300トン)の90%が、ワシントン州のハンフォード核施設内にある2基の古い原子炉の水掘(裏張りをしていないコンクリート製の水槽容器)に格納されていることを知りました。
その水槽容器は、コロンビア川のすぐそばにありました。
コロンビア川は、北西アメリカの主な水源となっている川です。
このことは25年間も無視され続けました。
ある水槽容器の中に格納されていた使用済み燃料は激しく劣化し、その水槽容器には亀裂が入って、とうとう外に漏れ出したのです。
ハンフォード核施設一帯は、活発な地震活動地帯です。
まもなく私たちは、使用済み燃料が格納されている水槽容器からの排水が、破滅的な放射線学上の火災に発展するかもしれないことを理解したのです。
私たちは、ただちに行動を起こして、水槽容器が損傷を受けても、1週間まるまる7日、24時間、水を供給できるように処置を行い、川から遠く離れた核施設中央にある乾燥式の貯蔵施設に、いったんはずした使用済み燃料を移し変えるための資金を要求しました。
それを完遂するまで10年かかりました。
9.11のテロ攻撃の後、私はアメリカの商業用原子炉の使用済み燃料施設の脆弱性に非常に関心を持つようになり、「原子力科学者」の会報の2002年1月-2月号に、この問題についてのエッセイを書きました。
その後、これは私たちの研究の根拠として役立ちました。
私の同僚と私は、以前、お送りしたように、2003年に、これを公表しました。
福島第一原発災害が起こってから、私は追跡調査、および使用済み燃料プールの危険性についての何本かの記事を書きました。
それはお役に立つかもしれません。
Huffington Post
LA Times
The Nation
私は、今、使用済み燃料の危険について書いた記事を持っていますが、米国・国立科学アカデミーの官公出版物として、まもなくIssues in Science and Technologyから出版されることになっています。
敬具
ボブ
以下は、アルバレス氏が勧めているHuffington Postに掲載された使用済み燃料に関する記事です。
アメリカの使用済み核燃料は時限爆弾だ
America's Nuclear Spent-Fuel Time Bombs
ロバート・アルバレス 2011年6月6日
アメリカは、日本の原発災害を目覚ましにすべきだ
昨今、多くのアメリカ人が、日本の核大災害に注意を払うことを止めてしまったようです。
そのせいか、ことの重大性についてショッキングな新しい詳細情報が、とうとう白日の下に晒されることとなりました。
米国原子力規制委員会は、最近、福島第一原発の3つの原子炉の炉心が、3月11日に起きた地震と津波の直後に電源喪失に陥って、たった数時間でメルトダウンしていたことを明らかにしました。
東京電力(事故で破壊された原子炉を保有している)は、この原発事故によって、おそらくチェルノブイリ崩壊のときより、さらに大量の放射能が環境中に放出されたものと思われる、と発表しました。
それは、記録に残っている限りでは、過去最悪の原発事故とされるでしょう。
その間、日本の政府の核廃棄物アドバイザーは、福島第一原発周辺の約373平方マイルが居住に適さないと報告しました。
その面積はニューヨーク・マンハッタンのおよそ17倍の広さに匹敵します。
福島原発事故は、アメリカにとって、原子炉の使用済み燃料プールが呈している危険に取り組むべき「目覚ましコール」であると考えるべきなのです。
それらは時限爆弾です。
それは米・原子力エネルギー協会のデータによれば、アメリカにある原子炉すべてから、6万5000トンもの使用済み燃料が生成され、そのうちの75%が使用済み燃料プールに貯蔵されているといいます。
他の国は、原子力(発電)からにせよ、核兵器生産にからせよ、これだけ多くの使用済み核燃料を生成してしません。
核産業は、よく米国のすべての使用済み燃料は、深さ10フィートのフットボール場まるまる一個を埋め尽くすだけの量があると言います。
