日本発のセキュアOSであるTOMOYO LinuxがLinuxカーネルにマージ(統合)されることが確実になった。2009年2月12日,TOMOYO Linuxがセキュリティ・モジュールのメンテナ(管理者)であるJames Morris氏のリポジトリ(ソースコード管理データベース)に統合された。今後テストが行われ,2009年秋にもLinuxカーネル本体に統合されると見られる。
セキュアOSは,OSのアクセス権を細分化し厳格に管理することでセキュリティを高めるモジュール。セキュアOSを利用することで,仮に不正侵入されたとしても被害を一部に留めることができる。TOMOYO Linuxは,NTTデータの原田季栄氏らが開発しているセキュアOS。学習モードでの操作からセキュリティ・ポリシーを自動生成する機能などが特徴。
日本セキュアOSユーザー会 代表の海外浩平氏によれば,今後TOMOYO Linuxは,テストとバグ修正を行いながらJames Morris氏のリポジトリ,linux-nextのリポジトリ,Linus Torvalds氏のリポジトリに順次統合され,順調に進めば2009年10月ごろLinuxカーネルのバージョン2.6.30で統合される見込みという。
LinuxのセキュアOSとしては,SELinuxとSMACKがすでにカーネルに統合されている。
◎関連リンク
◆Linuxカーネル・メーリングリストへのJames Morris氏の投稿
◆James Morris氏のgitリポジトリへのTOMOYO Linuxコミット・ログ
掲載当初「2009年夏にもLinuxカーネル本体に統合されると見られる」,「2009年7月ごろ統合される見込み」としていましたが,正しくは「2009年秋にもLinuxカーネル本体に統合されると見られる」,「2009年10月ごろ統合される見込み」です。お詫びして訂正します。本文は修正済みです。 [2009/02/17 20:00]