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謎のメタラー「メタリスト」の華麗なるメタルライフを 彩るアルバム達と彼によるレビュー
 
はじめに
このブログは、主に80~90年代のHR/HMのアルバムのレビューや 一曲単位でのレビュー、
そしてたまにHR/HMに関するコラムもどき等を書いています。

アルバムレビューは私の稚拙な文と100点満点形式の・・・ まあ、ぶっちゃけBURRN!誌のパクリです。
とは言え、まんまパクるのもつまらんので
「METALIST'S FAVORITE TUNE」というのを設けまして、 アルバム中の好きな曲なども挙げています。

私のレビューを参考にして アルバムを購入されることがあれば、 それはとても光栄なことですが
その際は全て自己責任でお願いします。
「つまらない、金返せ」とか言われると、結構 傷つきますのでご勘弁を・・・。

私は良いと思ったアルバムも つまらないと思ったアルバムも載せていきますので、
もし貴方が気に入ってるアルバムの点数が低かったりして、評価に納得のいかない方!
・・・その時は 私と好みが違うのだと思って諦めて下さいね。

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Diary of a MadmanDiary of a Madman
(2002/04/03)
Ozzy Osbourne

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’81年にリリースされた2nd。

ジャケットが非常に濃いですね・・・。
まあ、表のジャケットだけじゃなくて歌詞カード部分も
なかなか悪趣味でB級ホラー映画を彷彿とさせるものが
あるのだけど。

しかし楽曲的にはジャケットには反して、濃い曲もあるものの
割と爽やかでキャッチーなメロディの⑥のような曲もあったりして
意外に思われるかもしれない。

①などはテンポは遅くないが
ドゥームメタルっぽいおどろおどろしい曲調だ。
そしてギターソロ部分になると
ランディのアヴァンギャルドなプレイがその怪奇性に
磨きをかけているように思えた。

と思えば、②では明るい曲を作った時のBLACK SABBATHみたいな
曲で、ランディはベタなタッピングフレーズを聴かせてくれる。
勿論、「ベタ」とは書いたが悪口ではなく、「王道」と言い換えてもいい。
なぜならこういうフレーズは今でこそ陳腐に聴こえるかもしれないが
今の時代のメタルギタリストにとっては基本となるもので
あるからだ。

ギターのことばかり書いたが、ベースに関しても④などは
正にベース主体のへヴィなリフが聴けて
個人的にも「コピー欲」が出たりする。

他にも⑦はUFOとかMSGみたい・・・という感じで
どれも素晴らしい出来だが
一番気に入ってるのはタイトルトラックの⑧かな。
ライブではやれない気がするが。

・・・本当にオジーのアルバムって
有名曲が少ないものでもハズレが無いね。



~METALIST’S FAVORITE TUNE~
①Over the mountain
②Flying high again
③You can't kill rock and roll
⑥Tonight
⑦S.A.T.O.

⑧Diary of a madman



総評・・・89点
Blizzard of OzzBlizzard of Ozz
(2002/04/03)
Ozzy Osbourne

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'80年にリリースされた1st。

オジー・オズボーンがBLACK SABBATHを脱退し、
ソロ活動を始めてリリースした第一作目。

しかし、今さら語るまでも無いことだが
HR/HMの歴史において、
彼ほど才能(勿論、作曲やライブパフォーマンスという点において)に溢れていて
彼ほど世界を騒がせた存在も他にいない。
彼がいなければ、ザックもランディーもジェイクも活躍が遅れて
世に出ることが無かったかもしれないし
彼がいなければCATHEDRALなどのバンドは存在すらしなかったかもしれない。

そして、このアルバムではオジーだけでなく影響力の大きい人物が
もう一人いる。
そう、ランディ・ローズだ。
彼はクラシック的な哀愁漂うメロディをGuプレイにいち早く取り入れた
功績は大きく、当時としてはエディ・ヴァン・ヘイレンに並ぶほど
ギターキッズへの影響力は大きかったそうだ。

そのランディ・ローズが弾く、決して難易度は高くないが
インパクト抜群のGuイントロから始まる①は
Baラインも結構カッコ良くて、私もコピーしたりした。
②もGuのインパクトが強いね。
Guソロは覚えやすく、ギタリストでなくても
この曲のソロは口ずさむことが出来る人が多いんじゃないだろうか。
しかし、それ以上にインパクトが強いのはイントロのオジーの歌だろう。
「お~の~・・・ワッハッハッハ・・・」という所で
笑った人は私だけでは無いだろう(笑)。