この断定的な言い方については、そのまま受け入れがたいものがあります。
たとえば、地球に存在する放射能(12~140億キュリー)をひとつの濃縮した塊にして、フットボール競技場に搾り出すことができるのであれば、およそ15万個の核兵器に装填するに十分な量のプルトニウムを伴って、核分裂連鎖反応が解放されるでしょう。
そして、それは重大な汚染を生み出すことでしょう。
チェルノブイリとフクシマはカボチャの表面にできた吹き出物のように見えるでしょう。
何百マイルも離れた(何百万人とまではいかなくても)何千人もの人々が、一度に致死量の放射能を浴びることになります。
米国にある使用済み燃料の中の放射能のほぼ40パーセントはセシウム137です。
セシウム137の半減期は約30年で、潜在的に危険な外部透過性放射線を発します。(外部被曝を起こします)
ひとたび、環境中に出て行けば、何百年もの間、そこに残り、人間の食物連鎖や生物相に蓄積します。
米国で原子炉の燃料として費やされた45億キュリーの放射性セシウムは、全世界で行われた大気中の核実験によって放出された量のおよそ20倍に相当します。
合衆国には、31の沸騰水型原子炉(BWR)があります。
それらの原子炉には、福島第一原発と同じような地上何階かに上げられた(冷却用)プールがあります。
これを考えてみてください。
沸騰水型原子炉(BWR)のマークⅠ型のバーモント・ヤンキー原子炉(これは、福島第一原発の破壊された4つの原子炉と同じ設計)には、現在、福島第一原発4号機建屋の使用済み燃料プールに貯蔵されている量の、ほぼ3倍の使用済み燃料があります。
日本のように、アメリカの原子力発電所の使用済み燃料プールには、放射能が逃げるのを防止するための格納容器を取り巻く鉄筋コンクリート防護障壁(原子炉建屋)がありません。
バーモント・ヤンキー原子炉では、電源喪失が起こったときにも、燃料棒を冷却状態に保つパックアップ発電機を備え付けることを要求されていません。
ほぼ30年間、米・原子力規制委員会の核廃棄物取り扱いの必要条件は、いまだに実現されていない永久核廃棄物貯蔵施設の開設次第であるという有様です。
オバマ政権は、ネバダ州のユッカ・マウンテンで進んでいた核廃棄物の永久埋立処理場の建設計画を取りやめてしまったので、米国にある104の原子炉の使用済み燃料は、このまま蓄積され続けて、これからの数十年間は、原発のサイト内に取り置きされることになりそうです。
合衆国政府は、ドイツが25年前に行ったように、ドライ・キャスク(:dry cask/樽の形をした円筒形の容器)の中に、5年以上古いすべての使用済み燃料を移すことで、速やかにリスクの低減を図らなければなりません。
おそらく35億ドルから70億ドル(2700億円から5500億円)の予算を必要とし、10年の歳月がかかるでしょう。
そのコストが電力の使用者に転嫁されれば、電気代は、原子力によって発電した電気を消費者が使う場合、1キロワット時当たり0.4セント未満の小幅な上昇となって跳ね返ってくるでしょう。
福島第一原発の敷地内に置かれていたドライ・キャスクは、地震と津波によってもたらされた破壊にも関わらず、無傷でした。
ドライ・キャスクについて
高レベル放射性廃棄物の処理場を設置するために、放射性廃棄物政策法に基づいて原子力発電の電力使用者からすでに集められプールされている基金の中から、181億ドル(約1兆4000億円)の資金を割り当てることができます。
50年以上経った後も、永久核廃棄物処理場を求めることは絵空事のままです。
しかしながら、好むと好まざるとにかかわらず、一つのことは明らかです。
この地球上で最大の核濃縮は、未来永劫に渡って、アメリカの原子炉の格納庫に残ったままである、ということです。
核のカタストロフィーからアメリカを守る際に、使用済み燃料を安全に保管することは、公衆の安全という観点から、もっとも高度の最優先事項であるべきです。
(ここまで)
-------------------------------------------------------------
