HTML5とJavaScript、スタイルシートを使ってフロントエンド開発を行うにあたって、その開発環境を整える必要があります。とはいえ、クライアントサイドのJavaScript実行環境として、Webブラウザーは既にありますので、セットアップする必要はほとんどありません。今回はその方法をいくつかの種類別に紹介します。
まず、開発に必要なものを確認しましょう。
Webブラウザー
Windowsであれば標準のInternet Explorer(IE)、OS XであればSafariを使って開発できます。より便利な開発環境を求める場合はGoogle ChromeやFirefoxをお薦めします。
node.js
サーバーサイド(今回は個人のコンピュータを想定しています)上で動作するJavaScriptエンジンです。フロントエンドを開発するだけであれば不要ですが、HTTPサーバーを構築したり、ファイルを変換したりする際にnode.jsを使うと便利です。
HTTPサーバー
アクセスしてきたWebブラウザーに対して、HTML/JavaScript/CSSファイルを送る役割がHTTPサーバーです。上述の通り、node.jsで簡易的なサーバーを書くこともできますし、他のプログラミング言語やソフトウエアを使うこともできます。フロントエンド開発においてはサーバーサイドのプログラミングは不要で、ごく簡単なHTTPサーバーが使えます。
テキストエディター
これは任意のソフトで問題ありません。Windowsに付属する「メモ帳」でもよいですが、HTMLやJavaScript、スタイルシートの構文に対応したテキストのハイライト機能が備わったソフトを使うのがよいでしょう。例えば「秀丸エディタ」や「Atom」「Sublime Text」など、開発に適したエディタが数多く存在します。今回の記事ではこれらには触れません。
バージョン管理
こちらは必須ではありませんが、バージョン管理をインストールしておくと間違って修正したり削除したりしてしまったときの差し戻しが簡単になります。最近では「Git」を使うことが多くなっています。
最適なセットアップ方法を選ぶ
各ソフトウエアはセットアップの点で大きく3タイプに分けられます。
1. インストール型
2. ポータブル型
3. 仮想マシン型
インストール型の特徴としては自動セットアッププログラムを使うことで手間なく使える状態になることでしょう。主にWindowsに向いた方法です。ただし、業務で利用するPCについて権限が制限されている企業では、自由にソフトウエアをインストールできないため使えないことがあります。その場合は、PCの管理者権限ではなくユーザー権限でインストールできるソフトを使う、管理者に申請してインストールの許可をもらうなどします。