③は穏やかなメロディのバラード。
ここまで聴いていて気付いたのだが、この1stの楽曲はメジャーキーの曲が多い。
メタルと言うと、暗かったり哀愁漂うメロディが多いのだが
明るい曲が多いのはランディが元々QUIET RIOTとかにいたことが
影響しているのかなぁ・・・。

④は短いGuインスト。
ランディのクラシックの素養を感じさせる曲だ。

ドン・エイリーのKeyが美しい⑥もこのアルバムを語る上で
欠かせない。
前半とは違い、哀愁漂うメロディが前面に出ており
Guソロもそれに合わせたものとなっている。
Guソロだけ聴くと、SCORPIONSを彷彿とさせるような気もするね。
⑦はこれまでの曲とは打って変わって、R&R調・・・。

決して全曲が名曲、というアルバムでは無いが
前半の曲は間違いなくHR/HM史上に残る名曲。
この数曲のためにアルバムを買ったという人も
少なくないだろう。


~METALIST'S FAVORITE TUNE~
①I don't know
②Crazy train
③Goodbye to romance
⑥Mr.Crowly
⑧Revelation (Mother Earth)
⑨Steal away (The night)



総評・・・90点

No Rest for the Wicked (Exp)No Rest for the Wicked (Exp)
(2002/06/26)
Ozzy Osbourne

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'88年にリリースされた5th。

ザック・ワイルド時代の最高の作品がこれだ(断言)。
何がいいって、ザックのGuですよ。
ザクザクしたリフも、ペンタトニックばかりのソロも
最高です。
ランディ・ローズと比べて機械的でつまらないとか言う声もあったが、
私に言わせれば「どこが?」ってなもんだ。
(ランディ・ローズも勿論素晴らしいけどね)

イントロのリフを聴いただけで、メタラーなら絶対何らかの
好意的な反応を示すであろう①や②は言うに及ばず
ベストにも収録される③は、
ザックが鋭い、いかにもへヴィメタル的なギター以外にも
グルーヴィでベース要らずなりズミックなプレイも
大得意だと言うことを証明している。

④は基本へヴィな曲だが、サビの歌メロがガラっと明るくなる曲で
意表を突く。
⑤はBLACK SABBATH時代を彷彿とさせるへヴィなリフが印象的。

⑥はバラードと言うべきかな?
アグレッシブな曲の中で心温まる歌メロと、対照的に
吼えまくるザックのGuの組み合わせがいい。
⑦はOZZY OSBOURNEの曲にしては珍しく、KeyがGuと効果的に
絡んでちょっと様式美HM風なアレンジになっている。
後半のハイライトと言っていいだろう。

それと・・・長年アルコール依存症と戦ってきたオジーが⑧のような
曲を歌うと実にリアリティがあるね。
おどけた歌い方をしており、曲もへヴィながらも
ユーモラスな雰囲気が漂ってはいるけど。

唯一ザックが作曲に関わっていないバラードの⑨も
素晴らしい。
ピアノなどKey中心のアレンジで、
へヴィメタルの深遠なる美的側面の一部を見せてくれたような曲。

ボーナストラックの⑩もレギュラートラックにしていいような曲だが
これは多分、単純にこのアルバムのレギュラートラックにしても
雰囲気が合わず、浮くからそうしているのだろう。

基本的に捨て曲らしい曲は見当たらない、名盤。
その辺のちょっと小手先だけ上手いようなギタリストなんて
足元にも及ばない、本物中の本物のHMギタリスト
ザック・ワイルド先生の出世作です。
未聴の方は、早く聴いて。


~METALIST'S FAVORITE TUNE~
①Miracle man
②Devil's daughter
③Crazy babies
⑤Bloodbath in paradise
⑥Fire in the sky
⑦tatooed dancer
⑧Demon alcohol
⑨The liar
⑩Don't won't to be your hero



総評・・・92点

オズモシスオズモシス
(1995/10/13)
オジー・オズボーン

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'95年にリリースされた7th。

個人的には「オジーに凡作無し」という格言を勝手に
作っているくらい、彼の作品の良さは信頼している。
どんなギタリストが入ろうが、彼自身がどんな精神状態で
アルバムを作ろうと凡作にはならない・・・と。

だが、この作品からはその法則が崩れつつあるかもしれない。
はっきり言うと、アグレッシヴなHR/HMを作るためのアイディアが
彼には尽きかけている気がするのだ。
「HR/HM」と限定したのは、本作品に収録された楽曲自体は
素晴らしいと思ったからであり
①②のような楽曲に無反応な程、私はメタル不感症にはなっていない。