「核」の悪魔は、すべてを滅ぼす
ネバダ州のユッカ・マウンテンで進んでいた核廃棄物埋立地建設の話は、地元のモーレツな反対にあって、オバマも断念せざるを得なかったようです。
実は、原発の最大の問題点は、使用済み燃料プールに貯蔵されている燃料棒が、カタストロフィーを起こすかもしれないという潜在的な危険性を抱えていることなのです。
アルバレス氏は、それを「時限爆弾」と呼んでいます。
一方、ハンフォード核施設で放射性物質が飲料水を取水するコロンピア川に流れ込み、周辺の農村地帯が深刻な汚染にさらされている現状を見ると、核は、燃え尽きた廃棄物となっても、永遠の長い時間、環境を汚染し続けるということです。
ハンフォード核施設は、マンハッタン計画の下で、原子爆弾を製造するためにプルトニウムの精製が行われた場所。
ナガサキ型原爆や、イラク戦争で使われた劣化ウラン弾の原料が製造された「死」の場所なのです。
かつて、ここで大量殺戮兵器を作っていた人々は、悪魔の下僕を務めていたのです。
米国の核施設 ハンフォード他
今、世界最悪の「核」の殺戮国-アメリカは、その「核」に報復を受けようとしているようです。
「核」の魔力を使って人を殺した分だけ、自国にも危険な核廃棄物を溜め込んでしまうのです。
どんなに頑丈な容器に詰めて、地中深く建造した堅牢な構造物に格納しても、数十年後、数百年後は何が起きるか分らないのです。
それこそ、未知の世界です。
「核」には悪魔が宿っているのです。
これは決してオカルト話ではなく、現実なのです。
「人を呪わば穴二つ」。
アメリカの諺に加えて欲しいと思います。
おそらく、賢哲、ロバート・アルバレス氏のことわざ辞典には、この言葉が載っているのでしょう。
【参考記事】
音をたてないホロコースト ーアメリカ“ハンフォード核施設”
半年経っても腐らないマックバーガー
(これ本当です)
その他〔ハンフォード 肥田舜太郎〕で検索のこと。
ニッタン(NITTAN) ゆれタンちゃん(地震保安灯)JHA-1
ニッタン
3,359 円 配送無料
元日に起こった震度4の地震以後、どうにも原因がはっきりしない現象が福島第一原発で続けて起きています。
今のところ、4号機建屋にある使用済み燃料プールのスキマサージ・タンクの水位低下が原因と考えられる高濃度の放射性セシウムの大気中への放出。
そして、今回の2号機の圧力容器内の原因不明の温度上昇。
再臨界を抑えるために、これまでにもホウ酸水を原子炉の中に注入して温度を下げてきましたが、この2号機に関しては、過去の経験則が当てはまりません。
NHKはすぐにニュース・ソースを削除してしまったようですが、圧力容器の底の部分の温度が一時期、100℃を超えたとの報道もあって、予断を許しません。(誤報かどうか判明せず)
しかし、これは、京都大学原子炉実験所の小出助教の、「注水の水流によって、ボロボロに崩れた核燃料の一部が位置を変えて、温度計の近くに寄ってきたためではないか」という見立てが当たっているのではないかと思います。
で、とにかく専門家でも分析できない事象が、これからも起きる、ということが分かったわけです。
「冷温停止(状態)」、「収束宣言」が虚しく響きます。
さて、4号機建屋の破壊はさらに進んでいるわけですが、作業員が4号機建屋内に入って作業をしていることも事実のようです。
私は、やはり使用済み核燃料問題が、これからの日本の立ち直りの足を引っ張ることになることが分かってきました。
これは、今までに何度か記事にしてきた松村昭雄さんと、アメリカの著名な核科学者であるボブ(ロバートの愛称)・アルバレス氏とのやりとりを記事にしたものです。
ボブ・アルバレス氏の専門分野のひとつは、「使用済み燃料」です。
使用済み燃料の処理問題が私たちにもたらす、うっとうしくて憂鬱な未来について、さまざまなサジェスチョンを与えてくれます。
使用済み燃料プールの専門家、ロバート・アルバレス氏からの手紙
Letter from Spent-Fuel Pools Expert Robert Alvarez
