約束のバス
- 2025/01/07
- 21:11
始まりは居酒屋での冗談
そう瓢箪から駒
あり得ない方向に
気持ちが状況を追い越して
足元を見たら崖っぷち
手を伸ばせば届くところに
確かにあなたはいた
思いがけない程近くに
約束の時間
夜の高速バス
踏みとどまれたのは理性ではなく情
長い時間をかけて育んだ記憶を消し去ることは不可能
解っていたはず
ずっとそうやって生きてきたんだから
新しい旅は魅力的で
むしろ魅力的過ぎたから思い止まれたのかもしれない
そんな筈はないよ
そんなことってないんだよ
夢の日々の連続なんてね
いつの時だって
怒りが哀しさに変わるときの喪失感に
打ちのめされてきたんだもの
人影まばらな
深夜のターミナルにバスが滑り込む時
痛んだ胸は恋心だろうか?後悔だろうか?
あの人はスマホを見ている
もう繋がることのない変更前の私のアドレスを
そして発車するバス
あの人を乗せて
電話番号のようにはスマートに素早く切り替えられないココロは
子供のように駄々をこねる
初雪なんて似合いすぎて嫌いだ
子供を誘ってマックで何か食べよう
切り替わらない自分というハードディスクを更新するために