①ではザックのへヴィなギターと、地獄の底から呪詛の声を上げて
蠢くようなギーザーのベースが聴けて
この時点で「うむ・・・良し!」と思ったし、
とにかくドラマティックなバラード②でお腹一杯なくらい堪能できた。
バラードが連続しないように現代版BLACK SABBATHと言うか
ドゥーミーな④⑥のような曲も用意されている辺りは
聴き手のこともよく考えてはいると思う。

しかし・・・こういう曲ばかりではゆっくりゆっくり体を揺らすことは
できても思わず暴れたくなるような、アドレナリンが分泌されるような
そんな気持ちにはならない。
バラードが多いと言う批判もあった前作でも、
「これぞへヴィメタル」と言えるような、そんなアグレッションがあったのだが
本作品にそれがあまり感じられない。
それが私には物足りないのだ。

そりゃあ、オジーだって人間だ。歳も経るからいつまでも
暴れるような楽曲ばかりはできないだろうが、HR/HMの世界で
何十年もしぶとく生き続ける彼にはそんな現実を
忘れさせて欲しい、という気持ちが私にはどこかにあり
そんな奇跡をまた起こしてくれると期待していたからこそ、
夢から覚めたような、そんな気分にさせられたのだ。

厳しいことばかり書いたが、それはあくまでオジーに私が
純なへヴィメタルを求めているからだ。
広義の意味でのロックアルバムとしてはとてもよく
出来ており、このアルバムから
初めてオジーの作品に触れた方にとっては
「こんなに素晴らしい作品なのにどこが悪いんだ?」と
思われることだろう。
それくらいクオリティは高い。特にバラードは。
ただ、私にとって求めるオジーの音楽で無かったから
高い評価をしていないだけだ。


~METALIST FAVORITE TUNE~
①Perry Mason
②I just want you
③Ghost behind my eyes
④Thunder underground
⑧My little man
⑨My Jekyll doesn't Hide



総評・・・86点

No More TearsNo More Tears
(2002/04/02)
Ozzy Osbourne

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'91年にリリースされた6th。

BLACK SABBATHを脱退後もソロ活動で、次々と伝説を
作ってきた男が一度はその世間の風当たりや、PMRCとの
闘いに疲れ果て引退を考えていた頃の作品。

・・・のはずだが、とてもそうとは思えない。
⑤のような今までの彼の楽曲には無かったタイプの、
凝った構成の楽曲を聴くと
まるで、やりたいことをやり尽くして新しい方向性を示唆させる
ようにも思える。

オジー・オズボーンは自らの才能によって、成功を治めているのは
当然なのだが同時に運も人並み外れて強い。
本人が考えてやっていないような行動であっても、
結果的にそれが彼の名を世界中に広めることになったし
(まあ、それが本人を苦しめることにもなったのだが)
自らのバンドで弾いてもらうためのギタリストを探しても、
ギターヒーローと呼ばれるにふさわしい
人物を次々と見つけ出すし・・・。
本当に何か、凄い霊が取り憑いているとしか思えない(笑)。

そんな彼が発掘した4人目のギター・ヒーロー、ザック・ワイルドは
歴代のOZZY OSBOURNEバンドの中で個人的に一番好きだったりする。
ソロはペンタトニックスケールが殆どなのだが、泣くというよりも
「吼える」ギター。
そして、単純なリフを極限までカッコよくへヴィに弾きこなせる
能力があることは④を聴いてもらえれば分かってもらえるだろう。
「引退宣言アルバム」らしくはないと最初に書いたが、
③⑪を聴いてみると、穏やかで希望に満ちたメロディを
作っているところから
やっぱり彼も当時疲れていたんだなぁ・・・と感慨深くなる。

さて・・・オジー自身の歌ですが
よく世間で言われるのと同じく私自身、そう上手いとは思いません(苦笑)。
しかし、彼の楽曲を他の誰かが彼よりカッコよく
ライブで歌えるか?
と問われれば、それもまた難しいと思う。
声質やライブパフォーマンス、そしてその存在感は
他の誰がやっても小物感が漂ってしまう気がするんだよね。

このアルバムでは無いが"Bark at the moon"の狼の吼える声を
たとえば、ロニー・ジェイムズ・ディオやトニー・マーティンがやって
様になるかって話だ。
多分、ならないし、まずそれ以前に自分でやってみて
恥ずかしくてなってできないだろう(笑)。
だから、これでいいのだ。


~METALIST'S FAVORITE TUNE~
①Mr.Tinkertrain
②I don't want to change the world
③Mama,I'm coming home
④Desire
⑤No more tears
⑨Zombie stomp
⑪Road to nowhere



総評・・・90点