拝啓、昭夫
ロバート・アルバレス氏
原子力産業で、私が知っている人たちは、動力炉の使用済み燃料プールが潜在的に重大な危険をもたらすことを、よく知っています。
しかし、彼らは、この問題について、公には口にしないようにしています。
1993年、私が米・エネルギー省で、長官のシニア・アドバイザーとして働いていたとき、政府機関の使用済み燃料の脆弱性評価に参加したことがありました。
そのとき、私は、兵器用のプルトニウムを生産した後、残渣となった米・エネルギー省の使用済み核燃料(2300トン)の90%が、ワシントン州のハンフォード核施設内にある2基の古い原子炉の水掘(裏張りをしていないコンクリート製の水槽容器)に格納されていることを知りました。
その水槽容器は、コロンビア川のすぐそばにありました。
コロンビア川は、北西アメリカの主な水源となっている川です。
このことは25年間も無視され続けました。
ある水槽容器の中に格納されていた使用済み燃料は激しく劣化し、その水槽容器には亀裂が入って、とうとう外に漏れ出したのです。
ハンフォード核施設一帯は、活発な地震活動地帯です。
まもなく私たちは、使用済み燃料が格納されている水槽容器からの排水が、破滅的な放射線学上の火災に発展するかもしれないことを理解したのです。
私たちは、ただちに行動を起こして、水槽容器が損傷を受けても、1週間まるまる7日、24時間、水を供給できるように処置を行い、川から遠く離れた核施設中央にある乾燥式の貯蔵施設に、いったんはずした使用済み燃料を移し変えるための資金を要求しました。
それを完遂するまで10年かかりました。
9.11のテロ攻撃の後、私はアメリカの商業用原子炉の使用済み燃料施設の脆弱性に非常に関心を持つようになり、「原子力科学者」の会報の2002年1月-2月号に、この問題についてのエッセイを書きました。
その後、これは私たちの研究の根拠として役立ちました。
私の同僚と私は、以前、お送りしたように、2003年に、これを公表しました。
福島第一原発災害が起こってから、私は追跡調査、および使用済み燃料プールの危険性についての何本かの記事を書きました。
それはお役に立つかもしれません。
Huffington Post
LA Times
The Nation
私は、今、使用済み燃料の危険について書いた記事を持っていますが、米国・国立科学アカデミーの官公出版物として、まもなくIssues in Science and Technologyから出版されることになっています。
敬具
ボブ
ボブ・アルバレスは、IPSの上級学者です。
彼は、現在、そこで核軍縮、環境、エネルギー政策の問題に集中しています。
1993年から1999年の間、アルバレス氏は長官の上級政策アドバイザーを務めました。
そして、国家安全保障と環境省の次官補代理を務めました。
アルバレス氏は受賞経験のある著者で、Science Magazine、the Bulletin of Atomic Scientists、 Technology Review and The Washington Postのような有名な出版物の記事として公表されています。
また、NOVAや60 Minutesなどのテレビ番組でもフィーチャーされています。
彼は、現在、そこで核軍縮、環境、エネルギー政策の問題に集中しています。
1993年から1999年の間、アルバレス氏は長官の上級政策アドバイザーを務めました。
そして、国家安全保障と環境省の次官補代理を務めました。
アルバレス氏は受賞経験のある著者で、Science Magazine、the Bulletin of Atomic Scientists、 Technology Review and The Washington Postのような有名な出版物の記事として公表されています。
また、NOVAや60 Minutesなどのテレビ番組でもフィーチャーされています。
以下は、アルバレス氏が勧めているHuffington Postに掲載された使用済み燃料に関する記事です。
アメリカの使用済み核燃料は時限爆弾だ
America's Nuclear Spent-Fuel Time Bombs
ロバート・アルバレス 2011年6月6日
アメリカは、日本の原発災害を目覚ましにすべきだ
昨今、多くのアメリカ人が、日本の核大災害に注意を払うことを止めてしまったようです。
そのせいか、ことの重大性についてショッキングな新しい詳細情報が、とうとう白日の下に晒されることとなりました。
米国原子力規制委員会は、最近、福島第一原発の3つの原子炉の炉心が、3月11日に起きた地震と津波の直後に電源喪失に陥って、たった数時間でメルトダウンしていたことを明らかにしました。
東京電力(事故で破壊された原子炉を保有している)は、この原発事故によって、おそらくチェルノブイリ崩壊のときより、さらに大量の放射能が環境中に放出されたものと思われる、と発表しました。
それは、記録に残っている限りでは、過去最悪の原発事故とされるでしょう。
その間、日本の政府の核廃棄物アドバイザーは、福島第一原発周辺の約373平方マイルが居住に適さないと報告しました。
その面積はニューヨーク・マンハッタンのおよそ17倍の広さに匹敵します。
福島原発事故は、アメリカにとって、原子炉の使用済み燃料プールが呈している危険に取り組むべき「目覚ましコール」であると考えるべきなのです。
それらは時限爆弾です。
それは米・原子力エネルギー協会のデータによれば、アメリカにある原子炉すべてから、6万5000トンもの使用済み燃料が生成され、そのうちの75%が使用済み燃料プールに貯蔵されているといいます。
他の国は、原子力(発電)からにせよ、核兵器生産にからせよ、これだけ多くの使用済み核燃料を生成してしません。
核産業は、よく米国のすべての使用済み燃料は、深さ10フィートのフットボール場まるまる一個を埋め尽くすだけの量があると言います。
この断定的な言い方については、そのまま受け入れがたいものがあります。
たとえば、地球に存在する放射能(12~140億キュリー)をひとつの濃縮した塊にして、フットボール競技場に搾り出すことができるのであれば、およそ15万個の核兵器に装填するに十分な量のプルトニウムを伴って、核分裂連鎖反応が解放されるでしょう。
そして、それは重大な汚染を生み出すことでしょう。
チェルノブイリとフクシマはカボチャの表面にできた吹き出物のように見えるでしょう。
何百マイルも離れた(何百万人とまではいかなくても)何千人もの人々が、一度に致死量の放射能を浴びることになります。
米国にある使用済み燃料の中の放射能のほぼ40パーセントはセシウム137です。
セシウム137の半減期は約30年で、潜在的に危険な外部透過性放射線を発します。(外部被曝を起こします)
ひとたび、環境中に出て行けば、何百年もの間、そこに残り、人間の食物連鎖や生物相に蓄積します。
米国で原子炉の燃料として費やされた45億キュリーの放射性セシウムは、全世界で行われた大気中の核実験によって放出された量のおよそ20倍に相当します。
合衆国には、31の沸騰水型原子炉(BWR)があります。
それらの原子炉には、福島第一原発と同じような地上何階かに上げられた(冷却用)プールがあります。
これを考えてみてください。
沸騰水型原子炉(BWR)のマークⅠ型のバーモント・ヤンキー原子炉(これは、福島第一原発の破壊された4つの原子炉と同じ設計)には、現在、福島第一原発4号機建屋の使用済み燃料プールに貯蔵されている量の、ほぼ3倍の使用済み燃料があります。
日本のように、アメリカの原子力発電所の使用済み燃料プールには、放射能が逃げるのを防止するための格納容器を取り巻く鉄筋コンクリート防護障壁(原子炉建屋)がありません。
バーモント・ヤンキー原子炉では、電源喪失が起こったときにも、燃料棒を冷却状態に保つパックアップ発電機を備え付けることを要求されていません。
ほぼ30年間、米・原子力規制委員会の核廃棄物取り扱いの必要条件は、いまだに実現されていない永久核廃棄物貯蔵施設の開設次第であるという有様です。
オバマ政権は、ネバダ州のユッカ・マウンテンで進んでいた核廃棄物の永久埋立処理場の建設計画を取りやめてしまったので、米国にある104の原子炉の使用済み燃料は、このまま蓄積され続けて、これからの数十年間は、原発のサイト内に取り置きされることになりそうです。
合衆国政府は、ドイツが25年前に行ったように、ドライ・キャスク(:dry cask/樽の形をした円筒形の容器)の中に、5年以上古いすべての使用済み燃料を移すことで、速やかにリスクの低減を図らなければなりません。
おそらく35億ドルから70億ドル(2700億円から5500億円)の予算を必要とし、10年の歳月がかかるでしょう。
そのコストが電力の使用者に転嫁されれば、電気代は、原子力によって発電した電気を消費者が使う場合、1キロワット時当たり0.4セント未満の小幅な上昇となって跳ね返ってくるでしょう。
福島第一原発の敷地内に置かれていたドライ・キャスクは、地震と津波によってもたらされた破壊にも関わらず、無傷でした。
ドライ・キャスクについて
高レベル放射性廃棄物の処理場を設置するために、放射性廃棄物政策法に基づいて原子力発電の電力使用者からすでに集められプールされている基金の中から、181億ドル(約1兆4000億円)の資金を割り当てることができます。
50年以上経った後も、永久核廃棄物処理場を求めることは絵空事のままです。
しかしながら、好むと好まざるとにかかわらず、一つのことは明らかです。
この地球上で最大の核濃縮は、未来永劫に渡って、アメリカの原子炉の格納庫に残ったままである、ということです。
核のカタストロフィーからアメリカを守る際に、使用済み燃料を安全に保管することは、公衆の安全という観点から、もっとも高度の最優先事項であるべきです。
(ここまで)
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「核」の悪魔は、すべてを滅ぼす
ネバダ州のユッカ・マウンテンで進んでいた核廃棄物埋立地建設の話は、地元のモーレツな反対にあって、オバマも断念せざるを得なかったようです。
実は、原発の最大の問題点は、使用済み燃料プールに貯蔵されている燃料棒が、カタストロフィーを起こすかもしれないという潜在的な危険性を抱えていることなのです。
アルバレス氏は、それを「時限爆弾」と呼んでいます。
一方、ハンフォード核施設で放射性物質が飲料水を取水するコロンピア川に流れ込み、周辺の農村地帯が深刻な汚染にさらされている現状を見ると、核は、燃え尽きた廃棄物となっても、永遠の長い時間、環境を汚染し続けるということです。
ハンフォード核施設は、マンハッタン計画の下で、原子爆弾を製造するためにプルトニウムの精製が行われた場所。
ナガサキ型原爆や、イラク戦争で使われた劣化ウラン弾の原料が製造された「死」の場所なのです。
かつて、ここで大量殺戮兵器を作っていた人々は、悪魔の下僕を務めていたのです。
米国の核施設 ハンフォード他
今、世界最悪の「核」の殺戮国-アメリカは、その「核」に報復を受けようとしているようです。
「核」の魔力を使って人を殺した分だけ、自国にも危険な核廃棄物を溜め込んでしまうのです。
どんなに頑丈な容器に詰めて、地中深く建造した堅牢な構造物に格納しても、数十年後、数百年後は何が起きるか分らないのです。
それこそ、未知の世界です。
「核」には悪魔が宿っているのです。
これは決してオカルト話ではなく、現実なのです。
「人を呪わば穴二つ」。
アメリカの諺に加えて欲しいと思います。
おそらく、賢哲、ロバート・アルバレス氏のことわざ辞典には、この言葉が載っているのでしょう。
【参考記事】
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半年経っても腐らないマックバーガー
(これ本当です)
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